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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「意外!宮崎駿は誰よりも早くに妥協する人だった?」

2019/05/22 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/05/22

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2019/05/05配信「【雑談特集】あなたの質問に岡田斗司夫がガンガン答えます!」の内容をご紹介します。
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2019/05/05の内容一覧


宮崎駿の新作アニメ

 あと、僕が日本を経つ直前に出たニュースとして気になったのが「スタジオジブリの鈴木プロデューサーが、日本テレビ『シューイチ』にVTR出演。宮崎駿監督の新作映画の進捗情報などについて明かした」というニュースですね。


宮崎監督は13年9月に長編映画の製作から引退を表明したが、17年2月の米国イベントで鈴木氏が新作の製作を明言。この日は、その制作状況について「3年前の夏にスタートして、いよいよ絵コンテが完成しそう。間もなくです」と明かした。
ただ公開時期については「これからあと3年くらいですかね」とも。また「今回、公開日を決めていない」といい、その理由としては「期限を決めると人間ってサボりたくなるでしょ。間に合わさないといけないから。それを許さない。だから期限を作らない」と説明。その上で、プロデューサーの立場から「そうしたら、どういうものができるだろうか。すごいものを見てみたいですよね」と期待をも込めて話した。


 というニュースが、先週の日曜日に流れました。

 これ、ちょっと解説が必要なんですけど。
 なぜ、宮崎駿の新作に対して、鈴木さんが「公開日を設定しない。なぜかというと、公開日があったら人間ってサボりたくなるからだ」と言うのかというと、実は宮崎駿というのは、とんでもない「妥協魔」なんですよ。もう、すぐに妥協するんです。
 高畑さんとは逆なんです。高畑さんは一切の妥協が出来ない。周囲から「あの人は怠け者だ」と言われるくらい、とりあえず出来ない理由が1つでもあったら、もう動かない。絶対に妥協しないんですね。
 ところが、それに対して宮崎駿は、他の誰もがまだ妥協してないうちに、早めに妥協を始めるんですね(笑)。

 これ、意外なんですけど、宮崎駿というのは妥協力というのもすごく強いんですよ。
 というか、何よりもスケジュールが遅れるのを極端に嫌う人なんです。

 『アルプスの少女ハイジ』を、高畑勲と宮崎駿がコンビでやってた頃、まあ、高畑勲が何もしない、と。宮崎さんとしても、高畑さんが脚本を上げてくれなければ、何も出来ない。
 なので、「どうなってるんだ!?」と怒鳴り込んで行くと、そこで高畑勲は寝てるんですよ。怒った宮崎駿が「起きろ!」と言うと、高畑勲は目を瞑ったままで「寝てない。起きてる」って言うんです。
 そんな高畑勲に対して、宮崎駿が「どうするんですか!?」と言うと、「うーん、まず、ハイジがドアを開ける」って、口述筆記を始めて。宮崎駿はそれを元にコンテを描いたり、脚本を書いたりするという、すごいことがあったそうなんですけども(笑)。
 高畑勲というのは、それくらい追い詰められないと何もやらない。もう本当に、高畑さんのことを、宮崎駿は「サボり魔だ!」とか「怠け者だ!」と言うんですけど、逆に言うと「自分の中の準備が100%にならないと動かない人」なんですよね。
 この『ハイジ』の時の高畑さんのスタンスがトラウマになってしまった宮崎駿は、それから徹底的にスケジュールを守るようになったそうです。

 だけど、自分が妥協に妥協を重ねて、『紅の豚』とか『ハウル』とかを作っている時に、高畑勲は『平成狸合戦ぽんぽこ』とか『かぐや姫』という、もうまったく妥協をしない作品だけを作っているんですよね。
 この一切妥協せずに何年も掛けて作品を作る高畑勲の姿勢に、宮崎駿はすごく嫉妬して「結局、このスタジオ(ジブリ)というのは、高畑さんのスタジオであって、俺は高畑さんのために、金を稼ぐためだけ監督なんだ!」と、怒ったりキレちゃったりということが、しょっちゅうあったんです。

 そういう高畑さんの作業の遅さを見ていたから、宮崎駿というのは、すぐに妥協するようになっちゃったんです。
 例えば、『風の谷のナウシカ』のラストというのは、本当はクロトワというクシャナの副官のちょっと影のある男が巨神兵のコクピットに乗り込んで操作して、王蟲の群れと大格闘して、ビームを吐きながら殴る蹴るの肉弾戦を見せるはずだったんですよ。
 その結果、あの王蟲というのはすべて「サナギ」で、あの巨大なサナギから蝶のような美しい成虫が何万匹と現れて、それが羽ばたいて、人間を置いて宇宙へ去って行ってしまうというラストだったそうです。
 「そんなラストシーンを、宮崎さんはちゃんとコンテに描いていて、俺はそれを見た」と、『ナウシカ』の演出助手を務めた片山さんは話しています。
 オーディオコメンタリーの中でも、「なんで宮崎さんはあれを止めたんだろう? あれ見た?」って言ったら、庵野秀明が「俺、それ見てないんですよ。見たいんですよ」と返す会話があるんですけども。

 なぜ、そのコンテが今、残ってないのかというと。
 そのラストシーンとかのコンテも、全部あったんですよ。なのに、宮崎駿が、自分でスケジュールを見ながら「うーん。これじゃあ間に合わないな。やめた」って言って、ビリビリ破り捨てるからなんですよね(笑)。
 鈴木敏夫が「もうちょっと待って! 今、急にやめなくても!」って止めても、「いや、こんなことやってたら間に合わない。やめだ、やめだ!」って、次々と破り捨ててしまうから、現在、残ってないんですね。

 この他にも、例えば『カリオストロの城』で言えば「オートジャイロの空中戦」とか、『もののけ姫』では「タタラ場と戦国武将と天皇の兵隊たちとの三つ巴の地上戦」とか、『ハウルの動く城』では「隣の国との地上戦」を描く予定だったそうです。
 だけど、それらは全部、宮崎駿自身が製作の途中の段階で、まだスタッフの誰もが「いやあ、これはスケジュールが厳しくなりそうだな」と言っているくらいの段階で、「もうやめた、やめた!」って、バリバリ破って捨ててしまうので、本当に資料が残ってないんですね(笑)。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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