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北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
「ラーマガ」THE RAMEN MAGAZINE
#121

・北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
・2017年2月10日発行(月3回)2月第1号(通刊 第122号)

【目次】

■巻頭コラム
 『麺は硬めでお願いします』(北島秀一)

□クロスレビュー「必食の一杯」
  松戸富田麺業@千葉「ラーメン」

■ラーメン実食レビュー
【北島秀一】
  支那そば 勝丸@目黒「極上焼き干しラーメン」

【山路力也】
  担担麺 香噴噴@木場「汁なし担担麺」
  一風堂 JR静岡駅店@静岡「白丸元味」
  中華蕎麦 葛@本町「出し蕎麦」
  まんかい 梅田豊崎店@中津「純とん」
  中華そばつけ麺 永福@天神南「中華そば」
  中国菜 四合院凛丹@天神南「四川担々麺」
  ラーメン花道@七隈「レモンラーメン」

【山本剛志】
  博多一幸舎@経堂「赤ラーメン」
  縁@湘南台「醤油ラーメン」
  阿吽@北浦和「担々麺」
  かも屋@新潟「ラーメン」
  鯛あたり@越後石山「鯛しょうゆラーメン」
  八木茶屋@三条市下田「山塩ラーメン」
  鯉次@東三条「背脂ラーメン」

□拉麺人インタビュー 
 町田恵一 <鏡花 店主>①
 『「お父さん優勝しちゃうよ」とか言ったりして』(聞き手:山本剛志)

■連載コラム(第33回)
 『ラーメンの憂鬱』〜都合により休業いたします(山路力也)
 『教養としてのラーメン』〜戦後ラーメン史(8)~「タンポポ」からの10年~(山本剛志)

□告知/スケジュール

■編集後記


■巻頭コラム
『麺は硬めでお願いします』北島秀一

 「ラーメンの麺は硬めに限る」と最初に言い出したのは、自分が覚えている範囲ではおそらくインスタントラーメンのCMだったような気がする。実際、インスタントの強く縮れた麺を硬めに茹でると、そのデコボコが唇や喉を通る時に強い刺激を得られて「美味い」と感じた。

 次にこの意見を強く意識したのは、「がんこ」の家元・一条安雪氏が以前掲げていた「ラーメン三悪」、すなわり「麺は硬めに限ります・ダシは濃いめに限ります・スープは熱々に限ります」(これも記憶。正確な文言は違ったかも)。これもまた、さらっとしつつもあの塩分とダシのインパクト充分な「がんこ」のラーメンを食べるのに、中細の硬麺はぴったり合っていた。

 その当時、既に「ラーメンは麺硬め」と言う風潮は広く世に広がっていた。ラーメン店主と顔なじみの読者諸兄なら、一度くらいは「初めて来たお客でもみんな麺硬めって言うんだよね」との愚痴とも嘆息とも思える言葉を聞いた事があるだろう。確かに麺硬めが美味しいラーメンもある。個人的には「天鳳」@六本木の135や麺ばりはその代表格だ。が、今やラーメンの幅は、それらの味が成立した当時に比べて非常に広がっている。

 個人的な考察だが、もともと昔のラーメンは、蕎麦やうどんに比べて「刺激」が重視される麺料理だった。かん水を使ったクセの強い麺を食べさせる、しょっぱく、パンチのある、油っこいスープ。硬くて歯ごたえのある麺もその「刺激」の一環として重視されたのだと思う。が、今やラーメンは必ずしも「刺激」のみが重視される物ばかりではない。ダシ感や素材の風味、具材とのバランス、麺自体の風味や全体の一体感。そういうラーメンにとって、「刺激」は必ずしも最優先の要素ではない筈だ。

 だからこそ作り手の側から「初めて食べるのに麺硬めでばかり言われる」との嘆息が出てくるのだろう。逆に言うと、相変わらずラーメンに「刺激」のみを求める客層がまだまだ多い事も確かだ。「麺柔らかめが美味いラーメンもある」と広く認識されるまでは、今しばらく時間はかかりそうな気がする。(ラーマガ003号より転載)


□クロスレビュー「必食の一杯」

 一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は昨年11月にリニューアルを果たしたJR千葉駅構内に出店した、中華蕎麦とみ田の新業態店『松戸富田麺業』の「ラーメン」を、山路と山本が食べて、語ります。

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松戸富田麺業@千葉
「ラーメン」800