岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/12/19

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2018/12/02配信「AI時代の『経済と正義』〜1.セブンイレブンの「無人コンビニ」戦略、2.無限に飛べる無人機、3.AIの法律、4.ソーシャルロボットの未来」の内容をご紹介します。
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2018/12/02の内容一覧


イオン風で無限に飛べる無人小型飛行機

 『「イオン風」使うエンジン要らずの小型機、アメリカのMITが試験飛行』というニュースです。

マサチューセッツ工科大学の技術者チームが21日、学校内の体育館で、エンジンや化石燃料ではなく、イオンの推力を使ってほぼ無音で飛ぶ小型機の試験飛行に初めて成功した。
試験機は重さ2.45キロ、全幅5メートル。
数年以内にほぼ無音の小型無人機(ドローン)として実用化する可能性に言及した。
試験飛行は11回行われており、2メートル弱の高さで約60メートルの飛行に成功している。

 この技術自体は、実は枯れた技術なんですね。
 「イオノクラフト」って聞いたことありませんか? だいたい、中学校とか高校の物理研とかが学園祭でやってるんですけど(笑)。
 「アルミホイルで作った輪っかみたいなものを用意して、その中に電極代わりの針金を通して電気を流すと、そいつがフワフワと空飛ぶ円盤みたいに浮く」というやつなんですけども。
 実は、『2001年宇宙の旅』のディスカバリー号の推進エンジンもそうなんです。

 まあ、このイオン推進自体は、わりと枯れた技術というか、昔からある技術なんですね。
 「その効率がどんどん上がってきて、本来、微弱だったイオン推進の力だけで飛行機が飛べるようになった」というのが、今回の実験の大本です。

 これだけ見ても、なんで僕がここでわざわざ大きく取り上げるかわからないと思うんですけども。
 これね、今の宇宙開発ブームにとっては大打撃なんですよ。

 民間の宇宙開発が最近どんどん盛り上がって来てるんですけども、あれって要するに何なのかというと、有人宇宙飛行とか観光旅行を目的としている所はほとんどないんです。みんなが考えているのは「いかに安く衛星を打ち上げることができるのか?」なんですよ。
 通信衛星というのは、部品が組み合わさって出来ているわけですから、寿命があるんです。宇宙空間の「ヴァン・アレン帯」の近くとか外側にある静止軌道とかを飛んでいる人工衛星というのは寿命が短いわけですよね。何年かで寿命が来ちゃうわけなんです。ハッブル望遠鏡も寿命を終えました。
 人工衛星というのは、故障するし、あとは、無視できると思っていた僅かな軌道のズレも、段々とズレが大きくなってくると静止衛星としての利用ができなくなる。
 それよりも、実は、こういう技術を使って、できるだけ軽く使った無人機の中に、通信衛星と同じような部品、またはWi-Fiの基地局のメチャクチャ軽くしたやつを載せて、世界中の空で無数に飛ばす方が、よっぽどか安くできるんですよ。

 この「よっぽどか安く」というのが大事なんです。
 なぜ、民間で宇宙開発をやってるのかというと、「どれだけ安く通信衛星を飛ばせるのか?」と、みんな思っていたからです。だけど、もっと安くできるなら、通信衛星である必要はないじゃないですか。
 だって、イオノクラフトの無人機の翼の上にソーラーバッテリーを無数に並べて、それを軽くして、無人で何十年も飛べるような飛行機を開発して、その中にWi-Fi局を積んだら、それを無数に飛ばす方が、人工衛星を打ち上げるよりも、よっぽどか安いわけですから。

 「そんなこと言っても、この実験の飛行機はまだまだ小さいじゃないか」と思った人もいるかと思うんですけども、飛行機というのは、実は「小さく作る方が難しい」んですよ。
 「ゼロ戦」という飛行機は、実際に空を飛びますよね? じゃあ、16分の1スケールで精密に作ったラジコン機のゼロ戦が飛ぶのかというと、飛ばないんですよ。よく飛ばない上に落ちやすい。
 飛行機というのは、実際は「大きく作れば作るほど飛びやすい」ようなものなんですね。まあ、強度とかはあるんでしょうけど。

 ここでは「イオノクラフト・ドローン」と仮に呼びますけど。
 そういった、30メートルくらいの、イオン推進で動く簡単な複葉機のような壊れにくいドローンを作って、そこにWi-Fi基地局を載せて飛ばす。
 動力は翼の上の太陽電池で、だいたい高度5000メートルくらいを飛行させる。なぜかというと、高度5000メートルとか3000メートルくらいになってくると、雲がほとんどないからです。すると、ソーラーパネルの効率が最大化されるわけですね。
 それを数キロ間隔に1機ずつ飛ばす。そこでずーっと周回飛行させてればいいわけですね。
 雲のない上空では、太陽電池はドローンにとって理想のエネルギー源でしょう。
 ドローンは故障警報があるまで同じ場所をずーっと周回して飛んでいればいいだけなんですよ。故障警報があったら、指定の場所に着陸させて、修理して、また飛び立つ。
 たぶん地球全域をカバーするために、10億機もいらないと思います。そして、「コストが安いものを10億機飛ばす」というのは、日本くらいの経済規模がある国だったら、簡単に出来ちゃうものなんです。

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