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北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
「ラーマガ」THE RAMEN MAGAZINE
#123

・北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
・2017年2月28日発行(月3回)2月第3号(通刊 第124号)

【目次】

■巻頭コラム
 『ラーメンは採点競技じゃない』(山本剛志)

□クロスレビュー「必食の一杯」
  自家製麺 啜乱会@新小岩「らーめん醤油 清(きよい)」

■ラーメン実食レビュー
【北島秀一】
  五ノ神水産@淡路町「らーめん銀だら搾り」

【山路力也】
  中華そば 勝本@水道橋「中華そば」
  ラーメンBooBoo太郎。@県庁前「小ラーメン」
  ラーメンやまや本店@西千葉「ラーメン(並)」
  千葉房総 麺のマルタイ@祇園「比内地鶏の煮干らぁめん」
  らーめん矢吹 本店@新静岡「魚介豚骨醤油」
  金久右衛門 京都祗園店@祗園四条「祗園ブラック」
  中華そば 行徳家@高宮「塩レモンラーメン」

【山本剛志】
  雲林坊@新日本橋「汁あり担々麺」
  老郷本店@平塚「タンメン」
  竜葵@川口「塩そば」
  清泉庵@本銚子「ラーメン」
  越後屋食堂@本銚子「ラーメン+天ぷら」
  そば富@本銚子「ラーメン」
  ふーちゃん@銚子「ラーメン」

□拉麺人インタビュー 
 町田恵一 <鏡花 店主>③
 『「ラーメンの専門商社」を作りたい』(聞き手:山本剛志)

■ラーメン活動月報(2月)

□告知/スケジュール

■編集後記

■巻頭コラム
『ラーメンは採点競技じゃない』山本剛志

 私が普段聞いているラジオ番組「東京ポッド許可局」で、面白い論が展開されていた。バスケットボールや野球、お笑いの世界の変革について触れ、技術の進歩が才能の差を埋め、それを飛び越える新たな才能によって、また新しい世界が作られるという話だった。これはラーメンの世界でも言える事で、「豚骨魚介」や「鶏白湯」など、それまでになかったラーメンが話題を集めると、それを再現する技術が作られ、多くのお店で提供される事になる。その広がりを、食べ手の側が「マタオマ系」と呼んでいるのではないだろうか。

 そのラジオ番組の中でもう一つ、気になる指摘があった「M-1グランプリ以降、お笑いの質が変わった」というものである。本来採点競技ではない「お笑い」が、その場で審査される事により、笑いそのものよりもキャラクターで笑いを取っていく時代になったという指摘である。これもラーメン界に対する重要な指摘を含んでいると感じた。

 ラーメンに限らず、飲食業はそもそも採点されるものではなく、お客を全力でもてなし、料理を提供するものだと思う(本来はその姿こそが「一期一会」を意味するもので、食べ手の側から「一期一会」を使う事には違和感を感じる)。2000年頃に隆盛を極めた「個人が作るラーメンのホームページ」の中には、食べたラーメンを採点しているものもあったが、それはその人の「点数」でしかなかった。それを大きく変えたのは、2005年にサービス開始した「食べログ」である。レビュワーの点数を総合して点数化する事によって、飲食業が「採点競技」へと変貌していった。あるラーメンを2人が食べ、一人が「100点」、もう一人が「40点」と評したからといって、そのラーメンが「70点」になる事には違和感がある。食べログ側もそれを理解していて、個別の採点を独自のロジックで点数に変換しているわけだが、そのロジックが公開されていない事で、更に不信感を高めているケースも見受けられる。

 ラーメンが採点競技だと思う人が増えれば増える程、流行をトレースする技術に長けたラーメン店が「名店」と評価される状況になるかもしれないが、私はその立場には立たず、ラーメンの多様性を支えているラーメン店を語っていきたいと思う。


□クロスレビュー「必食の一杯」

 一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は昨年12月にオープンした「自家製麺 啜乱会」の「らーめん醤油 清」を山路と山本が食べて、語ります。

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自家製麺 啜乱会@新小岩
「らーめん醤油 清(きよい)」850円