■「東京ラーメンショー2013」全部のまとめ!
東京ラーメンショー、最終日の11/24(日)まで行ってきました。とはいえ、今更?という気もするので、この記事は無料公開。そして、個人コンテンツなので、これまでの3本も無料公開にしちゃいます!こちらもじっくり読んで、「当たってないよ」とご笑覧いただければ幸いです。
◆東京ラーメンショー2013 徹底予想
http://ch.nicovideo.jp/ramen-magazine/blomaga/ar379437
◆東京ラーメンショー2013 第一幕速報!
http://ch.nicovideo.jp/ramen-magazine/blomaga/ar390852
◆東京ラーメンショー2013 第二幕速報!
http://ch.nicovideo.jp/ramen-magazine/blomaga/ar393239
まずは、最終日に初食した2軒を紹介!
■15:濃厚味噌「炎炙」肉盛そば ~加賀百年蔵出しバージョン~
「濃厚味噌」に「肉盛」の言葉も加わり、人気を集めていたので10時前に並んでゲット。今年は「加賀百年蔵出しバージョン」として特別な味噌を使っているとのことだが、その差よりも味噌味でパワーアップしたスープの力強さ、そこに乗る濃い味付けのバラ肉が抜群のインパクト。太麺ということもあって食べごたえは抜群でした。
■20:立山ポーク豚肉(トンロー)麺
「昨年の売上杯数日本一」をのぼりに大書した富山麺友会。第1回から提供杯数の多さが自慢の「麺家いろは」を中心に、ハイスピードでの提供を心がけていて行列していてもどんどん捌けていく。ペースを見て早めに調理しているらしく、チケットを集めた店員さんが厨房に「4杯入りましたー」と声をかけると、厨房から「6杯あがるよー」とかえってくる(笑)。
ラーメンはあっさりめの豚骨スープに、立山ポークを使った細切れチャーシューが乗る。地元の食材の持ち味をPRしつつ、「いろは」のオリジナル七味も軽くかけられている。
東京ラーメンショー2013で食べたブースを一言ずつ、順不同で紹介します。(第一幕【01】京都と、第二幕【18-4】旭川は食べられず)
■第一幕
【12】久留米:博多とは違う豚骨の魅力を、ブレンドしたタレでもアピール
【06】笠岡:鶏を活かした笠岡ラーメンに、魚介で魅力をプラス
【18-1】尾道:地元の味を丁寧に再現。麺の魅力もポイント高い
【03】竹岡:チャーシューに香ばしさがプラス。スープも香り高く
【18-2】庄内:ブランド豚が多い庄内の魅力がチャーシュー麺に結実
【15】静岡:あっさり澄んだ中に充実したうま味。工夫多かった
【11】名古屋:名古屋の人気店より辛さは控えめだが、台湾ラーメンらしさはあり
【20】札幌:札幌で人気の濃厚タイプをしっかりと表現
【04】山形:去年より醤油らしさを加えてまろやかな味で山形らしさアップ
【08】新潟:人気の濃厚味噌を再現。割りスープがなかったのが惜しまれる
【05】秋田:豚骨魚介の濃厚なスタイル。驚きはないが
【10】呼び戻しブラック:濃厚な豚骨スープに黒マー油。博多要素満載
【07】赤穂:シンプルな塩に安心感がある。新しい具があると面白いかも
【09】海老そば:海老の香りとうま味がスープを覆う。パワフルな一杯
【16】三陸:ワカメ練り込み麺と秋刀魚ダシだけど、どこかオーソドックス
【02】埼玉:お馴染み焦がし醤油。新しい仕掛けも見てみたい
【17】博多:博多ラーメンとしては比較的濃厚でいい感じ。
【19】函館:具が増えた分、海産物の影響を強く感じた塩ラーメン
【13】味噌とん:豚骨スープが濃かった。味噌がもう少し出てもよかった
【14】山岸:あっさりでいい醤油味。ただ本当に「ラーメンショー限定レシピ」?
■第二幕
【09】佐伯:ニンニクびんびんに効いた大分佐伯の味がしっかり出てた
【11】福島:煮干しをしっかりきかせた「福島黒中華」が鮮烈デビュー
【19】長野:ネギと胡椒が決め手の「王様中華そば」が広まる気配。
【14】沖縄:シンプルな塩味に豚のスープがマッチ。トッピングの肉がウマそう
【13】白醤油:さすがの完成度。あっさりすっきりしながらラーメンらしさ十分
【03】稲庭:乾麺の素朴さと醤油味のすーぷ、なめこが相性よく、根付くかも
【12】松島味噌:味噌を感じつつ豚骨も十分。具の見映えよく楽しい
【04】ど・にぼ:初日は味噌が強かったようだが、その後は煮干しも出てた
【10】鶏豚ワンタン麺:鶏白湯をしっかり感じられつつ、一風堂らしさを味わった
【06】あおぞら食堂:鮮魚から作ったスープは日によって出来が違ったらしい
【08】奥美濃古地鶏:鶏のじんわりした味が醤油と絡んで奥深い
【01】徳島:去年とは様変わりの濃厚豚骨。店でも食べられない味?
【05】小豆島:濃厚スープに醤油も濃い。一度店にも行ってみよう
【07】わぽ会:背脂と醤油のインパクト勝負ながら味わいあり。
【18-3】新潟味噌:2日間だけのあっさり味。でもしっかり温まる。
【15】金沢味噌:濃厚味噌とバラ肉盛が相性良し。肉の味付けもしっかり。
【17】あぶり味噌:鶏白湯に濃厚味噌。これが並ばずに食べられた。
【18-5】味噌カツ:揚げたてカツと味噌スープが好相性。高知も行かなくては。
【16】牛骨白:牛骨の味が濃いめにシフト。とはいえ油っぽくはない。
【02】伊勢エビ味噌:海老と味噌それぞれの味がしっかり立っている
【20】富山:素早い提供に驚き。立山ポークを細切れチャーシューで知る。
今年で5回目になる「東京ラーメンショー2013」、私は第一幕の16,17日、第二幕の20,23,24日に訪問し各地のラーメンを楽しんだ。開催前の予想と食べてみての速報は、過去の「ら~マニア共和国」エントリーにまとめている。
現在の「5日×2幕制」になってから3回目だが、去年一昨年に比べると観客数は少なく感じた。各店の行列も短く、例年のような「会場から人が溢れてしまうのでは」と思えるほどの混雑は感じなかった。これについて私が原因と思われること、周囲で語られていたことをまとめておきたい。
(無論、この見解は公式のものではないし、正しい指摘でない可能性もある)
(1)寒かった
寒ければ屋外イベントは避けるのが道理。昨年までは「文化の日」を最終日にした10日間だったが、会場の都合で3週間遅い「勤労感謝の日」を最終日にしたため、その分寒く、日が出る時間も短かった。特に平日の夜が寒く、仕事帰りに行こうと思っても、職場から外に出たら家に帰りたくなる、なんていう日もあった。ただ、今年「文化の日」を最終日にしていたら台風が直撃していたわけで、どちらがよかったかは悩ましい問題だと思う。
(2)テレビでの紹介が少ない
これまでは話題として各局のニュースで紹介されるなどしていたが、例年のイベントということで即時的に報じられる機会が減少したようにも思える。地方局がその土地から出店しているブースへ密着取材する機会は増えていたようだが、ドキュメントの放送となると開催期間と離れてしまい集客には繋がらない。また、人気ワイドショー番組がドタキャンしたのは痛かったかも。
(3)初日が雨模様
前項にも関連するが、ニュースで紹介されたのは初日、昼から雨が降る平日の様子が紹介されたことになる。ニュースで紹介されて「行こう!」という賑やかさが欠けていたのかもしれない。2日目から最終日までは晴れ続きだっただけに残念というしかない。
(4)食のイベントが増えた
「B-1グランプリ」だけでなく、うどん日本一を決める「U-1グランプリ」などの全国規模のイベントだけでなく、東京近郊の街でもそれぞれの土地の味をPRするイベントは増加傾向にあると思われる。そういうイベントを日常的に見かけるようになると、「東京ラーメンショー」だけが特別のイベント、という気持ちにはなりづらい。
(5)周辺でのイベントが少なかった
駒沢公園は陸上競技場や球場などが隣接していて、例年だと部活の試合帰りと思われる中高生がジャージを着たままラーメンショー会場に来ていた。今年はそういう姿を見る事がなかった。中高生の大会は11月上旬にかけて多く、期末試験を控えた11月下旬は少ないのだろう。例年文化の日に行われる駒澤大学の学園祭から流れてくる客もいたかと思うと、周辺のイベントによって影響される人出も馬鹿にはできないだろう。
(6)「五輪招致」の冠が外れた。
第一回東京ラーメンショーは、「2016年五輪東京招致関連行事」として、東京都や関連団体の協力があった。2020年五輪が東京に決まり、「招致」の横断幕は「感謝」に変わったが、その分東京都や関連団体がラーメンショーに関わる度合いが減っているのかな、とも感じた。とはいえ、駒沢オリンピック公園中央広場がこれだけ長期間使えているのだから文句は言えませんが。
(7)景気回復?食の二極化?
「アベノミクスで景気回復し、外食がラーメンより高級なものに流れているのでは」という指摘も聞かれた。個人的には景気回復した実感はないが、確かにラーメンよりも高価格帯の外食店が最近増えているようにも思える。一方で外食せずに、コンビニや総菜屋で持ち帰る「中食」も増加傾向。ラーメンを意識して食べに出かける人達が減っているのではないかという指摘はある。
(8)給料日前で財布が厳しい
最終日が「24日」ということで、25日の給料日を前に財布の紐が緩まなかったのでは?という声も。そこまで25日が給料日の人が多いのかなぁと笑ってしまったが、家族4人で食べて交通費入れればそれなりの値段がかかるので、節約のためにラーメンショーにいけなかった人も、もしかしたらいるのかも…
■来場者数が減った「東京ラーメンショー2013」ですが
(1)味は各ブースとも見事
ラーメンショーも5回目になると、各ブースとも手慣れたところが多く、混乱はあまり見られず。それぞれに個性ある、印象に残るラーメンを出していた。ただ、スピーディーに提供するためか、細麺を使ったブースが多かった。もう少し太麺の魅力を楽しみたいな、という気持ちも残る。
(2)日本ラーメン協会ブースは新しいスタイルを創るか
「5日間×2幕」が原則の中、日本ラーメン協会加盟店有志が5グループを組み、2日ずつ出店した「18番ブース」は新しい取り組みだった。東京の店がラーメンショーに出てこない地域のラーメンを学んで創作したり、自分たちの地域を食材や味付けでPRするなどユニークな取り組みが目立った。5日間は無理でも2日ならというお店にラーメンショーを知ってもらえたことは意味があると思う。それぞれの味もしっかり楽しめた。来年も新たな取り組みが出現することに期待したい。
(3)出店のバランスに課題あり
2幕に分かれ、どちらに出店するかは「くじ」で決めたとのこと。ところがその結果、第一幕では塩や豚骨が固まり、第二幕では味噌ラーメンのブースが固まった。
第一幕では「久留米」「博多」の競演が起き、博多の人気店のコラボ出店が固まったが、第二幕で九州豚骨を謳ったところは「大分佐伯」だけで、そちらに人気が集中した一因にもなった。
第二幕の味噌味は「濃厚味噌」を旗印にするところが3軒並んでしまい、客入りに大きな影響を与えていたのは気になったところ。
今後は「味噌」「塩」「豚骨」などのジャンルごとに枠を決めてのくじ引きなどが必要と思われる。
(4)来年はどうなる?実行委員長を直撃!
閉会式で、来年も東京ラーメンショーが開催されることが発表された。実行委員長の大崎さんに話を伺った。一番気になったところを質問してみた。
「2014年は消費増税もあります。現在一杯800円のラーメンの価格はどうなりますか?」
確かに厳しい面もあり流動的だとしつつ、850円への値上げは難しいので、800円で据え置きたいとの意向を持っているとのこと。もちろん今の段階であり確約された話ではない。
また、今年の客数が少なかったことも認識していて、何らかのイベントやメディアとのタイアップも検討しているらしい。もちろんそれらにも一長一短があり実現性は不透明だが、「東京ラーメンショー2014」が新たな驚き、知られざる美味しさを楽しめるイベントになるよう、私も(勝手に)応援したいと思う。
まとめ:2013年12月06日(金)朝公開。
山本剛志:ラーメン評論家、ラーメン王。1969年生まれ。東京都出身、東京都在住。TVチャンピオン第6回ラーメン王。