
このシリーズでは、自分の身体の変化をよく観察することにより、「その日の自分に最適な食べ方を自動的に調整できる状態をつくる」方法を考えております。
「栄養についてかなり詳しいのに、なぜか体脂肪が落ちない」とか「数字ばかりを見てダイエットしたら失敗した」みたいな問題にお悩みの方は、このオートレギュレーションの考え方を押さえておくのが吉。この方法を身に付けると、食事のことを深く考えずとも、無意識のうちに引き締まった体型を保つことができますんで。
ということで今回は、前回の栄養コンピテンスに続いて大事な「内受容感覚」のお話です。
内受容感覚を鍛えて体の声を聞けるようになろうじゃないか!
このシリーズをお読みの方には、「オートレギュレーション型ダイエットって、自分の感覚で調整するんでしょ?……いやいや、それができれば苦労しないよ!」と思った方もいらっしゃるでしょう。
その感想はまことにごもっともで、自分の感覚を信じろと言われても、いざ本気で考え始めると「空腹ってどのくらいが普通?」「この空腹は疲れてるのか、気のせいなのか分からない……」みたいに悩んでしまう人も多いでしょう。私自身、かつては「お腹が鳴ったら食べていいかー」ぐらいの、ざっくりした感覚で過ごしておりました。
でも、ここ最近の研究によってわかってきたのが、このような「自分がどれだけ正確に空腹なのかを把握する能力」は後天的にトレーニングで鍛えられるって事実であります。このような能力は、研究の世界では「内受容感覚」と呼ばれてまして、拙著「無(最高の状態)」をお読みの方なら、おなじみのポイントでしょう。
内受容感覚ってのは、体の内側からの信号──たとえば空腹や満腹、エネルギー切れ、眠気、筋肉の張りなど──を正確にキャッチして、それを自分で意味づけする能力のこと。たとえば、トレーニング中に「今日は重さは持てるけど、なんか神経が疲れてるな」とか、食後に「物理的には満腹だけど、満足感がいまひとつ足りないな」と気づけるような人は、内受容感覚が上手く働いているのだと言えましょう。
ということで、個人的にも内受容感覚はめちゃくちゃ大事な要素だろうと思っているわけです。「食欲に振り回されやすい」「疲れてるのに頑張りすぎてしまう」「食後に後悔することが多い」という人は、ぜひ内受容感覚を気にしてみてください。
「お腹が空いた」は、3種類ある!?
でもって、空腹と内受容感覚の関係を考えるにあたり、まず大前提として押さえておきたいのが、いわゆる「空腹感」には大きく3つのタイプがあるって事実です。
- 生理的空腹:体が実際にエネルギーを欲しているサイン。胃がグーッと鳴る、集中力が落ちるなど。
- 習慣的空腹:決まった時間にお腹が空いた“気がする”状態。たとえば「昼の12時だからお腹空いたような…?」みたいな感覚。
- 情動的空腹(エモーショナルイーティング):ストレスや不安、退屈など、感情が引き金になる「なんとなく食べたい」。
ご覧のとおり、この中で本当にエネルギー不足を反映しているのは①だけでして、他の2つはほっといても何ら問題がなかったりします(まぁ習慣的空腹については体内時計との結びつきもあるので、完全に問題がないってわけでもないですけども)。にもかかわらず、私たちは②や③を①と勘違いしてしまうケースが想像以上に多く、そのせいで必要以上にカロリーを摂ってしまい、無駄に脂肪をため込んでしまうわけですね。
なかなか難しい問題ですが、この違いを見抜けるようになるのがオートレギュレーションを極めるためには必須。真の空腹がわかっていないと、「まだ足りない!」と誤解して食べ続けちゃって、せっかくのダイエットが台無しになっちゃいますからね。
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