岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/12/17
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2018/12/09配信「『シン・ゴジラ』予習編は妄想全開!続編を、庵野監督が作ると?ハリウッドが作ると?」の内容をご紹介します。
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2018/12/09の内容一覧
- 『シン・ゴジラ』予習
- 宮崎駿の証言、当時の観客にとっての『ゴジラ』
- 怨念と不条理を描こうとした初代『ゴジラ』
- 『もののけ姫』は宮崎駿のゴジラ
- 庵野秀明や赤井孝美が『ゴジラ』で受けた衝撃
- さしたる用事も無かりせば
- 怪獣映画のお約束
- 庵野秀明が『シン・ゴジラ』の続編を作ったら、こんな話になるはず!(前編)
- 庵野秀明が『シン・ゴジラ』の続編を作ったら、こんな話になるはず!(後半)
- もしハリウッドが『シン・ゴジラ』をリメイクしたら、こうなるはず!
- 溜まった妄想、吐き出した
宮崎駿の証言、当時の観客にとっての『ゴジラ』
ということで、一番最初は「そもそも」というところから話を始めたいと思います。
1954年の『ゴジラ』の衝撃というのを語るために、ゴジラの初登場シーンというのをフリップにまとめてみました。3枚の写真で出来ています。
(パネルを見せる)
これ、映画が始まって、20分くらいしてからのシーンなんですけど。
山の向こうから、何かすごい地響きがする。これはゴジラの足音なんですけど、それがわからずに山道を島の人々が登っていると、丘の向こうに大きい影がヌッと動く。「あっ!」っと驚くと、その向こうからゴジラが顔を出す。これが、ゴジラの歴史上初の顔出しになります。
全員がパニックになって、ワーッと逃げ出す。そうすると、その向こうでゴジラが吠えるという、こういう流れになっているんですね。
これ、当時はものすごい衝撃を持って受け止められたんですよ。
今になってみれば「山の向こうから怪獣が出てきて吠える」なんていうのは当たり前のシーンだし、特撮の面にしても「単純な合成だな」ってふうに見えるかもわかりません。
だけど、なんせ当時は「怪獣映画」というのが存在していなかった時代なんですね。
この時の様子をうまく語ってくれた証言者がみつかりました。
証言したのは誰あろう、宮崎駿です。宮崎駿が、特撮研究家の池田憲章さんという方に、すごい自慢げに語った話というのが残っています。
池田憲章さんも1954年にはまだ生まれてなかったんです。なので当然『ゴジラ』を映画館では見ていないんですよ。というよりも、もう日本の特撮の研究者のほとんどが1954年には生まれていなかったので、誰も映画館で『ゴジラ』を見てなかったんですけど。
でも、宮崎駿は見てたんです。「映画館に弟を連れて行って、一緒に見た」と言っています。
宮崎駿が言うには「あまりにヒットしていて、もう席が満員だった」と。それが公開2日目のことだったんです。
公開2日目でそんなに満員になるということは、1日目から……ネットとかツイッターとかもない時代ですから、「あの映画、面白いぞ!」という口コミで広がって、人が山のように押しかけたということなんです。
そんな公開2日目に、宮崎駿は弟を連れて見に行った。この辺りから、宮崎駿の家のブルジョアっぷりがわかるじゃないですか。公開2日目に親を連れずに、弟を連れて映画館に行けるような家庭ですから、まあ、いい加減金持ちなわけなんですけど(笑)。
で、席なんかにも座れずに、映画館の座席の後ろにある格子に掴まって弟と一緒に見ていると、このゴジラが最初にヌッと顔を出した瞬間に、映画館中の人の頭が「うわっ!」とのけぞったのが見えたそうです。
「映画館中の人の頭が前から順番にのけぞってきて、人の頭がね「波」になったんだよ。いやあ、あれは、あの時、映画館で見ないと、絶対にわからないよ。池田くん、羨ましいだろう?」と、宮崎駿は散々自慢したそうなんですけども。
当時、これを初めて見た人たちにとっては、それくらい衝撃的だったんですね。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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