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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「劇場版『まどか☆マギカ』とスリランカの悪魔祓い」

2018/10/30 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/10/30

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2013/11/04配信「『劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語』を金払って観たから言いたいこと言うよ!」の内容をご紹介します。
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2013/11/04の内容一覧


悪魔祓いとアニメファンの代表としてのほむら

 『まどか☆マギカ』の前半で面白かったのは「ほむらちゃんひとりになっちゃダメだよ」っていう台詞を、まどかが言うんだよ。
 これすごいのは『スリランカの悪魔祓い』っていう本、読んだことある人いるかな。

 上田紀行っていう人が、たぶん1980年代ぐらいに書いた、ちょっと分厚い本なんだけども、スリランカに文化人類学者として5年ぐらい住んでたのかな。
 そこで現地で悪魔祓いの儀式っていうのを見るんだ。スリランカにはまだ悪魔がいるんだよ。悪魔祓いをすると。悪魔っていうのは何かっていうと、じつは引きこもりのことなんだよ、スリランカでは。
 スリランカで他の人と話さなくなって、もう本当に貧しい村なんだよ。僕らが考える典型的な、遅れた文化的な後進国の、本当に部族の、貧しい家が建ってるだけなんだけど、そんな状態でも、引きこもりって発生するんだよ。
 だからその家の長男とかもしくは子供の死んだ奥さんとかが、いきなり家族と話さなくなって、部屋に籠って、落ちてるもの拾って食べて、最低限の食事しか摂らなくなって、一週間、一ヶ月、二ヶ月、半年っていうふうに、外に一歩も出なくなって、コミュニケーション拒否する。
 そういうのって僕ら、ついつい引きこもりって豊かな社会だからって思ちゃうじゃん。ついつい先進国だからそんなこと起こるんだって言うんだけども、スリランカの悪魔祓いがちゃんと証明した事例では、後進国であっても、精神的に遅れてても、物質的に豊かでなくても、人間ていうのは追いつめられるし、そこに悪魔が発生すると。
 その悪魔っていうのは魔法を使うんじゃなくて、周囲との関係を拒否するものが悪魔なんだよ。スリランカの悪魔祓いの儀式ってさ、三日三晩踊るんだ。本当にすごかった。
 僕、読んだ時に思ったんだけども、日本のカウンセラーとかが引きこもりの人とかそういうふうな人たちに、話してなんとかしようとしてるじゃん。話してなんとかするっていう方法は基本的に正しいんだけども、分量が圧倒的に足りないんだよ。スリランカの悪魔祓いの儀式っていうのは、その「天照(アマテラス)」って書いてあるんだけど、本当にあれなんだ。
 本当にそれで、その人の家の周りで三日間踊るんだよ。三日踊らないとダメなんだよ、人間ていうのは。
 三日踊って、無理矢理部屋から引き出して、そいつに語りかけるんだけど、語りかけるのも、その村の村民だよね。その村の人間が全員語りかけて歌って踊ってだよ、全員が。歌って踊ってっていうのを不眠不休で三日三晩やらないと、引きこもりはなおらないんだよ(笑)。
 すげーだろ(笑)
 これがスリランカの悪魔払いの儀式であって、ここまでいったら、それは悪魔祓いじゃなくてカウンセリングに見えるんだけども、でもスリランカの人たちに言わせれば、周りの人間を拒否するようになって、喋らなくなったら、それはその人が精神障害とか引きこもりとかそういうその人が悪いんじゃなくて、悪魔が憑いてるんだっていうふうに考えるんだ。
 ここにね、なんかすごい赦しがあるんだよ。
 つまり、そんなことになっちゃったのは、僕らはついついなんか失敗したら、自分の努力が足りなかったからだと考えちゃうじゃん。宗教というのを否定するんだけど、宗教の強さとっていうのは、自分がダメな時に自分のせいじゃなくて、悪魔っていう外部的な要素にいったんすると。
 いわゆる壁打ちみたいなものなんだけどね、テニスの。壁打ちみたいなもので、1回外側に自分の外側に原因をすることによって、あとで自分の心が弱いから悪魔が入ってきたんだっていうフォローも出来るんだ。
 それを1回しないと、ほとんどの人間は自分の弱いところとかダメなところとか引きこもりになっちゃった部分というのを、自己解決することなんか不可能だ。近代の日本とか合理社会、西洋社会を含めての合理社会というのは、その宗教がもっている法則性ってか、真実みたいなものを忘れて解決しようとするから、カウンセリングみたいなことになっちゃうと。
 でも本当に必要なのは、もう地域の住民全員がかりで三日三晩踊るっていうぐらい大変なことだから、逆に言うと引きこもりのサインというか、悪魔が付いてるサイン見つけたら皆が積極的に、猟りに誘ったりしてアウトドアに連れて行くんだって。とりあえず悪魔が憑いたら、えらいことになるのがわかってるからっていう。
 ナイトメアのあの儀式のことでしょっていうことで、わかった人がいる通り。
 劇場版『まどか☆マギカ』が面白かったのが、冒頭のナイトメアとは何か、それが悪魔化したらどのようにして収めるのかっていうのが、スリランカの悪魔祓い的なカウンセリング的な技法なんだよな。そこらへんが面白かった。
 で、あとね、ファンと作品の物語だなとも思ったな。これ上級編だから、どんどん飛ばして言うんだけどさ。だからその、ほむらがまどかにもう1度会いたいとかいう思いでもって、悪魔になって魔女を作るっていう構造っていうのは何かというと、僕ら『まどか☆マギカ』のファンの人たちがもう1回まどかを見たいという思いとまったく同じなんだよね。
 だから、ほむらっていうのは、ただ単にファンの代表でしかないと。もう1回会いたいとかいつまでも『まどか☆マギカ』の世界に居たいというのは、ファンの愛故なんだよ。
 だから僕らは、前半の典型的なよく出来た魔法少女ものを見たらムズムズするのは、わかりました、私が悪うございました、そんなことを望んだこともありましたと。それでこんな劇場版作ってるんですね。っていうなんか反省みたいなものが、ちょっと出てきたっていうのがあるのですけども。

 あとね、皆忘れるのが、まどかのこと忘れるのが許せないっていうのも、やっぱファン的な心理なんだよな。
 あのね、僕見ててすごい切ないなと思ったのが、ほむらの生き方が、悪魔になるとか神としてのまどかと対峙するっていったら、ちょっとわかりやすい話なんだけども、それを僕らがわかるところに落としていったらどうなるのかっていうと、アンチになるっていうのと同じなんだよね。

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