
このシリーズでは、近ごろ栄養学の世界でよく言われるようになった「フードノイズ」をテーマに、
「なんとなくお菓子をつまんでしまう…」
「気づいたら冷蔵庫を開けている…」
みたいな問題がなぜ起きるのか? そして、その問題にはどう立ち向かえばいいのか? ってところをまとめております。シリーズ第1回でも説明したとおり、この“なんとなく食べちゃう”の原因の多くは意思ではなく環境の設計ミスから生まれてますんで、そのあたりをなんとかしようって話ですね。つまり、脳が“食べろ”と命令する前に、そもそもそのスイッチを押させないようにするのが近道だよー、みたいな話っすね。
「食べることで落ち着く!」はなぜ起きるのか?
簡単におさらいしましょう。仕事が終わったあと無意識にお菓子をつまんじゃう、寝る前になるとなぜかポテチが恋しくなるみたいな、「頭ではやめたいのに手が伸びる瞬間」ってのは誰にでもありますが、この現象の裏側にあるのはドーパミンの暴走が存在しておりました。つまり、脳がストレスや疲労を「快楽で打ち消そう」として暴走モードに入ってしまうわけですね。
その原因はいろいろありますけども、今回は「ストレス」と「睡眠不足」にフォーカスしてみましょう。この2つは、あなたの中に「無駄に食べたくなる!」って衝動を引き起こす最大の原因ですんで。
ストレスと睡眠不足が「ドーパミンの洪水」を起こす理由は簡単で、これら2つの状態が続くと、脳は「報酬」を求めるようになるからです。なぜなら、脳にとってストレスと睡眠不足は“生存の危機”として判断されるため、「今すぐ快楽を得て安全を確かめろ!」という命令が下されるんですよ。
これによってストレスを感知した扁桃体が、すぐに側坐核に助けを求めはじめ、そのせいで「すぐに快楽を手に入れてネガティブな気持ちを処理しなければ!」ってループが強化されるんですな。簡単に言えば「つらい → 食べる → 一瞬だけ気持ちが上がる → 罪悪感 → さらにストレス」というストレスループが完成するようなイメージっすね。
事実、ノースウェスタン大学の研究(R)では、慢性的なストレスを感じている人はドーパミン受容体D2が減少し、快楽を得るためにより強い刺激(糖・脂・塩)を必要とするようになると報告しております。つまり、“もっと食べたい!”ってのは、ドーパミン耐性のサインでもあるわけですね。
また、同じように睡眠不足も強力なノイズ増幅装置として働きまして、ある研究(R)では、睡眠が6時間未満の日は報酬系が最大60%過活動になり、同時に前頭前野(理性・抑制を司る領域)が機能低下するとしております。その結果として、
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「食べたい」を止められない!
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甘いもの・ジャンクフードが異常に魅力的に見える!
って状態が起こるんですね。簡単にいえば、寝不足の脳は“酔っ払い状態”みたいなもんでして、そのせいで理性がオフになり、食の報酬だけが増幅されるってことです。これが「夜中に暴食したくなる」メカニズムなわけっすね。
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