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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「月に行くために、1人当たり100億円もかからない!」

2018/10/10 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/10/10

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2018/09/23配信「【錯覚の心理学】ZOZOTOWNの社長が買い占めた宇宙旅行代金はもっと安い?ガイナックスはトップ3を作らない?」の内容をご紹介します。
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2018/09/23の内容一覧

「搭乗料金は1人100億円」も掛からない

 「ZOZOTOWN社長の月旅行」のその3。「ロケットの搭乗料金は1人100億円も掛からない」という話です。
 本当だったら、ここまでで45分だから、そろそろ無料放送は終了で、限定放送の方に行かないといけないんですけど。ちょっとこの3番目の話だけでも話しておきましょうか。

 このロケットの登場料金は「1人100億円」って言われているんですけど、この根拠は何かというと。
 国際宇宙ステーションに宇宙飛行士が行く場合、最近ではロシアの「ソユーズ」に乗ることになるんです。
 昔はスペースシャトルがあったんですけど、もうシャトルはなくなっちゃったんですよ。だから、今ではNASAの宇宙飛行士も全部、ロシアからソユーズの搭乗券を買っているんです。
 で、その搭乗券が、1席あたり84~92億円と言われているんですけど、これが「1人100億円」の根拠になっているんですね。「ここから推測すると、宇宙ステーションまでも84億円なんだから、最低でも1人100億円くらいだろう」と、いろんな人が予測しています。

 では、実際はどうかというと、まず、ソユーズの搭乗料金自体が、年々上がっているんですよね。
 2010年は70億円だったんですけど、一昨年には102億円になり、今年はまた上がっているはずです。もともとは70億円だったものが、今は100億円以上に上がっているんです。
 でも、実はこの料金って「訓練費用」込みなんですよね。
 ロシアが宣伝している値段はもっと安いんですよ。「1人40~50億円くらいです」って言ってるんですけども。でも、実際に申し込むと、その40~50億円と同額の訓練費とかいろんな費用が掛かると言われています。
 いわゆる、成田の空港使用料のように、バイコヌールの発射台使用料みたいなものがどんどん上乗せされた結果、結局は1人100億円くらいになると言われているんですね。

 じゃあ、人工衛星1基を打ち上げる費用はどうかというと。これに関しては、ロシア以外にも選択肢があって、その価格でも競争が起こっています。

 まず、ヨーロッパの「アリアンⅤ」というやつが200億円。これは高いです。ただし、安定性がすごく良い。そんな信頼と安心のアリアンは、世界中のシェアの4割くらいを占めています。
 次が、ロシアの「プロトンM」。これは、アリアンよりも信頼性がやや低いんですけど、その代り、半額の100億円で打ち上げられます。
 ただ、人工衛星の開発って、1基で何百億もする場合があるから、「あ、200億のアリアンより、100億のプロトンのほうが安いや!」と思ってプロトンに乗せた結果、500億もする人工衛星がパーになるということもあるんですよ。
 なので、みんな「信頼性の高いアリアンに乗せるか、それとも、信頼性はやや劣るものの半額のプロトンに乗せるか?」と悩むわけですね。
 このプロトンも、世界シェアを4割5分くらい持っています。アリアンとプロトンだけで全体のシェアの9割くらいを取ってるんじゃないのかな?
 で、日本のH2Aロケットが、残りわずかのシェアを押さえています。まあ、年間、1本か2本くらいの打ち上げしかないんですけど。
 ロシアのプロトンの打ち上げ費用は100億なんですけど、日本のH2Aロケットもだいたい同じ100億円です。

 それに対して、すでに実績もあるスペースX社のロケット打ち上げ費用は、なんと70億円なんです。
 信頼性はロシアと同じようなものかな? 最近では安定してきたんですけど。でも、それに対して値段は3割引きという大安売りなんですね。
 おまけに、ロシアのプロトンの打ち上げ費用は、年々、上がってきている。なので、日本のH2Aロケットは狙い目だったんですよね。

 ちなみに、ホリエモンが作っているロケットというのは、もっと安くしようとしています。
 おそらく、打ち上げコストを5億円くらいの、もっと小さくて軽い、本当に、100g、200g、300gくらいの小さい衛星を請け負って打ち上げるということをやろうとしているんだと思います。

 まとめると、「スペースX社というのは、打ち上げ費用をとにかく安くしようとしている」ということですね。

 初めて日本人が宇宙に行ったのは1990年。当時TBS社員だった秋山さんという人が行きましたよね。
 あの時、当時のソ連から要求された金額は20億円でした。まあ、結局は「訓練をする」とかなんとかいって、倍の40億円取られたそうなんですけど。
 ところが、1990年の段階では40億円で済んだのが、2010年になると70億円。今は100億円というふうに、基本的にソ連・ロシアの宇宙飛行費用というのは、「あそこしかやってないから」という理由で、どんどん上がってきちゃうんですね。

 ここから先は僕の予想になるんですけど、こういった数字を見る限り、訓練費などを除いて、人間1人を宇宙まで打ち上げる正味の原価は20億円くらい。
 そこから訓練をしたり、健康などの理由でハネられたりするリスクもある。おまけに、ロシアのバイコヌールの維持費とか、ロケットの開発費とかも全部乗っけちゃうから、最終的に、人間1人が宇宙ステーションまで行くのが、100億円というバカ高い事になっているんだと思います。

 スペースXというのは、さっきの人工衛星の打ち上げと同じく、きっと「ロシアの半額」を狙ってくるはずです。
 なので、もしスペースXが国際宇宙ステーションまで行くツアーを企画したら、おそらく25億円から、多くても30億円くらいで募集をかけると思います。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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