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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「【ゼミ室通信】ハモンの優秀さと冷たさ 〜『機動戦士ガンダム』より」

2018/09/27 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/09/27

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今日はDMMオンラインサロン【岡田斗司夫ゼミ室通信】から、9/15公開 特別講義をお届けします。

ガンダムを最大のピンチに追い込んだハモンの戦術

状況をもう一度まとめると

ホワイドベースがエンジン不調で故障中。

   ↓
故障中のホワイトベースに、ホバークラフトが爆薬を積んで迫ってくる。
   ↓
あ!これはやばい。撃ったら大爆発。ぶつかっても大爆発。と気づく。
   ↓
ガンダムがホバークラフトをガーンと押し返してとめる。
   ↓
押し続けるしかないから、ガンダムは動けない。
   ↓
その隙に、マゼラトップたちが離れて飛んでいく。
   ↓
攻撃していたザクが下りてきて、ガンダムの後ろから攻撃する。

   ↓
マゼラトップが、上から大砲で撃つ。

ほんとうに殲滅作戦です。
たぶん『機動戦士ガンダム』のなかで、ガンダムが一番ピンチだったのが、この時だと思います。
ほんとぉーに、ここまで戦術的に、つまりどのように攻撃するのか、布陣を固められてやられたことは、これが最初で最後です。

それに対してガンダムはザクを持ちあげて盾にして、そのままマゼラトップにぶつけて落とす、というちょっと超人的なプレイを見せます。ガンダムのスーパーロボットらしさ、他のロボットに比べてパワーが格段に強いのを見せつけた形になります。

二機同時にやられたので、さすがのハモンさんも青ざめます。

青ざめるんですけど、やっぱりちょっと笑ってるんですよ。

ガンダム、二人のパイロットを同時に討ち取るとは!
さすが、私が見込んだ坊やだけのことはある。しかし……
と、一瞬で次の手に移すことをを考えます。
アムロを自分の手で殺すことに迷いがないんです。

ハモンさん、最初はホワイトベースを落とすことだけ考えていて、「あの子が私のじゃまをしませんように」と言ってたんですけども、まさか彼を自分自身の手で倒すとは考えてなかったんですね。
だから、思わず運命の皮肉にほほえんでる、という感じなんでしょうかね。

ただ、おもしろいのは、イセリナとの対比です。
イセリナが「ガルマ様のかたき!」と敵を討とうとして、一緒につきあってくれたガルマの部下ダロタ中尉が死んだ時、イセリナは「ダロタ中尉!」と叫ぶんですよ。

それに対してハモンさんは、部下の中でも一番のタチが死んだときにも、
「二人のパイロットを同時に討ち果たすとは!」
と言ってるだけで、名前も呼ばないんです。
最初にこれから一緒にホワイトベースを攻撃すると演説したときは、みんなに感謝すると言って、一人一人握手してたのに。

ハモンにとっての部下は、ランバ・ラルにとっての部下とは違うんです。
ランバ・ラルにとっての部下は、家族であって、彼らのために何かしてやろう、尽くしてやろうとする相手です。

一方、ハモンは、ランバ・ラルより部下の掌握はうまいし、操るのもうまいんですけど、しょせん部下は部下に過ぎない。
だからタチが自分の命令で死んでいったときも、パイロット一人やられたとしか思わない。

一緒に戦ってくれたダロタ中尉が死んだときのイセリナの取り乱し方が、ハモンの中には全くないんです。

機動戦士ガンダム第21話『激闘は憎しみ深く』より。

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