(画像やGIFアニメだらけなのでちょっと重いです)
山田です
Icarus、わりと好評のようで何よりです。生きがいをありがとうございます(?)
この動画を投稿してからいくらかの感想を掘らせていただきましたが、
「どうなってるのかわからない」「技術力がすごい」
等々、身に余るお言葉の数々でなんとも恐縮でありました
しかし、なんとなく素直に喜べないのです
確かに僕自身高度な技術、果ては「ご存じない技術」への憧れはありました
ですがそれゆえに、まだその領域には程遠い自分がこのような評価を得ることに納得がいかない部分もあるのかもしれません(面倒くさい)
実際、この動画でも色々と工夫してはいるものの、特に特殊な技術は用いておりません
見た目が少々派手なのでなんかすごいことをしてそうっていう印象を受けるのもわからんでもないですが、ぶっちゃけ構造は単純です
つうわけで、「俺は別にすごくねぇぞ」と「AviUtlの可能性は無限大だ!(TKR)」を証明するために、一部の演出の構造を紹介します
今回紹介するのは例によってIcarusのあの部分とかで多用した演出です
どの部分だよってほら、アレだよ、なんかいっぱい、出てくる所
ていうかIcarusにそこ以外わざわざ解説するような所無くね
具体的には
![]()
この部分を軽く解体してみましょう
大まかにこの部分の構造を説明すると、
1.図形等をグリグリ動かしたシーンを用意する
2.そのシーンにステージをクリッピング
となります
もう少しわかりやすく言うと、
適当に動かした図形に合わせて動画を切り抜いてる
だけです
![]()
適当に動かした図形に合わせて
![]()
動画を
![]()
切り抜く(クリッピング)
ってだけです
Icarusの具体例を使ったやり方は以下の通り
1.図形等をグリグリ動かしたシーンを用意する
ではまず適当に動かす図形を用意しましょう
その前にシーンとはなんぞや
シーン(Scene)っていうのはAviUtlの機能の一つで、簡単に言うと複数の編集を管理できる機能です
![]()
拡張編集左上の「Root」と書かれた部分をクリックすると...
![]()
こんな感じでびゃーっといっぱい出てきます
(画像では名前を付けたりしてますが、デフォルトは"Scene ◯"です)
これらは全て別々のタイムラインになっていて、別の動画として編集を行うことが出来ます
Icarusの場合:
[Root]デフォルトのタイムライン。主にここで編集
![]()
[Scene 2]前半の図形アニメーションを並べてあります
![]()
で、このシーンで図形をグリグリ動かすわけですが、
この動画では例によってなんとなく音に合わせて動かしています
GIFの該当箇所は動画の2:15辺りですが、ここは音符で言うと
[8分][8分][8分][8分][4分][4分]
というタイミングで合わせています
デッ[8]デー[8]デレ[8]ッデ[8]デー[4]デー[4]
ですね(?)
まぁそんな感じでリズムを決めたら、
そのリズムと加減速のアクセントが一致するように図形とかを配置していきます
(加減速のアクセントに関しては以前の記事を参照)
そんな感じで配置したのがこれ
![]()
![]()
タイムラインはこんな感じ
(分割されてるのは中間点でもいい部分で右側は動いてません。なんで分割したんだ(痴呆))
(左端のちっさいのはシーンを配置した時再生位置がわかりやすいように開始前1Fに配置したオブジェクトです)
以下で「加速」「減速」等と表記しているものは全てベジエ軌道Tで作成した曲線によるものです
ベジエ軌道Tの紹介はこの記事で
1.カスタムオブジェクトの扇型にマスク[円]で穴を開けたもの
![]()
![]()
中心角の移動は加減速です
2.カスタムオブジェクトの扇型にマスク[四角]で穴を開けたもの
![]()
![]()
1.とほぼ同じで中心角の移動は加減速です
この2つは動きが加減速なので最も速くなる部分が中心に来ます
よって該当する8分のラインが中心に来るように配置されています
![]()
3.カスタムオブジェクトの扇型にマスク[円]をかけ、中心角を一部だけにしたもの
![]()
![]()
4.3を大きく細くしたもの
![]()
![]()
5.3の180度回転版
![]()
![]()
3.~5.の中心角は全て減速移動で、マスクした扇型を90度回転させていますが、
カスタムオブジェクトの扇型はデフォルトの回転が機能しない事があるので、
基本効果の回転を使いましょう
![]()
6.アニメーション効果[斜めブラインド]をかけた図形[背景]
![]()
![]()
割合は減速移動です
斜めブラインドはさつきさんのスクリプト集の中に入ってます
最後の[4分]の部分はステージ映像の方で合わせます
シーン上で重ねたい動画を実際に重ねて動きを確かめたい場合は、
一番下に動画を配置して合成モード[乗算]にすると擬似的にクリッピングができます
![]()
こうして
![]()
こう
ここで1つ個人的に忘れがちな作業
左上の「Scene ◯」と書かれている部分を右クリック→シーンの設定
![]()
こんな感じの窓が出てくるので「アルファチャンネルあり」のチェックを入れておきましょう
入れないと背景の黒い部分が透過ではなくただの黒になってしまいます
シーンの名前などもここで変えられます
2.そのシーンにステージをクリッピング
で、シーンを編集してどういう使い方ができるのかというと、
各シーンで編集した動画を動画ファイルと同じ扱いでタイムラインに呼び出すことができます
ワオ便利
なんでわざわざこんな機能使うかって言うと、
いっぱい図形使うのでシーンでひとまとめにしないとクリッピングがクッソ面倒だからです
(1つの動画をクリッピングできるレイヤは1つだけ)
シーンの編集が終わったらRootに戻って、
タイムラインを右クリック→メディアオブジェクトの追加→シーン
でシーンを呼び出します
![]()
シーンはこのように動画ファイルと同じように再生位置、再生速度などを弄れる状態で呼び出せるわけです
左下の「シーン選択」で任意のシーンを指定してください
今回クリッピングしたのはこの動画。CHANGE!!!の締めです
![]()
(色がおかしいのは容量削減のため...)
楽曲の該当箇所にシーンを再生位置等を合わせて配置し、その下に動画ファイルを配置します
![]()
そしたら動画ファイルのオブジェクトを右クリック→上のオブジェクトでクリッピングすると
![]()
こうなり
![]()
こうなります
この首を傾ける動作が最後の[4分]に合うように配置されてるのでこれで全てのタイミングに動きが付きましたが、
次の展開につなげるために2つの[4分]のタイミングで減加速で斜めクリッピングを角度[0]、幅[720]→[500]→[1]でかけて
![]()
やったぜ。
仕上げにこれに縁取りをつけます
クリッピングしているシーンに直接縁取りをかけても動画の範囲がちょっと拡大されるだけなので、
シーンをそのままコピペして上において、それに縁取りをかけます
![]()
(シーンが右端で分割されてるのは減速→加速と切り替えるため)
これの上の方のシーンに縁取りを白でかけると
![]()
イイネ
単体だと縁取りは不要に見えるかもしれませんが、実際の動画では同じようなのがたくさん重なって動くので縁取りがないと映像同士が溶け合っちゃってわかりにくくなってしまいます
これで動きは完成です
こんな感じで各フレーズごとに動きを考えて重ねていったのが完成品です
完成品にはこれに発光や単色化等もかかってますがその辺は割愛します
(フレーズによってはシーンを使わず動画ファイルを直接編集している箇所もあります)
なお、フレーズごとにシーンをいちいち切り替えてるとシーンの数が多くなって重くなったり管理が大変になったりすると思われたので、
冒頭の画像の[Scene 2]のように1つのシーンに連続でいくつも動きを作っておいて、呼び出したシーンの再生位置をその都度合わせて配置していました
正直面倒な作業ではありましたが構造としては至極単純です
ていうかエロゲOPみたいなレベルの動画を作る場合に比べれば全然簡単な作業かと
この手の編集をする上では恐らく基本中の基本みたいな技術だと勝手に思ってます
つまり僕としては理想のスタート地点に立ったにすぎないのです。先は長いぞ...
これ自体は真似をするのは難しくないと思うのでこの演出が気に入ってくださった方は是非試してみてください
山田です
Icarus、わりと好評のようで何よりです。生きがいをありがとうございます(?)
この動画を投稿してからいくらかの感想を掘らせていただきましたが、
「どうなってるのかわからない」「技術力がすごい」
等々、身に余るお言葉の数々でなんとも恐縮でありました
しかし、なんとなく素直に喜べないのです
確かに僕自身高度な技術、果ては「ご存じない技術」への憧れはありました
ですがそれゆえに、まだその領域には程遠い自分がこのような評価を得ることに納得がいかない部分もあるのかもしれません(面倒くさい)
実際、この動画でも色々と工夫してはいるものの、特に特殊な技術は用いておりません
見た目が少々派手なのでなんかすごいことをしてそうっていう印象を受けるのもわからんでもないですが、ぶっちゃけ構造は単純です
つうわけで、「俺は別にすごくねぇぞ」と「AviUtlの可能性は無限大だ!(TKR)」を証明するために、一部の演出の構造を紹介します
今回紹介するのは例によってIcarusのあの部分とかで多用した演出です
どの部分だよってほら、アレだよ、なんかいっぱい、出てくる所
ていうかIcarusにそこ以外わざわざ解説するような所無くね
具体的には
この部分を軽く解体してみましょう
大まかにこの部分の構造を説明すると、
1.図形等をグリグリ動かしたシーンを用意する
2.そのシーンにステージをクリッピング
となります
もう少しわかりやすく言うと、
適当に動かした図形に合わせて動画を切り抜いてる
だけです
適当に動かした図形に合わせて
動画を
切り抜く(クリッピング)
ってだけです
Icarusの具体例を使ったやり方は以下の通り
1.図形等をグリグリ動かしたシーンを用意する
ではまず適当に動かす図形を用意しましょう
その前にシーンとはなんぞや
シーン(Scene)っていうのはAviUtlの機能の一つで、簡単に言うと複数の編集を管理できる機能です
拡張編集左上の「Root」と書かれた部分をクリックすると...
こんな感じでびゃーっといっぱい出てきます
(画像では名前を付けたりしてますが、デフォルトは"Scene ◯"です)
これらは全て別々のタイムラインになっていて、別の動画として編集を行うことが出来ます
Icarusの場合:
[Root]デフォルトのタイムライン。主にここで編集
[Scene 2]前半の図形アニメーションを並べてあります
で、このシーンで図形をグリグリ動かすわけですが、
この動画では例によってなんとなく音に合わせて動かしています
GIFの該当箇所は動画の2:15辺りですが、ここは音符で言うと
[8分][8分][8分][8分][4分][4分]
というタイミングで合わせています
デッ[8]デー[8]デレ[8]ッデ[8]デー[4]デー[4]
ですね(?)
まぁそんな感じでリズムを決めたら、
そのリズムと加減速のアクセントが一致するように図形とかを配置していきます
(加減速のアクセントに関しては以前の記事を参照)
そんな感じで配置したのがこれ
タイムラインはこんな感じ
(分割されてるのは中間点でもいい部分で右側は動いてません。なんで分割したんだ(痴呆))
(左端のちっさいのはシーンを配置した時再生位置がわかりやすいように開始前1Fに配置したオブジェクトです)
以下で「加速」「減速」等と表記しているものは全てベジエ軌道Tで作成した曲線によるものです
ベジエ軌道Tの紹介はこの記事で
1.カスタムオブジェクトの扇型にマスク[円]で穴を開けたもの
中心角の移動は加減速です
2.カスタムオブジェクトの扇型にマスク[四角]で穴を開けたもの
1.とほぼ同じで中心角の移動は加減速です
この2つは動きが加減速なので最も速くなる部分が中心に来ます
よって該当する8分のラインが中心に来るように配置されています
3.カスタムオブジェクトの扇型にマスク[円]をかけ、中心角を一部だけにしたもの
4.3を大きく細くしたもの
5.3の180度回転版
3.~5.の中心角は全て減速移動で、マスクした扇型を90度回転させていますが、
カスタムオブジェクトの扇型はデフォルトの回転が機能しない事があるので、
基本効果の回転を使いましょう
6.アニメーション効果[斜めブラインド]をかけた図形[背景]
割合は減速移動です
斜めブラインドはさつきさんのスクリプト集の中に入ってます
最後の[4分]の部分はステージ映像の方で合わせます
シーン上で重ねたい動画を実際に重ねて動きを確かめたい場合は、
一番下に動画を配置して合成モード[乗算]にすると擬似的にクリッピングができます
こうして
こう
ここで1つ個人的に忘れがちな作業
左上の「Scene ◯」と書かれている部分を右クリック→シーンの設定
こんな感じの窓が出てくるので「アルファチャンネルあり」のチェックを入れておきましょう
入れないと背景の黒い部分が透過ではなくただの黒になってしまいます
シーンの名前などもここで変えられます
2.そのシーンにステージをクリッピング
で、シーンを編集してどういう使い方ができるのかというと、
各シーンで編集した動画を動画ファイルと同じ扱いでタイムラインに呼び出すことができます
ワオ便利
なんでわざわざこんな機能使うかって言うと、
いっぱい図形使うのでシーンでひとまとめにしないとクリッピングがクッソ面倒だからです
(1つの動画をクリッピングできるレイヤは1つだけ)
シーンの編集が終わったらRootに戻って、
タイムラインを右クリック→メディアオブジェクトの追加→シーン
でシーンを呼び出します
シーンはこのように動画ファイルと同じように再生位置、再生速度などを弄れる状態で呼び出せるわけです
左下の「シーン選択」で任意のシーンを指定してください
今回クリッピングしたのはこの動画。CHANGE!!!の締めです
(色がおかしいのは容量削減のため...)
楽曲の該当箇所にシーンを再生位置等を合わせて配置し、その下に動画ファイルを配置します
そしたら動画ファイルのオブジェクトを右クリック→上のオブジェクトでクリッピングすると
こうなり
こうなります
この首を傾ける動作が最後の[4分]に合うように配置されてるのでこれで全てのタイミングに動きが付きましたが、
次の展開につなげるために2つの[4分]のタイミングで減加速で斜めクリッピングを角度[0]、幅[720]→[500]→[1]でかけて
やったぜ。
仕上げにこれに縁取りをつけます
クリッピングしているシーンに直接縁取りをかけても動画の範囲がちょっと拡大されるだけなので、
シーンをそのままコピペして上において、それに縁取りをかけます
(シーンが右端で分割されてるのは減速→加速と切り替えるため)
これの上の方のシーンに縁取りを白でかけると
イイネ
単体だと縁取りは不要に見えるかもしれませんが、実際の動画では同じようなのがたくさん重なって動くので縁取りがないと映像同士が溶け合っちゃってわかりにくくなってしまいます
これで動きは完成です
こんな感じで各フレーズごとに動きを考えて重ねていったのが完成品です
完成品にはこれに発光や単色化等もかかってますがその辺は割愛します
(フレーズによってはシーンを使わず動画ファイルを直接編集している箇所もあります)
なお、フレーズごとにシーンをいちいち切り替えてるとシーンの数が多くなって重くなったり管理が大変になったりすると思われたので、
冒頭の画像の[Scene 2]のように1つのシーンに連続でいくつも動きを作っておいて、呼び出したシーンの再生位置をその都度合わせて配置していました
正直面倒な作業ではありましたが構造としては至極単純です
ていうかエロゲOPみたいなレベルの動画を作る場合に比べれば全然簡単な作業かと
この手の編集をする上では恐らく基本中の基本みたいな技術だと勝手に思ってます
つまり僕としては理想のスタート地点に立ったにすぎないのです。先は長いぞ...
これ自体は真似をするのは難しくないと思うのでこの演出が気に入ってくださった方は是非試してみてください
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