岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/09/21
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2018/08/19配信「友人不要論は正しいのか?!橘玲の『幸福の「資本」論』をもとに解説!」の内容をご紹介します。
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2018/08/19の内容一覧
- 本日のお品書き
- 正論だけど違和感を感じる「友達不要論」とは何か?
- 下重暁子の『極上の孤独』
- 友達は何のために不要なのか
- 『幸福の「資本」論』に書かれた8つの人生パターン
- 人間関係の主観と客観
- まとめ:幸福な人生の最適戦略
- オタクのためのサンフランシスコ旅行ガイド「アルカトラズ刑務所」
- オタクのためのサンフランシスコ旅行ガイド「シリコンバレーIT企業」
- オタクのためのサンフランシスコ旅行ガイド「ウィンチェスター・ミステリー・ハウス」
- オタクのためのサンフランシスコ旅行ガイド「ウォルト・ディズニー・ファミリーミュージアム」
- 質問:「一番怖い話は?」
- 質問:「美術館がジリ貧です」
- 質問:「おすすめのオーディオコンテンツは?」
- 質問:「ひと月5万円の価値を与えるには?」
- 質問:「男性が主導権を握るには?」
- 質問:「なぜディズニーは日本で成功したのか?」
人間関係の主観と客観
橘玲さんの『幸福の「資本」論』の最後には、幸福になるレシピというのがあるんですけど。そこで、「幸福な人生のために最適なポートフォリオ」というのが紹介されています。
この「最適ポートフォリオ」というのは、もう本当に金融経済の考え方なんですけど。
何が書いてあるかと言うと「必要最低限の愛情空間だけ残して、あとは貨幣空間だけで人間関係を作ろう」ということなんですよ。「政治的にシンドい友情空間というのを縮小して、出来るだけ貨幣空間に置き換えようよ」というのが、橘先生が考えている幸福を最大化するためのポートフォリオなんです。
例えば、さっきの8つのパターンの中に「プア充」というのが出てきます。このプア充というは「地方のマイルドヤンキー」のことなんですね。
彼らは、お金がないけど、わりと楽しそうに豊かに生活しています。
なぜかというと、お肉が欲しければ、友達と一緒に安いコストコでドカ買いしてシェアする。コストコに行く車も、誰かのを借りる。ディズニーランドに行くときも、海水浴に行く時も、誰かの車。だから、友達が大事なんですよ。
仕事も紹介し合う。友達の内の誰かが、楽しいネイリストの仕事かなにかを見つけたら「これ、儲かるよ!」と言って友達に教える。こういう関係なんです。
このプア充というのをやる限り、実は、金融資産もいらないし、自分一人で稼ぐ能力である人的資産というのも、あまりいらない。
ところが、このプア充の生活、つまり、地方のマイルドヤンキーとして生きる限り、「一旦、友達から仲間外れになったら、一気に手持ちの札がゼロになってしまう」ということなんですね。
「友達しかいないけど、友達といろんなものをシェアすることで、豊かに遊んでいける」というのは、「その友達から仲間外れになった瞬間に、一気に最下層である「貧困」に、ドンと落ちてしまう」ということなんです。
なので、地方のマイルドヤンキーは、友達をすごく大切にするし、繋がりを大事にするし、友達を絶対に裏切らない。子供を小学校や中学校にやるときも、できるだけ同じ学校に行かせるようにする。
つまり、「繋がりのある人との政治的な圧力の中で生きていくしかない」というわけですね。でも、一応、楽しいように見える。これがプア充という生き方です。
(中略)
こういうふうに、プア充というのは、友達から仲間外れになったら、一気に手持ち札がゼロになります。
だから、こういう人にとっては、絶対に友達は必要なんです。
林先生もタモリさんも、こういう人を想定してないんですね。たぶん、こういう人が視界にあんまり入って来てないから。なので「友達なんていらない」とか「できれば選んだ方がいい」と言っちゃうんです。
こういった、「現代日本では、この6種類の生き方に分かれている」という現実が、あまり見えていないので、友達不要というのをポンと言っちゃえるわけです。
そして、こういう事情は、稼ぎがよくて友達も多い「リア充」にも当てはまります。
彼らは「自分と同じだけ稼いでいる友達」というのが必要になってくるんですよ。
この本の中にも「自分に稼ぐ能力があって、友達が多い人というのは、段々と「同じだけ稼いでる人」としか友達になれなくなってくる」と描いてあります。
だから、ホリエモンは、友達に関して「自分と同じステータスに立てない友達は切った。だから、昔、付き合ってた人とは、今はもう付き合いはないよ」って言ってるんですよ。
これは、リア充の世界観なんですね。
リア充というような、FacebookとかのSNSで自分の生活とかを自慢する人というのは、昔の小学校の頃からの友達だったとしても、そういうステータスに付いてこれない人を切る傾向にあります。
似たような事例に、「中学校に上がった途端、見た目が良かったもんだから、同じような見た目のいいグループに入ってしまい、小学校の頃は仲の良かったブサイクな女の子を友達から切る」というのが、女子の世界では当たり前にあるんですけど。これも、そういう人がリア充の世界に生きているからなんですね。
リア充の世界で生きていくということは、どうやっても自分の負担になる、ステータスが合わない人達というのを、切りがちになっていくというのは当たり前なんです。
ところが、友達というのは「政治空間」にある関係なので、簡単に切ったり辞めたりというのが、なかなかやりにくい、強いしがらみというのが存在するんです。
家族については、関わり合いが強い関係なので、強いしがらみがあるのも仕方がないんですけど。でも、友達というのは、実は強い関係じゃあないんですよ。さっきも話した通り「LINEで適当にやり取りしているだけで、実際に合うのは月に1回とか、半年に1回とか、年に1回」でもいい関係なんです。
こういう弱い関係なのにも関わらず、こと友達に関しては、しがらみが強くなってしまう。つまり「コスパが悪い」ということになってしまうんですね。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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