■「ラーマガ」本誌に載せきれなかったレビューを掲載する「ラーメンレビュー増刊号」です
「ラーマガ」本誌では、各号で7件の個別レビューを掲載しています。遠征や連食などで、そこに収まらない私のレビューを、随時「ら~マニア共和国」で掲載します。
今回は巻頭コラムで「ドラゴンレッドリバー@赤坂」のお披露目会の様子、この夏の冷やし5杯のレビューを無料公開。そして九州遠征から4杯をレビューしています。ラーマガ本誌と合わせてお楽しみください。
□目次
1.巻頭コラム
「暑さに負けない激辛四川料理をビールで!ドラゴンレッドリバーがリニューアル」
2.この夏の冷やしレビューは無料公開!第四弾は西へ?
3.九州遠征完全版
1.巻頭レビュー
「暑さに負けない激辛四川料理をビールで!
ドラゴンレッドリバー@赤坂がリニューアル」
際コーポレーションでは様々な中華料理店を展開している。四川料理をメインに中国家庭料理を取りそろえた「ドラゴンレッドリバー」の赤坂Bizタワー店がこの夏リニューアル。「RED! & HOT! & SPICY! チャイニーズビアダイニング」をコンセプトにしたとの事。そのお披露目会にお誘いをいただいたので、行ってきました。
地下鉄赤坂駅直結の「赤坂Bizタワー」の1階で、雨の日も安心。これまでもスパイシー料理でお馴染みでしたが、更に辛さを強調し、ビールとの組み合わせを打ち出してきました。
6種類のドラフトビールをはじめに、酒類も豊富に用意している。
まずは「アサヒスーパードライエクストラコールド」。しっかり冷たいので、辛い味がマッチします。
「アサヒスーパードライ」。お馴染みの味でゴクゴクと飲めます。
「バスペールエール」。濃い味でビールの後味も楽しめる。
キュウリとパクチーの辛味和え。
豚角煮の辛み揚げ。パリパリとした食感が辛さに覆われて、食べ応えしっかり。
肉好きにオススメの「辣牛腩」。香辛料、酒、味噌に漬けこみ、焼いてから仕上げに唐辛子をかけている。辛さの中に、油がしっかり残っているのもポイント。
夏の麻辣ぶつ切りうなぎ鍋。唐辛子の辛さに、山椒もたっぷりと入っていて、うなぎのまろやかな味と辛さと痺れが交互に舌を襲う。
左は、肉に花椒をたっぷり入れた「花椒しびれ豚まん」、右は上に唐辛子を刺して、もちろん中も激辛の「鷹の爪小籠包」。
箸休めにいただいた、パパイヤとプチトマトのピクルス。
その他、様々な料理をいただきました。中にはこの日の為に用意したものもあるようなので、写真だけ紹介します。
最後に、麺類も紹介しなくては。
「超辣担々麺」。「日本一辛い?」と標榜している辛い担々麺は、ここでは更に辛さ増しできるとの事。平打ち麺を一気に啜ると喉を痛めそうな辛さなので、啜らずにゆっくりと口に入れていくのがポイント。たっぷり入ったネギも、辛いスープに徐々に味が染みていく。
激辛と言っても食べられない辛さではなく、ビールと合わせる事で楽しく食べられる。もちろん辛さ控えめのメニューもあるので、みんなでワイワイと色々なメニューを食べてみるのがオススメです。
ドラゴンレッドリバー 赤坂Bizタワー
東京都港区赤坂5-3-1 赤坂Bizタワー 1F
東京メトロ千代田線「赤坂」駅から徒歩1分
2.この夏の冷やしレビューは無料公開!第四弾は西へ?
【さいころ@中野】
「冷やニボ」850円
※夏季、一日30食限定
「肉煮干し中華そば」を標榜する中野「さいころ」。夏の冷やしメニューとして「冷やニボ」を以前から提供している。昨年の朝営業「バリオニボ」の時に冷やしを食べてはいるが、さいころでの冷やニボは初体験。
静岡の志太系冷やしラーメンを思わせる、ガラスの丼に入って涼しさも存分に見える。たっぷり入ったスープと油には煮干しをしっかり効かせつつ、程よい冷たさも楽しめるもの。もっちりしたストレートの平たい手打ち麺。きちんと茹でて、むっちり感を出した力強い麺は、啜るほどに冷たさを伝えてくれる。
具には拍子木切りしたチャーシュー、ナルト、そして極太で噛みごたえあるメンマ。半熟味玉がついているのでボリューム感も楽しめる。別皿のワサビを入れて味を変化させるあたりも、和風感を高めてホッとできる。煮干の存在感を出しながら、王道の冷やしラーメンにまとめあげられている。
夏だって 振れば煮干しが 転がされ
肉煮干中華そば さいころ
東京都中野区中野2-28-8
各線「中野」駅から徒歩4分
【じゃぐら@新高円寺】
「冷やしじゃぐら」850円
※夏季限定
高円寺駅から新高円寺駅に向かう商店街沿いに2009年開店。濃厚な豚骨スープで話題の店だが、夏季メニューとして「冷やしじゃぐら」を提供し続けている。そんなメニューが気になって訪問。300gの中盛りでも同額だけど、200gの並盛で注文。ライスがついてくるので半ライスでお願いした。
冷やし中華スタイルでスープは少なめだが、ラーメンの丼に入って提供される。スープはじゃぐらの味噌味をベースに胡麻ダレをプラス。それぞれの甘さと酸味が交錯し、しっかり締められた太めの平麺を引き出すと、スープの味を楽しめる。具には刻んだチャーシュー、モヤシの上にはプチトマト。これが甘さを出してフルーツのように感じられる。揚げネギによる食感の変化もいい。
そして、一番驚いたのはキュウリソース。刻んだキュウリにマヨネーズを和えたような味だが、更にさっぱりした感じでクセになる。スープと混ぜてもいいし、具をキュウリソースと和えても楽しい。半熟の味玉は濃い味付け。見た目には普通の冷やし中華だが、様々な個性を出してくるところはさすがじゃぐらと感じた。
濃厚な 味は冷やしも 忘れない
豚骨ラーメン じゃぐら
東京都杉並区高円寺南2-21-7
東京メトロ丸ノ内線「新高円寺」駅から徒歩5分
【パパパパパイン@西荻窪】
「冷やしパイナップルラーメン」770円
「ラーメンにパイナップル」という、他になさすぎる個性的なラーメン店も開店5周年を経過。様々な限定メニューを繰り出しているが、冷やしラーメンは通年で提供している。
スープはラーメン同様、魚介系の澄んだ所に缶詰パイナップルの汁を加えたもの。そう聞くと「え?」となってしまうが、不思議と調和していて、甘さも程よい感じにまとめられている。もちろん、缶詰のパイナップルを乗せているんだけど、その甘さも程よいアクセントに。黒胡椒を全体的に描けつつ、控えめな味付けの鶏チャーシューや海苔で、スープに混ぜこませない構成もなかなか。
パイナップルのイメージから、冷やしラーメンの方が相性もよく感じられ、「ラーメンにパイナップルなんて…」と思っている人も、冷やしの方が食べやすくていいかも。中太麺を糸唐辛子と共に引き上げれば、実は完成度を保った一杯に驚かされるかも。先入観で避けられてしまうかもしれないが、是非一度食べてみてほしい。
通年で 冷やしパインが ラーメンに?
パイナップルラーメン屋さん パパパパパイン
東京都杉並区西荻南3-12-1
JR中央線「西荻窪」駅から徒歩1分
【一番いちばん@町田】
「棒棒鶏冷麺」850円
※夏季、水曜日限定
とら食堂直伝の自家製手打ち麺が印象的な町田の名店。現在水曜は夜の部のみの営業で、中華そばなどのメニューは置かずに「汁無し担々麺」のみの営業。その中に夏季限定メニューとして加わったのが棒棒鶏冷麺。一時期他の曜日も冷やしメニューとしてこれを提供していたようだが、現在は水曜以外は他の冷やしメニューを出している為、水曜のみの提供になっている。
冷たく締めた自家製手打ち麺は、歯で噛めばシコシコした食感、するする啜り込めばツルツルした喉越しを楽しめる。この麺だけでも美味しいが、ネギを和えたゴマダレを掛けた棒棒鶏を混ぜれば、胡麻ダレの冷やし中華風にも感じられ、飽きずに食べ進められる。キュウリ・トマト・シソが味をさっぱりさせてくれる。麺の力強さを支えつつ、冷たさもしっかり楽しめる、派手さはないが実力を感じる夏メニューです。
白河の 麺を冷やして 胡麻からめ
白河手打ち中華そば 一番いちばん
東京都町田市中町1-28-24
小田急線「町田」駅から徒歩10分
【麺野郎@大阪空港】
「AUグレインのハイブリッド冷やし」1,200円
※夏季平日限定
夏の関西遠征初日8軒目。関西のラーメン好きの方にお誘いいただき、麺野郎へ7年ぶりの再訪。こちらは「麺哲」店主の庄司さんが、ラーメンだけじゃなく様々な料理を提供している。この日は4人がけのテーブル席に座り、豊富なお酒を飲みながら、庄司さんが選んだ刺身や肴を色々とつまんでいく。我々の会話を聞いていた庄司さんが「出しましょうか?」と、揚げ物なども出してくれる。
一通り食べた後、〆の麺をいただく事に。ハモの紙鍋つけ麺も非常によかったが、夏季限定の麺も出しているという事で、冷やしもいただく事に。「AUグレイン」とは、オーストラリアの穀物で育った牛の意味との事。その牛を使ったローストビーフ風のチャーシューで丼を覆っている。キンキンに冷やした鶏ベースの澄んだスープはやや辛味を加えている。唐辛子で和えたアスパラガスがアクセントになっていて、28番手の極細麺が力強く存在感を発揮している。スープの中に海老も入っていて、その贅沢感も嬉しい。本店の「豊中麺哲」では土日限定で「AUグレインの冷し」を提供しているそうだけど、同じAUグレインの牛を使いつつ、味は異なる模様。
飲み屋として使えるが、麺だけでも満足できる。駅からは遠いが大阪空港から近く、気軽に立ち寄ってほしい店だけど、行列は必至です。
包丁を 自在に操り 締めの麺
麺哲支店 麺野郎
大阪府池田市豊島南1-10-3
大阪モノレール「大阪空港」駅から徒歩20分