北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
【目次】
□クロスレビュー「必食の一杯」
□告知/スケジュール
■編集後記
■巻頭コラム
「『福岡ラーメン』という捉え方」山路力也
仕事やプライベートで福岡に行くことが多いのですが、今月福岡でいくつかのお仕事を立ち上げさせて頂きました。一つは福岡で長年街の情報を発信している人気タウン誌『シティ情報Fukuoka』でのラーメン連載開始。もう一つは福岡のグルメをプロのライター陣が書くウェブメディア『クイッターズ福岡』への参加。さらにオウンドメディアとしても『福岡ラーメン通信』を立ち上げました。
『クイッターズ福岡』に関しては、ラーメン以外のレストランも紹介するのでちょっとズレるのですが、『シティ情報』と『福岡ラーメン通信』はラーメンに特化した内容。そこで意図して使っている言葉が「福岡ラーメン」という言葉です。博多ラーメンでも長浜ラーメンでもない、広義的な意味合いを持った福岡ラーメン。雑誌連載のタイトルはまだ仮ではありますが「福岡ラーメン物語 のぼせもん」にする予定でいます。ちなみに「のぼせもん」とは、博多弁で「熱中する人」みたいな意味合いです。
福岡の人たちはラーメンやうどんなどのソウルフードに関しては、かなり保守的だと感じます。若い世代はそれほどでもないでしょうが、豚骨以外はラーメンじゃなか!という方たちも少なくありませんし、ラーメンはここにしかいかんけん、みたいな方も凄く多い。しかしそれはとても勿体ないことだなぁと思うのです。ラーメンの世界はもっと広くて果てがなく楽しいのに。
私が福岡に何度足を運ぼうとも、アウェーの人間であることには変わりありません。そこでラーメン評論家として忘れてはならない視点は、東京目線で見た福岡のラーメンということだと思っています。そしてその視点が福岡で発信されることで、福岡のラーメンがより立体的に見えてくるのではないかと思うのです。
そこで私は「福岡ラーメン」という言葉を置くことで、福岡全体のラーメン像を俯瞰して捉える考え方を提案しようと思いました。これは今から16年前に意図的に雑誌、テレビ、ウェブなどで「千葉ラーメン」という言葉を連呼した時と同じ手法です。あの時、千葉のラーメンはどこからも見向きをされなかった。その状況を変えるにはどうしたらいいか考えた末に出したのが「千葉ラーメン」という考え方の提案でした。
千葉とは違って福岡がラーメンの街であることは誰もが知っていますが、福岡のラーメン=豚骨ラーメンという捉え方が圧倒的だと思うのです。しかし実際には豚骨以外の美味しいラーメン店がいくつも増えているのが現状です。そんな福岡のラーメン事情を福岡在住ではない僕が定点観測出来たら面白いなと思っています。もちろんこの「ラーマガ」でもレビューやインタビューなどで時折福岡のラーメンについて書いていきますので、御期待下さいませ。
□クロスレビュー「必食の一杯」
一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は池袋の「石神秀幸厳選 極み麺selection」に期間限定でオープンした「肥後国熊本玉名ラーメン」の 「熊本玉名ラーメン」を、山路と山本が食べて、語ります。
肥後国熊本玉名ラーメン@池袋