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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「おいこら宮崎駿!お前キキのスカートのぞきたいだけやろ!『魔女の宅急便』の謎を解く」

2019/12/04 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/12/04

 今日は、2019/11/17配信の岡田斗司夫ゼミ「ジブリ都市伝説の謎を解け!&大好評サイコパス人生相談」からハイライトをお届けします。


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 ジブリに関してのお問い合わせ、最後です。
 『魔女の宅急便』について、ハンドルネームりこらさんからのお便りです。


『魔女の宅急便』のあるシーンについて教えてください。
物語の中盤、老婦人の料理を孫へ届けた後、その家から引き上げようとする時に、キキの足元が映ります。
そのシーンでキキの足元が靴の形と反対になっているという作画ミスがあります。
発見当時は、こんなこともあるかくらいに思っていましたが、岡田斗司夫ゼミを見るようになってから、「宮崎駿さんのような人がそんなミスを許すだろうか?」と考えるようになりました。


 これ、僕も知りませんでした。
 確かにその通り。そういうミスは許さない人ですね。


しかし、一方で「ワザと間違えるなんてことをやるだろうか?」と、やっぱりただの作画ミスではないかと思ってしまいます。
これがただの作画ミスか、何かのメッセージか、岡田さんの意見を聞かせてくれないでしょうか? よろしくお願いします。


 まあ、意見を求められても、まずは調べてみないとわからないので『魔女の宅急便』のDVDを出して、調べてみました。
 問題のシーンは、雨がザンザンに降っていた時に、ちょっとツンケンしたお金持ちの女の子のところに、ニシンのパイを届けたんだけど、虚しく、やるせなくなって、キキが引き上げるシーンですね。
(パネルを見せる)

nico_191117_01753.jpg
【画像】キキの足元1 © 1989 角野栄子・Studio Ghibli・N

 この、クルッと振り向いて引き上げるシーン。これですね。ジジが見ている中、キキが最初、ここら辺に立ってたんですけど、1歩2歩と歩いて、立ち去ろうとしています。
 問題は、この2歩目です。
(パネルを見せる)

nico_191117_01804.jpg
【画像】キキの足元2 © 1989 角野栄子・Studio Ghibli・N

 2歩目、なんか、ちょっと変な足跡になっているんですよ。足跡の形が確かにちょっと変なんですよね。
 じゃあ、「これは逆なのか? そもそも、何が描いてあるのか?」ということで、拡大してみました。
(パネルを見せる)

nico_191117_01812.jpg
【画像】足あと拡大 © 1989 角野栄子・Studio Ghibli・N

 拡大してみると、この足跡自体が変なことに気が付きます。
 足跡自体が、真ん中から割れて、右側が何かクリーム色っぽくなって、左側には何か模様みたいなものがあるんですね。

 これは何か? 結論から言うと、実は、この右側のクリーム色の部分は、キキの足なんですよ、で、下側がスカートの中なんですね。
 つまり、こうやって見るとわかりやすいかな? 画面には写ってないんだけど、キキは、まだここにいるわけですね。で、そんなキキの姿が、水たまりに反射して映っているんですよ。
 この水たまりには、キキの足が反射していて、ここにはキキの胴体が見えてて、ここにはキキのホウキが見えているんですけど。つまり、この上にいるキキの姿が鏡写しのように水たまり全体に映っているんですね。

 つまり、宮崎駿は、ものすごく正確な絵を描こうとしているんですね。水たまりに反射したキキすらも描こうとしているんですけども。
 でも、それより何より「キキのスカートの中を描きたい!」という、ただそれだけなんですよ(笑)。
 僕もこれ、全く気が付かなくて、言われて調べてみたら「確かに足跡、変だな」と思って、コマ送りで見てみて初めて気が付いたんです。
 つまり、コマで見ないとわからないんだけど、宮崎駿は「そろそろ俺的にはこんなシーンが欲しいな」とか思って、合法的に、水たまりに映った女の子のスカートの中を覗けるシーンを作るという「お前はAVかよ!」というようなことをしてたわけですね(笑)。

 だから、これは作画ミスじゃないです。
 作画ミスじゃなくて「キキのスカートの中を覗きたい」という、エロじじいハヤオの、誰に向けたかわからないようなサービスカットなんですね。
 りこらさんにはステッカーを差し上げます。ありがとうございました。
 ジブリに関しては、今週はここまでです。

 いや、すごいよね、宮崎駿って。すごいっていうか、バカでいいよね(笑)。
 あんなに偉くなっても……「偉くなっても」ってことはないんですけど。なんというのかな? 「童貞の心を忘れない」というか。どんな小学校・中学校時代だったろうな?
 ただ単に、水たまりに女の子のスカートの中が映っているというのを合法的に描こうとしただけなんですけどもね。

・・・

 じゃね、ちょっと予告でも喋った通り、『ターミネーター』の話を少しだけしようと思います。
 本当にね、長くないです。ちょっとだけなんですけど。
 昨日、フジテレビで『ターミネーター2』のテレビ放送をやってたんですけど。
 やっぱり、すごいですよね。その内、1分刻みで解説をやりたいんですよ。『ターミネーター』と『ターミネーター2』って、本当に、シナリオが神の如く完璧に出来ているから、勉強するところがいっぱいあるんです。
 『1』が理想的な低予算映画だとしたら、『2』は理想的な続編なんです。だけど、それも、1カット1カット見せて話をしないと、なかなか伝わらないと思うので、そのうち、ちゃんとやりたいと思います。
 だから、今日はちょっと軽く話すだけね。

 しかし、残念ながら、『ターミネーター』というのは『2』以降は、基本的に割りと残念な出来なんですよね。
 唯一、僕が面白いなと思うのは、ユニバーサルスタジオにあるアトラクション「ターミネーター3D」くらいなんですよ。
 なぜ残念なのかというと、基本的に『ターミネーター2』に出て来る液体金属の敵というのが、強すぎる……というか、映画的に完璧過ぎるからなんですよ。
 つまり、SF映画を撮る時の、嘘としての塩梅が抜群なんですね。リアリティがあるように見えて、いくらでも強くすることが出来るし、弱点も作ろうと思ったら作れるし、弱点がないようにも出来る。もう、制作者のさじ加減次第で、いくらでもやりようがある。
 究極の敵というのは、ただ強いというだけではなく、「映画的に抜群に見栄えがして、強そうに見える」というヤツなんですよね。

 なんであんな敵を思いついたのかと言ったら、もう、それは単純な話で。キャメロンは『ターミネーター』の1の時から、あれを出そうと思っていたそうなんですよね。
 だけど、1を作っている最中に『遊星からの物体X』という映画が公開されてしまって、その中に何にでも変形できるエイリアンが出てきて、そっちの方が遥かに出来が良かった、と。
 その頃は、CGで作れるほどの技術がなかったので、結果『ターミネーター』1で液体金属の敵を出すのを諦めた、と。
 そういう「もともとは『1』で出す予定があったところを諦めたアイデアを『2』で使った」という流れがあるので、『1』と『2』というのは、お話としてもすごく整合性があるわけですよね。
 なので、やっぱり、ターミネーターの『3』以降の作品っていうのは気の毒なんですよ。さっき「残念」と言いましたけど、何をやっても上手くいかないと言うか。
 だから、もう、モノマネに近いんですよね。それ以降のターミネーターっていうのは、だいたい「未来から来てこうですよ」というフォーマットは決まってて、その中に独創的な解釈を新たに入れて作るという、なんかモノマネに近いものがあって。
 『スター・ウォーズ』も、最近、そのパターンにハマりかけているので、「年末の『スター・ウォーズ』、大丈夫かな?」と思っているんですけど。少なくとも『スター・ウォーズ』のエピソード7と8は『スター・ウォーズ』のモノマネみたいな感じになっちゃってましたね。

 今日はもっと語るつもりだったけど、キャメロンを語る回というのを作ることにしたので、続きはそっちの方に回そうと思います。


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