ひぐらしのなく頃に

昭和58年夏。 昼にはセミの、夕暮れにはひぐらしの合唱が 暑さの訪れの早い今年の6月を歓迎するかのように、雛見沢に木霊していた。 都会から遠く離れた山奥にある寒村、雛見沢。 人口2千に満たないこの村に、最近都会から引っ越してきた前原圭一。 明るくて話上手な圭一は、学校でもすぐに周りのクラスメートと仲良くなった。 一番の仲良しで世話好きなレナ、リーダー格で委員長の魅音、トラップの達人で下級生の沙都子、古手神社の娘であり、不思議な雰囲気の持ち主の梨花・・・ 仲間との他愛のない日常を過ごしていた。それは、永遠に続くかに思えた。 毎年6月に行われる祭、「綿流し」。そう、その日も楽しい一日になるはずだった。 雛見沢にまつわる、ひとつの謎を知るまでは・・・。 祭りの日に、繰り返される惨劇。毎年、一人が死に、一人が行方不明になるという、数年前から始まる連続怪死事件。 事件の真相は?犯人は?圭一は、好奇心から村の闇へと足を踏み入れてしまう。 その日を境に、圭一の周りが少しづつ、だが、確実に変わりはじめる。そう、すべてが・・・ ひぐらしのなく声だけが変わらず、雛見沢に、 少し、早めの夏を告げていた。
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