岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/11/02
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2018/10/07配信「ガイナックスの処女作&岡田の初プロデュース作品『王立宇宙軍 オネアミスの翼』を「異世界間構築」の視点で語る!」の内容をご紹介します。
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2018/10/07の内容一覧
- 『水曜日のダウンタウン』の魅力
- 全クリエイター必見! 異世界の作り方教えます
- 異世界文字をどう作るか
- 「時間の厚み」を足す
- 映画の作り手は、なぜテーマを話さないのか
- 異世界のリアリティは複数のデザインラインが混在するところから生まれる
- 電柱と電線のパターン
- 戦闘機シーンでの失敗
- 電車のシーンの演出ミス
- ロケット上昇シーンの後悔
- 『王立宇宙軍』とは何だったのか?
- 庵野秀明の自分語り
『水曜日のダウンタウン』の魅力
『水曜日のダウンタウン』という番組があるんですけど、その番組のDVDの中に「クロちゃんスペシャル」という巻があったんです。
そのDVDの特典としてフィギュアがついていたので、フィギュア欲しさに買っちゃったんですけど。なかなか良い出来のフィギュアだと思います。首の後ろの「背中の毛」という気持ちの悪い部分も再現していて、良いんじゃないでしょうか。
この『水曜日のダウンタウン』の話を、今日は少しだけしたいと思います。
この番組については以前にも「悪意のある演出が面白い」と話したことがあるんですけど。
まあ、回によっては当たり外れがあるんですよ。何ヶ月か前に、コロコロチキチキペッパーズのナダルを使った企画の中でトラブルがあってからというもの、最近はめっきり大人しくなっていたこの番組なんですけど。
でも、先週に放送されたスペシャルはすごかったんですよね。
スペシャルの目玉は、安田大サーカスのクロちゃんを使った企画なんですよ。このクロちゃんというのは、いつもドッキリに引っかかる男なんですけど。
まず、彼の自宅に、マネージャー同意の上で隠しカメラをいっぱい仕掛けるんですよ。……もう『デス・ノート』みたいな話ですよね(笑)。そして、「ベッドの下に人が住んでても意外と気が付かない説」というのを検証しようとしたんです。
つまり、「クロちゃんが寝ているベッドの下に、小柄な芸人を寝かせて、何日間気が付かないか?」というのをやったんですね。
このドッキリそのものも良いんですけど、やっぱり面白いのは、ドッキリに気がついた時のクロちゃんの表情がなんですよね。
(パネルを見せる。クロちゃんの顔)
こういう感じの顔なんですけど。なんでしょうね、普通のドッキリに掛かった時じゃなくて、ネタバラシの後にスタッフから問い詰められた時のこういう顔が良いんですよね。
例えば、「ダイエット中だからカロリーの高い食べ物は食べていない」という嘘ツイートをした後で、実は食べていたのがバレて、「誰が嘘だとバラしたんだ?」となった時に、信頼していた菊池という後輩がバラしたことがわかって「菊池もそっち側なんだ」っていう、この顔。顎を上げて見下すような顔をするんですよね。
実はこの人、パニックになったら「人を見下すような顔」をするという癖があるんですよ。そんな、メチャクチャ悪い顔をするんですけど。そこがまあ、面白いんですよね。
こういった、リアクションとか嘘ツイートを咎められた時の顔が最高で、僕はついつい見ちゃうんですけど。
しかし、この番組の本領というのは、こういたドッキリ本編というよりも、番組自体が持っている「メタフィクション的な構造」なんですよ。
「ドッキリ番組かと思ったら、そのドッキリのお約束を崩して遊ぶ」みたいな部分なんです。
(中略)
先週のスペシャルで行われたのは「ベッドの下に人が住んでても意外と気づかない説の検証」という企画なんですけど。
これのネタバラシが終わったら、クロちゃんはそのまま目隠しをされて、次の企画の撮影現場にそのまま連れて行かれることになるんです。なので、スタジオに居るゲストのコメンテーターたちも「え? これで終わりじゃないの?」って驚くんですけども。
そこから連続で始まったのが、今、ネットでも評判の恋愛リアリティショー風のドッキリ企画の「モンスターハウス」というものなんです。
『あいのり』とか『テラスハウス』とか『バチェラー・ジャパン』とか、あるじゃないですか。
ああいう「男女が集まって、そこで自然な恋愛が生まれるようにスタッフが仕向け、それを隠しカメラでドキュメンタリー風に撮影する」という番組を「恋愛リアリティショー」と言うんですけども。
そんな中にクロちゃんというモンスターが来てるから「モンスターハウス」という企画名になっているんだろうと、誰もがわかるわけですね。
実際は、こんな感じです。
(パネルを見せる。モンスターハウスのキャプチャ画像)
「目隠しされたクロちゃんが連れて来られて、集まっていたキラキラ系の男女5人がビックリしている」と。
しかし、クロちゃんはあっという間に打ち解けて、次の日はさっそくバーベキューなんかをしています。で、ハウスにはジャグジーがあるので、女の子は水着に着替えていて……という状況を、スタジオにいるゲストが大笑いしながら見ている、というようなやつなんですけど。
ここでクロちゃんは、完全な「恋愛モンスター」ぶりを発揮するんですよ。
例えば「みんなの自己紹介では、女の子の話しか聞かない」。これ、すごかったですよ。女の子が話をしている時には食い気味に聞くんだけど、男の自己紹介にはまるで興味を示さず、男が喋り始めた瞬間にいきなりスパゲッティを食い始めるんです。
そして、女の子に対しては「今、彼氏がいるかどうか?」だけを必死で聞こうとする。
その上、バーベキューで1番若い子と2番目に若い子を、それぞれテントに誘って、それぞれに「君が一番好きだよ」というふうにマジで口説いて、告白して手を握るという(笑)。
ここまで見てると「クロちゃんというモンスターが恋愛リアリティショーに乱入したことで、普通のキラキラ女子たちが振り回されるから、「モンスターハウス」なんだな」って見えるんですけども。
いやいや、まさか『水曜日のダウンタウン』という番組は、そんなヌルいことをしないんですよ。
モンスターハウスと言ってるからには、そんな普通の企画であるはずがないんです。
では、僕が思う、モンスターハウスの正体は何かというと、構造としては3つあります。
まず、企画の「オチ」として「実は、クロちゃん以外の5人全員がモンスターだった」というのがあります。
他の参加者は全員仕掛け人で、彼らが総掛かりでクロちゃんを騙して「これは本当の恋愛バラエティだ」と思わせる。
実は、クロちゃん側には、最初からこの企画が「モンスターハウスというタイトルだ」ということが知らされているんです。なので、クロちゃんにも「ここでの自分の役割はモンスターだ」と、その瞬間、わかっているはずなんですね。
だからこそ、彼は「必要以上にクズな男」を演じ始めたわけです。
そして、真のモンスターである他の参加者は、それを計算の上で「そういうクロちゃんでも、実は案外、純真なところがあって素敵だよね」と、巧みに持ち上げて、クロちゃんを番組内で本気にさせようとしているんですよ。それが、他の5人参加者の役割なんです。
つまり、第1の悪意は「実は、他の5人こそがエゲツないモンスターだった」なんです。
だけど、この第1の悪意の裏には「第2の悪意」というのがあるんです。
これが何かというと「すべての恋愛バラエティに共通する嘘くささを暴く」というもの。この企画は、そんな裏の企画意図が見え隠れしていてエゲツないんですね。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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