3月2日の高値19668円をピークに、日経平均株価は4月17日の安値18224円まで7.3%の調整を見せましたが、その後は諸般の情勢を横目に堅調な上昇ぶりを見せてきました。
GW明けとなった本日の日経平均の高値は19929円となり一気に3月2日の高値を抜き、2万円の大台に急接近してきました。
半島情勢がなおも根本的な解決には至っていない中での株高には多少違和感も覚えますが、これも相場のなせる業。溜まっていた買いのエネルギーが火山が爆発してマグマが噴き出すがごとく前日比450円高と大幅高となってきました。
連休中に為替が1ドル=113円台をつけたことに加えて、フランス大統領選挙など連休前からの懸念材料が一応のポジティブな結果となったことを受けた株高と考えられます。
株価は基本的には企業業績の行方や国内外のマクロ景気の動向で変動しますが、これも中国の1-3月期GDPの伸びが良かった点などもあって比較的ポジティブ。日本においても円安への復帰から今期の輸出企業の業績も伸びが期待される点に加えヤマト運輸などのサービス業態の料金引き上げの動きから人件費の増加(所得の増加)が好感され株価面での買い安心感が醸成されているように感じられます。
基本的には下げていた銘柄に買い戻しの動きが見られ、指数に連動する主力銘柄に限らず中小型銘柄に至るまでほぼ全面高の様相ながら業績次第では売られる銘柄もあって今後の個別銘柄の株価は明るさの中にも多少選別色が強まる可能性を秘めています。
全体指数のうち日経平均とTOPIXは年初来高値を更新。日経平均は2万円の大台に今週にも乗せる可能性が感じられます。
中小型株指数のうちマザーズ指数は3月13日の年初来高値(1097.78)を抜けておりませんが、早晩抜けてくると思われます。JASDAQ指数も3月7日の高値134.94まであと一歩となる134.69をつけていますので高値更新は時間の問題です。また東証2部指数は4月3日の高値6051.09に対して5896.74とこれも更新間近の動きとなっています。
このように日本の株式市場はほぼ全面高の様相になってきましたが、高値更新したばかりか更新間近の動きなのでこの流れは止まることはなさそうです。
一方、NYダウも、3月1日の高値21169.11に対して4月26日に21070.90ドルをつけ高値更新に向けた展開が見られます。
NASDAQに至っては5月2日に高値6102.72ポイントをつけほぼ高値圏での推移を続けています。
欧州株やインド株なども上昇を見せており、世界同時株高の様相になりつつありますが、このような展開は久しぶりです。世界のリスク要因が払拭され経済全般に明るさが見られる中だと断言するにはいささか心もとないのですが、この潮流が短命となってしまうかどうかはともかく、リスクオフからリスクテイクへと変化が見られるようになったことを前向きに評価したいところです。
細かく見ていくと原油は再び一時43ドル台まで下落するなどロシアなど産油国にとっては問題を抱えています。有事の金として投資家の関心が高まった金価格も落ち着きを取り戻しており、二律背反型のコモディティ商品の値動きも株式相場とは反比例した値動きで興味深い展開となっています。
こうした相場の潮流の先にあるものは大海原ではなく小さく仕切られた護岸のような壁なのかも知れません。いつまた目の前に壁が現れ、投資家に悩ましい時間を与えることになるのかと思うと有頂天になってばかりはおれないのかも知れません。
(炎)
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