989c334bb2a743d5c0a970338f9fe23e2a554ef9

■「ラーマガ」本誌に載せきれなかったレビューを掲載する「ラーメンレビュー増刊号」です

 「ラーマガ」本誌では、各号で7件の個別レビューを掲載しています。遠征や連食などで、そこに収まらない私のレビューを、随時「ら~マニア共和国」で掲載します。

 今回は巻頭コラムと、都内で食べられる「広島汁無し担担麺」3件のレビューを無料公開。そして、昨年夏の関西遠征のレビュー7件と磐越遠征のレビュー2件を掲載します。ラーマガ本誌と合わせてお楽しみください。

□目次

1.巻頭コラム
  「真空調理チャーシューに黄信号」

2.無料公開!広島汁無し担担麺in東京!

 <ラーマガ57号で「湯島ひよこ堂@湯島」のレビューを掲載
 <ラーマガ61号で「キング軒@芝公園」のレビューを掲載
 ・広@秋葉原
 ・山椒家@新橋
 ・からまる@大久保

3.夏の関西遠征完全版

 <ラーマガ73号で「麦右衛門」「姫路麺哲」「清乃」「月乃家」のレビューを掲載
 <ラーマガ74号で「たんぼ」「まるよし」「清乃和歌山分店」「がんたれ」のレビューを掲載
 <ラーマガ75号で「きんせい夢風」「中村商店」「ひるドラ」「鱗」のレビューを掲載
 ・麺八一馬@西脇市<市場の横に新スタイル豚骨塩ラーメン>
 ・新生軒@姫路<アーケードに佇む老舗は澄み切ったスープ>
 ・バードマン@御坊<和歌山にも鶏白湯が登場>
 ・楠本屋@海南<街道沿いの和歌山ラーメンは白濁だけどあっさり>
 ・丸田屋@岩出<井出商店で修業した、和歌山ラーメンの大箱店>
 ・段七@新大阪<駅構内で食べられる本格つけ麺>
 ・時屋@新大阪<行列ができるつけ麺オンリーの店>

4.夏の磐越遠征完全版

 ・樺太屋食堂@田上<温泉街の食堂に手打ち麺>
 ・喜一@四ツ倉<喜多方ラーメンの人気店の暖簾分けがいわきに>

1.巻頭コラム

 「真空調理チャーシューに黄信号」

 各地でラーメンイベントが盛んだが、最近はそれ以外のフードイベントも人気を集めている。そんな中、このゴールデンウィークに行われていた、東京と福岡の「肉フェス」で食中毒が発生してしまいました。出品されていた「ハーブチキンささみ寿司」を食べた人の間から、下痢や発熱の症状を訴える人が出たという。そのささみ寿司は生状態で提供されていたというが、鶏肉の生食の危険性については、カンピロバクター食中毒によるものが大きいと伝えられている。

 これは決して「肉フェス」だけの問題ではない。ラーメン店も肉は身近な存在。中でもここ数年急増しているのが「低温調理チャーシュー」。調味液に漬けた肉を袋に入れ、真空状態で低温調理して、柔らかく肉の食感が満喫できる。見た目には生肉のようにも見えるが、真空状態を保って一定以上の温度を保たれていれば、本来は衛生上の問題はない。

 しかし、その真空状態や調理の温度(肉の種類で必要な温度は異なる)が保たれているか、が最大の問題になる。ラーメン店の厨房で他の調理の片手間に行って、雑菌が肉についた状態で調理したらと考えると大変に心配。肉フェスの件が印象に残っている今、ラーメン店で食中毒が発生したら、低温調理チャーシューに対する風当たりは一気に厳しくなる。

 とある店の店主がFBで数日前に、店員が別の店で食べたラーメンが原因で腹痛を起こし、その店のチャーシューが加熱されていない状態である事を指摘していた。低温調理チャーシューの人気に釣られ、不適切な調理が行われるのはあってはならない事である。

 かつてのラーメンはスープを作るのに煮豚を使い、それをそのままチャーシューに用いていた。それでもそのチャーシューを長時間厨房に放置していれば肉は痛み、食中毒が発生した事もある。「ラーマガ89号」の「侃々諤々」で「低温調理チャーシュー」を肯定する意見を書いたが、もちろんそれも上記の調理工程が正しく管理されている事が前提。

 今回のタイトルで「黄信号」と書いた「低温調理チャーシュー」だが、肉フェスの食中毒を受けて、作り手の皆さんには「赤点滅信号」状態と思ってほしい。つまり、自分のラーメンには本当に低温調理チャーシューが必要なのかを再考し、衛生管理や真空調理、温度に関しても一から確認し、自信を持って提供できる場合のみ提供してほしい。食中毒が発生すれば保健所が厳しい目を向けだけでなく、ラーメン全体のイメージダウンになってしまうのだから。


2.無料公開!広島汁無し担担麺in東京!

eb52c6263fd7593de70c3ae7666e93961bb673d9
【広@秋葉原】
「汁無しタンタン麺」850円

 「ラーマガ67号」で「らあめん」、「ラーマガ69号」で「広島つけ麺」をレビューしたこちらで、「汁無しタンタン麺」が始まったと聞いて訪問。東京で広島のご当地麺を出す店は増えてきたが、ラーメンも含めた三種類を揃えた店は珍しい。「つけ麺」の食券を購入して、渡す時に汁無しタンタン麺でと注文。辛さが三段階から選べるので、中間の中辛でお願いした。

 温泉玉子と一緒に配膳された汁無しタンタン麺は、汁無しとはいえタレが多め。甘めのタレをかき混ぜて、山椒の辛さ、挽肉の甘さを交互に楽しむ。ネギでリフレッシュできるだけでなく、つけ麺同様に「イカ天」を入れているので、食感の変化が不意に訪れるのも楽しい。中辛でも山椒が主体の為かあまり辛すぎないので、激辛好きはいきなり大辛でいってもよさそう。辛さに疲れてきたら温泉玉子を入れて中和。

 麺はつけ麺と同じ中細麺で、タレや山椒の味わいをきちんと引き上げてくれる。締めには追い飯がついてくるので、残ったタレを絡めて一気に完食できる。

広まった 味をかき混ぜ 新しく
dd7566e6b9b8dfaa868bcb1134a869d7036d5c83
らあめん 広
東京都千代田区神田佐久間町2-25
各線「秋葉原」駅から徒歩4分


be5a4a0a83c2bd767d9b36e28042ff371833b5c5
【山椒家@新橋】
「大辛味」700円

 2016年1月、新橋駅からほど近い所に開店した店。別の飲食店をやっていた方が、広島汁なし担々?専門店を開業。カウンターだけで厨房も狭い店だが、汁なし専門店なので不便はないのかもしれない。メニューは「山椒味」「辛口味」「大辛味」「激辛味」の4種類から、大辛味の食券を購入。別売りになっていたライスがこの日は無料サービスになっていたので、小ライスを注文。

 挽肉は比較的甘めで、タレもやや甘辛。その中にたっぷりの唐辛子を感じるが、辛すぎるというほどではない印象。辛い物が好きなら「激辛」でもよかったかもしれない。そして気になるのは「山椒味」の存在。単に唐辛子が少ないのか、山椒を増やしたのかを確認したくなる。卓上に唐辛子や山椒が置かれていないので、微調整がきかない所が惜しい感じ。

 タレを残したらライスを投入してピリ辛ご飯にして完食。辛さがきつかった人の為にガリを用意しているとの事で、私もいただいてみた。寿司屋で出てくるようなガリで辛さがすっと消える。この取り合わせは面白いかも。

山椒で 舌震わせて ガリで締め
3f6c084e872031a2562e8e26266b81cd000e523d
広島汁なし担々麺 山椒家
東京都港区新橋1-14-2
各線「新橋」駅から徒歩1分


1b06773f48a08d687ae9166fa0379629d47bb77a

【からまる@大久保】
「広島流汁無し担々麺」800円

 2014年9月、広島流つけ麺の店として開店。最近数量限定で汁無し担々?の販売を開始したと聞いて訪問。辛さは5段階から選べるとの事なので、2番目に辛い「4」で注文。他にも季節の限定メニューも販売していた。

 汁無し担々?は温泉玉子と一緒に提供。ライスは食べ放題になっていて、店舗の奥に置かれた炊飯器から自分で好きなだけよそうスタイル。たくさん食べたいわけではないので少しだけ。汁無しとはいえ、浅い丼に胡麻ダレがしっかり注がれていて、山椒もしっかり感じられる。挽肉にイカ天、青ネギと白ネギがたっぷり入っているので、かき混ぜて最後まで胡麻ダレの中で食べられる。温泉玉子を入れてかき混ぜると中太麺との相性も良く、最後はライスを入れて満足。これまで食べた汁無し担々?の中で一番汁が多い。というか、これって「汁あり」と呼んでも差し支えない気もします。

麺と具に タレがたっぷり 絡まるよ
e8742b7d600b434f321067eaaa1340655cbc9fc4

広島流つけ麺 からまる
東京都新宿区百人町1-20-7
JR線「大久保」駅から徒歩3分


3.夏の関西遠征完全版

800306b140e34ed243dee4186362867c5bdeeea9
【麺八一馬@西脇市】
「一馬の白ラーメン」830円