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【小説】クルスク大戦車戦

2014/04/18 14:17 投稿

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  • クルスク
  • タイガー戦車
  • T-34

●新潮文庫(上下巻)デイヴィッド・L. ロビンズ (著), 村上 和久 (翻訳)
現在は重版されてない模様。

模型誌の戦車が関わる特集では、おそらく取り上げられる回数が最も多い(と思う)クルスク戦を描いた小説。
とにかくあまりにも大規模かつ広範囲な戦いで、資料などを読んでも大雑把な俯瞰したイメージすら難しい。 私的にはパンサーとかフェルディナントがデビュー戦でボコられた戦いくらいの貧困なイメージしかなかった(←ひでぇw)。

小説化するにはかなり難しい題材と思われるが、本作は成功作と言って良いだろう。

情報将校、タイガー戦車の車長件指揮官、T-34の操縦手、その娘で爆撃機の操縦手(のちにパルチザン)という風に、視点をいくつかに分けて上手くこの広大な戦いを飽きさせずに展開していく。

現代の作家らしく、頭の中に明瞭に映像が湧いてくるような分かりやすい作品だ。
エピローグも非常に映画っぽい。

どちらかといえば、戦いの勝者であるソ連側の方に肩入れされているように読めるので、ドイツ軍好きの方には不満が多いかもしれない。
特にT-34の操縦士は親しみやすいキャラクターに描かれているのに比べると、タイガー側のベガ大尉はかなり捻った設定というか、有り体に言えばイヤなヤツであるw。

但し個々のエピソードは、かなり史実通りだと思われる。
ハードウェア的な些細なミスは訳注で訂正されているし、それぞれの戦車の扱いについても実車取材しただけあってかなりリアルなものになっている。

タイガー戦車にT-34が突っ込んで行動不能にし、味方が屠るという戦法も昔何かで読んだ記憶がある。

不満な点としては、タイガーとT-34以外の車輌がほぼ描かれていない点だろうか。
戦域が異なるとはいえ、新兵器であるパンサー戦車がどんな風にダメだったのかとかは、ちょっと知りたかったところである。

翻訳も非常に良く、ストレス無く読了することができたので、重い戦史を読むのは苦手という人にもお勧め。 



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