岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/08/25
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2014/10/26配信「Gレコというか富野由悠季の読み方とニューヨーク土産話」の内容をご紹介します。
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2014/10/26の内容一覧
- アメリカのユニクロ
- 『Gのレコンギスタ』問題と「富野さんの味」
- 質疑/「実用書読んだほうが読むのが楽しいマンガ」を読もう
- 質疑/作者の才能の搾り方が特殊なマンガという娯楽
- 質疑/自炊代行問題を損得で考える
- 『インベスターZ』の「官僚とビジネスマンの戦い」/野球が好きになるような描き方をしていない『グラゼニ』
- ブルー・ダック・タバーンの「シンプルな素材力」がすごいアメリカ料理
- カッツ・デリカテッセンのパストラミサンドとオースチン・グリルのテックス・メックス料理
- ニューヨークのお土産プレゼント
- アメリカのおもちゃ事情と「ポーチ一つでニューヨーク旅行」
- 『ウォーリー』が『ナウシカ』と似ているところ、すぐれているところ
- 『ナウシカ』のイメージの豊かさ、『ウォーリー』の技術のすごさ
- 鳥人間とセックスしてウンチを漏らす江川達也『ラストマン』
- 次回告知
質疑/「実用書読んだほうが読むのが楽しいマンガ」を読もう
「年齢を重ねるごとにマンガを読むのがしんどいです。これは老化ですか。最近は実用書ばかり読んでいます」
37歳って。僕より20歳も下なんだけどもさ(笑)。
年齢を重ねるごとにマンガを読むのがつらいです、って。それはね、何だろうね、そんなマンガ読んでるからだよ(笑)。
僕みたいに年齢が上がったら、自分の主戦場を『サンデー』『ジャンプ』から、『コミックモーニング』とか『コミックアフタヌーン』に移したら、そんなにつらくないと思うんだけども。
あと年齢重ねるごとにマンガ読むのがしんどいっていうのは、でも、実用書は読むっていうことだから、読むことは出来るんだよね。どちらかっていうと、マンガより実用書のほう読むのがしんどい年齢というのがあるじゃん。若い頃はそうなんだけど。
僕も同じでさ。若い頃はSF小説という小説ばっかり、読んでたんだよね。
ところが、いつぐらいかな、たぶんガイナックスやめて、家でうだうだしてたあたりから、ノンフィクションがやたら面白くなったんだよね。
で、朝日新聞社が出してる、世界の歴史っていうね、グラフ誌。これぐらいのサイズで、もうペラペラの、写真がいっぱい入っている、世界の歴史の分冊みたいなの、見たことない? 全100冊とかさ、全200冊ぐらいの、30ページ程度の、うっすーいブックレットみたいなやつで。古本屋さん、行ったらあるよね。
いわゆる、デアゴスティーニみたいなもので、毎週、毎週、1冊出てくるやつ。
あれがさ、すっごく面白かったんだ。
今、僕が喋っている、人様に対してなんか教えるモードとか話すモードの時に、世界史的なことを言ったり、歴史的なことを言ってるのは全部、僕あそこから仕入れた話だからね。
朝日新聞のぺらぺらの1冊300円ぐらいの本の、全100冊か200冊をこれは面白いわと思って読んで。
で、一番最初に買ったのが、「娯楽と贅沢」だったかな。
そういうすげぇタイトルがあってうぉーっと、僕はその時、大衆の時代とか市民の社会の成立とか、宇宙開発の歴史とか面白いのがあって、そのあいだを読むようにやってみたら、ローマ時代ってこんな面白いんだとか、あと、あぁなんかルネッサンスってそういうふうな意味だったんだ、かっこいいとか。
僕らはほら、ロマンチックって言葉を使うじゃん。
ロマンチックっていうのは本来ローマ的なという意味で、ローマ的というのは何かというと中世がどんなに駄目だったかという話なんだよね。
中世っていうののは本当に駄目で、ローマ時代の遺跡の、石組みのローマ水路とかがあるんだけども、あれを中世のヨーロッパ人は誰ひとり作れないんだよね。
もう科学が滅亡して、蛮族に戻っちゃってるから。
蛮族に戻っているヨーロッパ人たちが、あぁなんかかつての俺たちはすごかった、栄光があったのに、でも、今キリストさまがあるからいいんだって言って、キリスト教にすがった時代に、昔のローマ時代に戻れっていうルネッサンス運動が起きて、そうなると文学とかでロマンチックなといった、まるでローマ人のように情緒豊かなって(笑)。
なんか、お前ら、そこまで過去にしがみついてるの。
この大前提がないとさ、ヨーロッパの人たちが持っている、新大陸アメリカに対するコンプレックスと軽蔑っていうのの両面が理解できないじゃん。
僕なんかそれ、「常識じゃないの」というふうにコメントしている人がいるんだけど、僕、そういう常識的なことって35ぐらいまで知らなかったんだよ。
35ぐらいまで知らずに、アニメ、ばーっとアニメ作ってて、SF読んでりゃいいやとか楽しいもんばっかり見てりゃいいやと思ったんだけども。30過ぎたぐらいから、楽しい物ばっかり見てると、カロリーは大きいんだけど栄養価は低い食物ってあるじゃん(笑)。
あのハンバーガーとかフライドポテト。あそこらへんがきつくなってきて。
いや、いや、カロリー、つまり面白さはそれほどなくてもいいから、栄養価、つまり教養のあるもののほうがちょっと楽しいんじゃない、面白いんじゃないというふうに、こう、バランスがガタッと変わってね。
そのあたりから、そういう300円の本、それも古本屋だから、50円ぐらいで売ってるんだよね。それをこう買って読むようになったというのがありましてですね。
「年齢を重ねるごとにマンガを読むのがしんどいです。これは老化ですか」というのに関しては、いやもう興味のジャンルが変わっちゃって、実用書を読むようになったんだったら、次は実用書読んだほうが、読み込むのが楽しいマンガっていうのを見たほうがいいよ。
あのね、同じマンガでも、それは作者が描いてることを僕たちは読んでないんだよ。そういう意味ではね。
作者が描いたことを受け取る僕らによって、そのマンガの見え方ってまるまる違うからさ。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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