創薬ベンチャーにAI関連、フィンテックにIoTと華やかなテーマに彩られた銘柄群が相次いでIPOを果たす一方で、やや地味目の銘柄も時間をかけながら投資家の理解を得て株価が堅調に推移する事例も見られます。
一気に株価が上がることはないとしても地味株への投資も満更ではないと思われている投資家の皆さんもお見えになっているのではないでしょうか。
2016年のIPO銘柄でも上値が重いと見られたJR九州(9142)が3月9日に3840円の高値をつけ公開価格2600円からは47.7%、公開初値3100円からでも23.9%の上昇。政府の放出する大型銘柄でこの時期のパフォーマンスとしては立派なものです。
これには次期における大幅な増配と株主優待策が背景になっているのかも知れませんが、時価総額が一時2000億円の増加となって大型IPO効果が生まれているように感じられる昨今です。
こうした事例は容器メーカーの中本パックス(7811・上場後に株価が2倍化)にも見られましたし、一般には地味な印象のある東証2部銘柄などにも成果を高めるチャンスがるという経験則が生まれていると考えられます。
今回億の近道の読者にお送りする企業も地味株の代表のような存在。
1兆5000億円の商業ディスプレイ業界に新規に加わった新たな上場銘柄として昨年12月にIPOを果たした船場(6540・東証2部)という企業です。
この企業はイオンなどをお得意さんにしており、業界では4位に位置しています。
イオンは海外展開が活発でカンボジアやベトナムなどのASEAN地域での日本型商業施設の展開が今後活発化する中で活躍が期待されている企業です。
ところで、大規模なショッピングセンターやショッピングモールなど商業施設の企画・設計、施工などに関わるディスプレイ業界の市場規模は1兆5000億円に達するとされます。
その中で最大手は乃村工藝社(9716・年商1150億円)で、これに続いて丹青社(9743・年商708億円)、スペース(9622・年商492億円)と続きます。
これらに続くのが船場(せんば)で、残念ながら上場後は認知度が低いせいか投資家の関心を集めることができずにいるようです。業績面でも他社に比べやや見劣りしますのでなかなか評価を高めるには至っていないのが現状ですが、それだけにやや割安感があります。
現状の株価(1192円)はPER10.4倍、PBR1.39倍、配当利回り2.94%。
公開価格1290円で初値は1193円。その1円下が時価となっています。
地味株らしい評価ですが、皆さんはどう評価されますか。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
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