岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/06/01

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2019/05/19配信「『ムーミン』の光と影、そして『ムーミン』 俺語り」の内容をご紹介します。
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2019/05/19の内容一覧


日本だけの『ムーミン』の特徴

 こういう日本だけの特徴というのが、『ムーミン』にはあります。それらをザッとまとめてみました。
 これが、日本だけの『ムーミン』の特徴なんですけども。

 まず1つ目は「全ての原作が手に入る」ですね。これね、実は世界中で日本だけなんですよ。
 ムーミンの原作本、例えば僕が持ってるすごく古い『トーベ・ヤンソン全集』という講談社の本のムーミンであろうと、あとは今出ている文庫本のバージョンであろうと、とりあえずムーミンの単行本が、ほとんど全種類、いつでも手に入るというのは世界中で日本だけだそうです。

 海外では、一般的に本の寿命が大変短くて、初版を刷って売り切れたら、もうそれまでで絶版になってしまうことが多いんですね。なかなか再販されない。
 日本みたいに「人気があるとすぐに再販」という、小さい本屋が日本中にあって、そこでいつも本が回ってるような読書環境って、本当にね珍しいんですね。
 だから、Amazonなどによって日本の本屋が潰れているというのは、実は本に恵まれている日本という状況がどんどん崩れつつあるということでもあるんですけども。それはまた別の話です。

 あと、「グッズショップが多い」。これも日本だけの特徴です。
 海外では、ムーミングッズのコレクターというのがほとんどいないんですよね。
 というか、そもそも『ムーミン』のことを文芸だと、原作として小説があると理解している人自体が、かなり少ない。

 というのは、『ムーミン』の最初の原作が発表されたのは1945年、第2次大戦が終わってすぐなんですけども。そこから先、わりと定期的に単行本は出ていたんですが、メジャーになったのは1954年にイギリスで新聞連載のマンガで出てからなんですね。
 その新聞連載のマンガがものすごくヒットして、それが各国語に翻訳されて、アメリカ以外の多くの国に広まったんです。
 アメリカというのは、やっぱりね、大衆文化に関してはメチャクチャ防御するんですね。他の国のものを入れないんですよ。それに対して、ヨーロッパの大体の国では新聞に連載されていました。
 で、イギリスで、月曜から土曜まで毎日載るマンガが1954年から70年まで、16年間も続いたので、そのマンガのストックがほとんど無限にあるんですよね。それが各国語に翻訳されてるので、ヨーロッパの新聞では、いまだにムーミンが現役で連載している新聞がいくつもあるんですね。
 なので、海外でムーミンといえば、まずはマンガなんですよ。最近はようやっと「アニメでムーミンを知った」という人が増えてんですけど。
 なので、あんまり文芸とか小説というふうには思われていない。

 『ムーミン』は、日本ではこういう細かいグッズが多くて、人気があるんですね。
 例えば、僕が持ってるムーミンのサイコロなんですけど。
(グッズを見せる)

 使い方はどうするかっていうと、いくつかあるサイコロの中から、見ずに3つくらいを手に取って、ガラガラっと転がす。
 すると、「ニョロニョロ」と「ヘムレンさん」と「スナフキンのテント」というふうに、絵柄が揃う。これで三題噺を考えて喋るというような、まあ、そういう知育玩具みたいなものがあるんですけど。
 こんなものまで出てるのって、本当に日本だけなんですよ。この「サイコロを振ってお話をその場で即興で作る」っていうのは欧米でよくある玩具なんですけど、それのムーミン版。
 あとは、カルタとかですね。ムーミンのカルタ、良いですよ。読み札が全部名台詞になっているんですけど。
 ここまで出てるのって日本だけで、すごく珍しいんですね。そういう国なんです。

 あとは、さっき話した「1969年、72年のアニメ版ムーミンを知ってるのも、世界中で日本だけ」です。
(パネルを見せる)

 これが最初期のムーミンです。スナフキンに髪の毛がないのが見分け方みたいなものなんですけども。
 これ、日本以外ではほとんどオンエアされてません。日本側が、ちょっと契約を破って他所の国に流しちゃったことがあるんですけど、それ以外では、他の国で見たことある人はいないんですね。

 おまけに、1992年以降は、日本でも放送を自粛しています。
 これ「作者が禁止した」って言われることがあるんですけど、正確に言うと、禁止したわけではないんですよね。「日本のみでの上映を許可する」という契約になっているだけで。
 ただ、92年以降は「再放送しないでくれ。商品も出さないでくれ」という要望が出されていて、その要望を受け入れる形で、放送やDVDなんかの発売も自粛しているというのが現実のようです。
 まさにこれ、日本以外では見られない、消されたムーミンということになっています。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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