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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「世界観に説得力がある!映画『女王陛下のお気に入り』と『翔んで埼玉』」

2019/03/13 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/03/13

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2019/02/24配信「『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』特集 富裕層が“つまらない”理由を発見!」の内容をご紹介します。
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2019/02/24の内容一覧


世界観に説得力がある『女王陛下のお気に入り』と『翔んで埼玉』

 これは、今、公開している『女王陛下のお気に入り』という映画なんですけど。
(パンフレットを見せる)
 アカデミー賞候補の映画です。これ、衣装や美術セットがすごいんですよ。もちろん、舞台となっているのが18世紀の始めという実際の時代だから、当たり前なんですけど。
 イギリスとフランスが戦ったスペイン継承戦争をやってる最中のイングランドを舞台に「そんな中、下っ端の使用人が王族の生活を覗き見する」という内容なんです。
 なので、映画のカメラの撮り位置も、ややね低い位置なんですよ。ローアングルで、本当に覗いているような感じで撮ってるんですよね。
 つまり、美術やセットにすごい説得力があり、なおかつ撮影する側の映画カメラにも「誰の目線で見ているのか?」という要素が入っている。「中世の王族の生活を映画の観客も一緒に覗き見てみよう」というメッセージがあるから、ローアングルのカメラにすごいリアリティがあるんですよね。

 それに対して、『アリータ』の未来都市の撮り方というのは、確かにメカモノとしての面白さはあるんですけど、さっきも言ったように、街には広告が全然ないので生活感がない。つまり、説得力がない。
 おまけにカメラの目線も全部「説明目線」なんですよ。登場人物の目線より、やや高い位置にカメラ置いちゃってる。
 なぜかというと「その方が風景が見せやすくて、空を隠すことが出来る便利な構図だから」なんですけど。それをやっちゃうと、誰の視点で撮っているのかまったくわからなくなるんですね。
 いわゆる「後期ゴジラ映画のマズい頃」とでも言うのかな? 「バーサスモノ」になる前のゴジラ映画のマズいところというのは、いわゆる新しい平成ガメラや『シン・ゴジラ』が、あえてローアングルで怪獣を撮ったのに対して、20世紀の終わりくらいのゴジラって、カメラ位置をやや上に置いて撮っちゃたんですよ。
 そうすると、もう「これは誰の視点だ?」ということになってしまう。「出来のいい着ぐるみが、出来のいいミニチュアを壊しているだけ」のように見えちゃうんですね。

 そういうふうに、カメラの目線が常に説明目線で、誰かの視点じゃないから、あんまりドキドキしないんですね。

 こういうふうに言うと「『女王陛下』は歴史モノだから、リアリティがあって当たり前だ!」と言う人もいると思うんです。「『アリータ』は架空世界だから不利だ!」と。
 いや、そんなことないんですよ。架空世界でも、ちゃんとリアリティって出せるんですよね。

 その良い例が、これまた今やっている映画なんですけど『翔んで埼玉』という映画なんですよ。
(パンフレットを見せる)
 これは、魔夜峰央のマンガを原作にした、まあヘンテコな映画なんですよ。
 だけど、主演のGACKTが、もう素晴らし過ぎる。たぶん、今、日本で一番マントが似合う男ですよね。実写でキャプテン・ハーロックとかデスラー総統をやる時はぜひGACKTに頼みたいくらい、衣装の着こなしやマントの翻しがメチャクチャ良いんですよ。

 この映画は、架空の世界ですよね? かなりデッチ上げの世界なんですけども、美術とか衣装セットがすごく良いんです。
 『女王陛下』みたいに実在する世界じゃないし、予算も『女王陛下』の100分の1くらいなんですけど、すごく良く出来てるんですね。

 例のこのマンガを読んだ人はみんな知っている名台詞、「この子が病気で……」というと「医務室は東京都民のものだ! そこら辺の草でも食わせておけ! 埼玉県民ならそれで治る!」というのも、ちゃんと再現されていて。
 クライマックスで、埼玉県民と、なぜか千葉県民が、川を挟んで対決するシーンがあるんですけど。ここでの、特にダンプの使い方とかは「100点満点で1万点」と言っていいくらい、本当にすごいんですよ。
 だから「架空世界だから、密度とかリアリティは出せない」というのは違うんですよね。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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