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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「『もののけ姫』、アシタカが村を追放された本当の理由とは?」

2018/11/16 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/11/16

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2018/10/21配信「新しい見方が発見できる!『もののけ姫』を見る前に、知っておくべき大切なこと」の内容をご紹介します。
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2018/10/21の内容一覧


アシタカが村を追放された本当の理由

 呪いをかけられたアシタカは、村を出るしかなくなります。
 というわけで、アシタカは自分の髷を切り落とします。
(パネルを見せる)
 アシタカの村の男達はみんな頭に髷を結ってるんですけども、これを切ります。……もう「みんな何度も何度も『もののけ姫』を見てるでしょ?」という感じで喋ってるんだけど、大丈夫かな?(笑)
 はい、髷を切るシーンなんですけど、すごく小さい刀を使っています。
 たぶん、この小さい刀が、この国に唯一ある「鉄」なんですよね。

 おそらく、彼らは石器文化と青銅文化のちょうど間くらいの文明水準なんです。
 アシタカが、後に旅に持っていく大きい刀みたいに見える武器や、女の子たちがタタリ神と戦おうとした時に抜いた大きい刀は、すべて青銅製の「山刀」といわれるものです。山刀というのは、山の中を歩く時に、邪魔な蔦を払うための杖と刀の間みたいなものです。
 彼らには、そういった青銅文化しかなく、鉄というのは、ごく小さいものしか持ってないはずなんです。
 なぜかというと、村人のみんなが刀くらいのサイズの鉄器を持てるほど膨大な鉄を製錬しようとすると、あの土地の近くに森なんか残っているはずがないからです。鉄というのは「5トンの鉄を作るのに山1つなくなる」と言われるくらい、木を切らないと作れないものなんですよ。
 なので、彼らが住んでいる場所からすると、鉄というのは、砂鉄を低い温度でなんとか溶かして、形にして、研ぎ出した、こんな小刀しかないのでしょう。
 そういう文明だと思ってください。

 アシタカは、そんな鉄の小刀で髷を落とします。
 この「髷を落とす」ということは、「一族でなくなる」=「二度と帰れない」という意味なんですね。

 そして、なぜ、彼がそうしなければならないのかを、ヒイ様が説明します。ここでは、ヒイ様の表情込みで見てください。
(パネルを見せる)
 ヒイ様は「西の国で何か不吉なことが起こっている。その地に赴き、曇りのない眼で物事を見定めるなら、あるいはその呪いを断つ道が見つかるかもしれぬ」と言います。
 この言葉を聞いたことで、アシタカは西に行こうと決意します。同時に、僕ら観客も、なんとなくそれで納得させられるというか、騙されてしまうんですね。

 そもそも、なぜ、アシタカは村を去らなければいけないのか?
 なんでヒイ様は西に行かせようとしているのか?
 いや「呪いを解く方法が見つかるかもしれぬ」って言ってるんですけど、それって何の根拠があって言ってんのよ? そんなふうに思うんですけど。
 これね、この映画の最初の大事なポイントなんです。

 アシタカは呪いを受けて、右腕にアザが出来た。この毒が行く行くは骨にまで達して、彼は死んでしまう。この死から逃れるために、西に旅をする。
 これが『もののけ姫』のストーリー展開だというふうに、今の今まで、僕らは思わされているんですけど。
 だけど、それだけなら、そもそも追放する必要なんてないんですよ。
 だって「タタリ神が死んだ場所には塚を築いてちゃんとお祀りします」って言ってますから。

 いやいや、そんなことはない。あの怪物は死ぬ時に「死んだ後も呪ってやる!」と言ったじゃないか、と思うかもしれませんけど。
 ところが、この映画の中には、犬の神様とか、イノシシの神様とか、いろんな神様が出てくるんですけども、死んだ後で祟った神様は誰1人としていないんですよ。
 この映画の中に出てくる神様というのは、たしかにすごい巨大な力を持っていて、身体も大きいんですけど、それだけなんですね。テレパシーみたいな超常現象みたいなものは一切使えない。
 まあ、唯一、シシ神だけが、ちょっと不思議な力を持ってるんですけど。他の神々は、そんなものを持っている描写がないんですよね。
 もちろん「死んだ神々が、死後も続く呪いを残す」なんて描写も1つもありません。乙事主もモロも、この映画の中で死にますけど、死んだらそれっきりです。
 つまり、死後の呪いなんていうものは、この物語の世界にはないんです。

 じゃあ、なぜアシタカは追放されたのか?
 それはもう「ヒイ様が追放したいから」なんですよ。
 なぜ、アシタカに呪いに関する話をする時のヒイ様が、ポーカーフェイスで語っているのかというと「演技しているから」なんです。村人もアシタカも気がついてないんですけど、ヒイ様の心の中にだけ、ちゃんと理由があるんです。
 それは何かというと、アシタカの呪いの正体というのは「死ぬこと」ではなく、「アシタカ自身がタタリ神になること」なんですよ。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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