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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「幻の実写版エヴァ『巨神兵東京に現る』はここを見ろ!」

2019/04/17 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/04/17

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2019/03/31配信「【10倍楽しむための予習特集】『巨神兵東京に現わる』『平成狸合戦ぽんぽこ』」の内容をご紹介します。
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2019/03/31の内容一覧


幻の実写版エヴァ『巨神兵東京に現る』はここを見ろ!

 この『巨神兵東京に現わる』のTV放送っていうのは、どうも関東ローカルらしいんだけど。『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』のBlue-rayとかDVDにも、一応、映像特典として付いています。
 昔、特撮博物館で上映した5分か7分くらいの映像に、エンドロールの追加とか、音声を新しく調整したり、巨神兵の羽とか電柱とか火花等に3DCGを使っているそうです。

 これは、「東京に本物の巨神兵が現れて、火の7日間が始まる」という短編フィルムなんだけど。一番最初、東京の街に火の粉が舞ってるんだよね。
 この「火の粉が舞ってる」というのは、何かが来るという予兆で、実際にうまい演出なんだけど。

 『ワールド・イズ・マイン』というマンガがあって。
(本を見せる)

 この『ワールド・イズ・マイン』に、巨大なヒグマが出てくるんだよ。その熊の巨大さたるや、全長30メートルくらいだったかな? とにかく、ものすごい怪獣なんだよね。
 『ワールド・イズ・マイン』って、サブカル系のクライム・アクション、犯罪系のマンガという見方もあるんだけど。僕、あのマンガの中に出てくる、モンちゃんとかそういうクライム系の話は本当にどうでも良くて、読み飛ばしてるんだ。
 そうじゃなくて、とにかく「ヒグマドン」と呼ばれる、全長30メートルの熊が出てくるところとか、それとの戦闘シーンが、あまりにもカッコいいんだよね。
 たぶん、あれのおかげで日本の怪獣映画というのは根本的に変わった。
 「平成ガメラ」って呼ばれてる新しい『ガメラ』の3部作があるじゃん。実際は平成になる前から始まってたんだけど。
 この平成ガメラというのが、『シン・ゴジラ』が公開されるまでは、一応「怪獣映画の最高峰」って言われてたんだけど。その後に、この『ワールド・イズ・マイン』が出てしまって、そこで出てくる怪獣のイメージがあまりにカッコいいから、平成ガメラが「ちょっと古い作品」になっちゃったんだよね。

 秋田県の大館市という地方都市をヒグマドンという巨大な熊が襲うシーンがあるんだけど。
 一番最初に「街を襲う予兆」ということで、街中に、なんかフワフワと変なワイヤーみたいなものが落ちてくるんだ。
 「ワイヤーみたいなもの」といっても、太くて、直線じゃないんだよ。ちょっと曲がってたり折れてたりする。これが何かみんなわからない。わりと軽いし、持ってみるとすごく臭いニオイがする。
 実は、これがヒグマドンという巨大な熊の体毛なんだよね。そんな体毛が街のいろんなところに落ちてきて、「これはなんだ?」というところから始まるという導入が、メチャクチャうまいんだけど。
 『巨神兵東京に現わる』の冒頭、火の粉みたいなものが東京中のいろんなところにフワッと落ちてくるというのは、この『ワールド・イズ・マイン』のイメージなんだよね。
 それまでの怪獣映画っていうのは「他の怪獣映画」からの引用がすごく多かったんだけど、マンガ作品の中からすごくうまい怪獣の登場のさせ方が出てきたので、そこから引用するという面白い使い方をしているんだ。

 『巨神兵東京に現わる』っていうのは、こんなふうにマンガイメージの再現が結構多いんだよ。
 例えば、これは昭和時代の名作ロボットマンガ、僕も好きな『ザ・ムーン』なんだけど。
(パネルを見せる)

 この『ザ・ムーン』って、一番最初、登場してきた時は身長12メートルくらいなんだよね。
 だけど、次に登場する時は25メートルくらいになってる。
 そして、その3、4ページ後に登場する時には、なんか身長が250メートルくらいになっちゃってるんだ。
 そうそう。今、コメントにあった通り『ぼくらの』っていうアニメの元ネタになった作品なんだけど。

 これね、特撮テレビとかでは、あんまりこういうことをやらないんだよ。特撮テレビでは、わりと設定を守るんだよね。
 だけど、それをマンガ家、特にジョージ秋山みたいな情念型のマンガ家が描くと「どんな印象なのか?」とか、「読者にどんな感情を持って欲しいのか?」によって、ロボットのサイズなんて平気で変えちゃうんだよね。
 リアルなスケールを統一するよりは、感情に訴えるために、こういうふうに身長12メートルから250メートルまで平気で変えるということをやる。

 これまでの特撮だったら、マンガの方ではこういう自由な表現があったとしても、こんな無茶なことをしなかったんだけど。『巨神兵』って、わりとそこらへんを踏み出してて。
 劇中での巨神兵は、一番最初は電車から見えるんだけど、その次にハッキリ形が見えるシーンが、こういうシーンなんだよね。
(パネルを見せる)

 東京の街全体にのしかかるように浮いているんだよね。
 特撮博物館で売ってた本によると、巨神兵の身長設定って実は100メートルくらいなんだよ。でも、これを見ると、身長が1キロとか2キロになっちゃってるんだ。いわゆる、『ザ・ムーン』と同じになっちゃってるんだけど。
 ところが、次に出てくる「東京の街に浮いていた巨神兵がズシーンと着陸する」というシーンはというと。
(パネルを見せる)
 これ、手前に柴犬がいるところに、巨大な足が降りてくるんだけど。こっちで見ると身長はせいぜい30メートルか50メートルくらいになるんだよね。
 まあ、この「着陸する足を見せる」っていうのは、昭和特撮のお約束というのかな? 「空を飛んでいる怪獣が地面に降りてくる時は、必ず足のアップがある」っていうのが、昭和特撮ウルトラマンとかのお約束なんだけども。
 この着陸するカット、手前の犬は3分の1のスケールで作って、奥の公園は10分の1スケールで作って、そのさらに奥にあるビルは、だいたい30分の1から40分の1くらいのスケールで作っている。
 そうやって作った公園のミニチュアの中に、この犬と巨神兵の足を合成で入れてるんだけど。
 この犬ね、ちょっとアップにしてもらったらわかるんだけど、あんまりリアルに見えないんだ。
 これね、本当に「犬のオモチャ」なんだって。犬のオモチャの中に機械を仕込んで、ラジコンで操作する。特撮をやったスタッフたちは「樋口監督、これは流石に無茶ですよ。オモチャに見えますよ」と言ったんだけど、「いや、それで構わん。やってしまえ」と。
 樋口監督は、さっきも言ったように、巨神兵のサイズが無茶苦茶になったとしても、大事なのは「見ている人にどんな感情を持たせたいのか?」で、そこはリアリティよりもカッコよさを選んでいるんですよ。だから「この犬も、オモチャに見えて構わん」と。
 だいたい『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』に出てくる馬とかにしても、どう見てもミニチュアにしか見えなかったんだけど。画面全体の質感という意味で言えば、それでよかった、と。ここも「犬だけリアルにするよりは、ここはあえてオモチャっぽい犬を出した方が、質感が統一できて良い」と言ってるんだよね。

 こんなふうに、樋口監督は『巨神兵東京に現わる』の中でいろいろ新しい実験をやってるんだ。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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