北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
【目次】
□クロスレビュー『必食の一杯』
IPPUDO TAO FUKUOKA@天神「TAO醤油」
□告知/スケジュール
■編集後記
■巻頭コラム
『久留米豚骨ラーメン80年』山路力也
今年は久留米豚骨ラーメン80周年というメモリアルイヤーです。久留米ラーメンは言わずと知れた白濁豚骨ラーメン発祥。九州の豚骨ラーメンはもとより、全国いや全世界の豚骨ラーメンは久留米から伝わっていきました。その嚆矢が久留米の老舗「南京千両」で、南京千両の創業が昭和12(1937)年なので、今年が80年ということになるのですね。
これはラーメン好きでも時々誤認している部分でもありますが、南京千両が生み出した豚骨ラーメンは、横浜中華街の鶏ガラベースの清湯醤油ラーメンを模して豚骨で作ったものであり、白濁ではなくて豚骨清湯醤油でした。その後、屋台ラーメンの「三九」が間違ってスープを濁らせてしまったのが白濁の発祥と言われています。
今でこそ久留米ラーメンといえば濃厚なド豚骨というイメージがありますが、そういう歴史的背景から、久留米のラーメンは本来あっさりとしたものでした。さらに麺も中太のストレート麺を柔めに茹でるのが基本でした。その後、様々なラーメン文化習合が行われていく中で、呼び戻しの濃厚なスープというスタイルが出来上がっていったのです。
来る10月14日、15日には久留米で久々にラーメンイベントが開催されます。その名も「とんこつラーメン誕生祭」。久留米をはじめ九州の豚骨ラーメン店が集結する、豚骨ラーメンだけのお祭りです。私もお祝いがてら足を運びたいと考えています。
□クロスレビュー『必食の一杯』
一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は8月にオープンした話題の新店「中華そば あの小宮」の 「中華そば」を、山路と山本が食べて、語ります。
中華そば あの小宮@都立大学