北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
【目次】
□クロスレビュー「必食の一杯」
【北島秀一】
らーめん鶏喰~TRICK~@吉野町「鶏と鰹の醤油」
支那そばや 新横浜ラーメン博物館店@新横浜「醤油らぁ麺」
らーめん夢@東神奈川「わんたんらーめん」
新町立食麺食堂 スタンダップ@神奈川新町「のり玉ソバ」
家系ラーメン とらきち家@東白楽「ラーメン」
麺処花田 渋谷店@渋谷「味噌ラーメン」
麺屋 航@目黒「中華そば」
ラーメンイレブン@大網「ラーメン」
麺屋 猪一@河原町「支那そば黒」
本家 第一旭@京都「中華そば」
ラーメン大至@御茶ノ水「パンプキンポタージュつけ麺」
魂麺@本八幡「鍋焼ラーメン」
中華そば 八助@弘前「背脂コク煮干並」
R.camp@弘前「濃厚鶏白湯煮干ラーメン」
■拉麺人インタビュー
□クロスコラム
■異論激論!
□告知/スケジュール
■編集後記
■巻頭コラム
「東京ドームの中心でラーメンを立ち食いする」山本剛志
例年1月に東京ドームで「ふるさと祭り東京」が開催される。全国各地の食や工芸品が並び、祭りを見せるイベント。これまでも行われている事は知っていたが、入場料が1,500円かかることもあり、あまり関心がなかった。今年はお目当てもあり、直前に入場券を得たことも加わって、最終日に訪問してみた。
その「お目当て」は「ラーメンwalker食堂」。麺や七彩の阪田店主らが手がけた「幻の和歌山中華そば」がお目当て。和歌山県湯浅市の「角長醤油」を使い、それに負けない豚の背ガラを煮込んだスープが特徴。背ガラは煮込む前に醤油に漬けて保管されているので、スープとの相性がよいだけでなく濃厚さもあった。
他に、宮城県石巻市の「石巻サバだしラーメン」もいただいた。こちらは震災復興の為に、地元業者と石巻専修大学で共同開発した町おこしラーメン。麺に入れるかん水を半減させ、サバ骨を粉にしたものをつなぎに使用し、スープもサバ骨がベースというもの。塩味をベースに、サバの竜田揚げやサバつみれといった具材の楽しさも感じられた。
とはいえ、今回は日本全国からのブースが並び、日本の祭りを実演するステージも用意されていて、東京ドームと言えど手狭に感じられるもの。人気のブースに人だかりができると通りづらくなるし、何より飲食するための席が不足している。あちこちで立ち食いしている人たちがいて、祭りの縁日のような賑やかさはあるが、ラーメンイベントに比べると客への対応に物足りなさは感じた。
ラーメンは各地のブースに点在して提供されていたが、本格的なものとなるとあまり見受けられない。東京ドーム側の事情で、出店者の入場は開始2時間前、終了1時間後には退出しなければなかないという。そこで本格的なラーメンを作るには様々な制約があったと思う。それだけに、今回の「ラーメンwalker食堂」、七彩阪田店主の取り組みは特筆に値すると思う。今後もそういった動きがある事に注目したい。
□クロスレビュー「必食の一杯」
一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回はBASSOドリルマン出身で、昨年11月に独立開業した『日本橋製麺庵 なな蓮』の「支那そば」を三人が食べて、語ります。
「支那そば」800円