岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/12/29
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、過去記事から「冬休みに見たい映画」の特集をお届けします
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お勧め記事一覧
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』『ラッシュ/プライドと友情』『地球防衛未亡人』『大統領の執事の涙』
それに比べて「あっ! おぉ、いいじゃん!」っていうのが『ウルフ・オブ・ウォールストリート』だ。
これは何でしょうね。
次々と出て来る、可哀想な感じ? 一回なんか、ウォールストリートの頂点に上り詰めたはずなのに、色んな不幸が主人公に次々と襲って来ると。いや、次々と襲って来ても、そりゃしょうがないような悪党なんですけども。
それがなかなか豪華な感じ。
たとえば、自分がついこのあいだ買ったヨット。ヨットでご機嫌でやってると、物凄げえ波が来て、ヨットが難破とかですね。
(中略)
次はもっと本格的に気に入ったのが、これですね、はい。
『ラッシュ/プライドと友情』ですね。
これあの、F1レースではなくて、F3000ってクラスのレースから始まって、F1のほうに上がっていく映画なんですけども。
実際のF1マシンに、20何ヶ所かな? 30ヶ所近く、小型のカメラを付けて撮っただけあって、まぁ凄い燃えるんですね。
実際にあった話なんですよ。
実際にあった実話をベースにして作ってて、最後にあの、登場人物のやつの今が出て来るのが、あぁ、なんかこう心にちょっとホッとする感じがしてですね。
やっぱあの、ロン・ハワードは、こういう仕掛けのある映画、『アポロ13』とかもそうなんだけども、そういうのを作らせると、こうグッと来るよね。
(中略)
えーと、ま、皆が感動するといって、俺も、俺みたいなひねくれ者も行って、やっぱり感動してしまった『大統領の執事の涙』ですね。
これあの、普通にいい映画です。
普通にいい映画で、充分に面白いんですよ。
特に面白いのは、割と長い間に渡ってホワイトハウスに勤めていた使用人のひとの、ほぼ実話みたいな映画なんですね。
(中略)
ジワジワと来るものではなくて、ある州ではすごい自由化されてて、ある州では凄く抑圧されてて、世代によっても、黒人が白人と同じになると安心しない黒人もいれば、逆上する白人もいるって、その人の差がバラバラにあって、その中で黒人の人権運動っていうのがあった。
それが、その息子がそういう立場にあって、黒人の人権運動で、キング牧師に最初付いていって、次はマルコムXに付いていって、ブラックパンサー団っていう過激派ですね。もう本当、黒人人権運動テロ集団みたいなのに入って、一緒に活動するという。
でも、自分は大統領に仕えて、やって、大統領からそれに関して意見を求められそうで、求められない。
そこらへんがあったので、泣かせる以外に、ちょっと勉強にもなるし、人間の多面的な見方? というか、差別の多面的な見方というのがわかって、すごく面白かったです。
『インターステラー』と『週刊新潮』の経済問題
『インターステラー』はSF好きだったら観ても損はないけど、SFが好きじゃなかったら。聞いた話だと、『インターステラー』は感動しに観に行く人が多いんですよ。皆『アルマゲドン』みたいな映画を予想しているそうですね。
TVで宣伝しているのはお父さんと娘がいて、娘が泣いているのに父親が「それでも行くのだ」と言って、一つの星なんてその星に近づけるのに7年かかる。もちろん船の中では10分、1時間くらいの出来事なんだけど、その星では何年もかかる、そういう星に行かざるを得ない。
(中略)
『ほしのこえ』とか『トップをねらえ』とか、もともとはアメリカのSF小説『終りなき戦い』ジョー・ホールドマンが書いたのがあるんですけど、『ほしのこえ』とか『トップをねらえ』も、SFの源流はすべて『終りなき戦い』にあるんですね。
これを参考にしたから『インターステラー』も『終りなき戦い』ものと考えられるし、日本人の僕らとしては『星の声』ものとか『トップをねらえ』ものと考えられるんですね。
そんな簡単単純に「お父さん言ってきた」「お父さん地球を救ってくれた」「でも、お父さん帰ってこないんだ、うえーん」みたいな、『アルマゲドン』みたいな映画と捉えてはだめです。もっとすげえ映画であります。
面白くてびっくりした『ソロモンの偽証』
昨日、初日だったので、『ソロモンの偽証』見て来ました。
『ソロモンの偽証』はね、面白いよ。
宮部みゆきの原作で、宮部みゆきが構想15年、執筆9年って書いてんだ。で、宮部みゆきって書くのが早いので有名な人で、そんなに9年もかかるはずがないし、構想も15年かかるはずがないんだ。
あんまり宮部みゆきって、ここで構想何年とかってホラ吹かない人なんだけども。なんでそんなにかかんのかなって。
僕、それ読んでなかったんだ。『ソロモンの偽証』って読んでなかったんだけども。
映画見たら、もう最初の1分から引き込まれる、引き込まれる。
舞台は中学2年生のクリスマスの話なんだけども。中学2年の女の子がクリスマス、12月25日だよね。
いわゆる休業式の日に学校に来たら、そしたら、そこでクラスメイトが飛び降り自殺をしてるのを発見するというところから始まって。
で、犯人は誰かっていうところで、結局、学校の中で生徒だけで、子供たちだけで裁判をするっていう話なんだよ。これって普通に考えたら、いわゆるざっくりとしたストーリーでいえば、思った通りの展開なんだ。ざっくりとしたストーリーでいえば、えーっと、自殺する。
で、それは事故じゃないかっていうふうに警察は言う。単なる自殺だっていうふうに警察は結論づける。で、先生たちもそう言う。
しかし、投書が来て、投書では殺人現場を目撃した、クラスでいじめっ子で有名な子が殺すのを見たっていう目撃がある。
でも、その目撃したっていう女の子もクラスの中でちょっと変な位置にいる女の子で、奴隷みたいにして使ってる女の子との関係みたいなものとかもあって、どんどん、どんどん盛り上がっていく。
(中略)
だから、僕も昨日見て思ったのが『ソロモンの偽証』っていうのが何が面白いのかって、25年前の話なんだ。
1990年の話で、それを今振り返ってる。あの、2015年の今から、25年前の話を振り返って。
で、結局、その事件から立ち直った子が、その中学校に教師となって帰ってくるシーンから始まるんだ。一番最初はその主役の女の子の25年後、大人になって校長室に来て、あの頃の話をするところから始まる。あれは伝説的な事件でっていうふうなことから始まるから、おそらくハッピーエンドで終わることはわかってるんだ。
宮部みゆき、すごいよね。
だから、手札を全部晒しながら、どうなるのかわかんない。
で、普通さ、こういうのって、大人が無理解だとか隠そうとする。
だから子供たちだけで裁判をやるんだっていう話で、残酷になりそうなんだけどさ。
ところが25年前だから、『渇き』とか『告白』と違って同時代性がないんだよね。
もう出てくる小道具とかが、『アオイホノオ』のレベルではないと言ったら、島本くんごめんなさいなんだけど、とんでもない細かいやつで。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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