岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/04/13

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2018/03/18配信「『ルパン三世 カリオストロの城』最後の解説(後編)」の内容をご紹介します。
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2018/03/18の内容一覧

なぜルパンはクラリスを連れて行かなかったのか?

 「なぜ、ルパンはクラリスを連れて行かなかったのか?」というのを、一応、実際の絵で再確認してみましょう。
 もう本当に、歴史に残る名シーンであって、みなさんの心の中にも残ってるから、そんなに確認しなくても思うんですけども。
 インターポールからのパラシュート降下が続く景色をバックに、すごく小さい声でクラリスが「行ってしまうの?」と聞く。すると、ルパンは「う、うん。怖ーいオジサンがいっぱい来るからね」と返します。
 この時クラリスは、1対1の人間として聞いてるんですけども、相変わらずルパンは彼女を子供扱いしています。だから「怖ーいオジサンがいっぱい来るからね」というような芝居っぽい声で答えるんです。
 すると、クラリスがフッと振り返って、「私も連れてって! 泥棒は出来ないけれど、きっと覚えます! 私、お願い! 一緒に行きたい!」というふうに、ハッキリと自分の願望を告げて、そのままルパンの胸の中へドーンと飛び込んで抱きついてしまうんです。
 ルパンは、ここで初めてパニックになります。ずーっとお子様みたいに扱っていたクラリスに対して、抱き締め返したいんだけど、そういう気持ちを一生懸命抑える様子というのを、渾身の作画で描くんです。そして、「バカなこと言うんじゃないよ」と、やっと余裕な感じで返します。
 「また闇の中に戻りたいのか? やっとお日様の下に出られたんじゃないか。お前の人生はこれから始まったんだ。俺のように薄汚れちゃいけないよ。ああそうだ、困ったことがあったらいつでも言いな。オジサンは地球の裏側からだって、いつでも飛んで来るからな」と。
 これが、みなさんもご存知の流れですね。

 これについて、『あれから4年』の最後に載っているインタビューで、宮崎さんはこう語っています。
「なぜ連れて行かないかと言う人がいっぱいいる。私だったら付いて行くと言う人もいる。その気持もわかる。けれども、相手の迷惑を考えずに、その時の高ぶった感情で行動するのが本当に正しいことなのか? 本当にその人らしい自分に忠実な生き方なのか?」と。
 まあ、宮崎さんは、こういった大人の説教を、大人気なくアニメファンにかますわけですけども(笑)。まあ、言わんとしていることはわかりますよね。

 さて、そういうことを言う権利が作者にあるんだったら、見ている側である僕らには、妄想する権利があるわけですね。
 「もし、クラリスが本当にルパンに付いて行ってしまったらどうなっていたのか?」と。これ、あんまり考えている人がいないんですよ。

 「泥棒はできないけど、きっと覚えます!」と言ったクラリスを、ルパンが連れて行ってしまっていたら、おそらく、クラリスは「不二子」になっていたんですね。
 シータの成長した姿がドーラであるように、泥棒を覚えたクラリスは、ルパンの相棒として、したたかで対等な存在になっていたに違いないんです。
 前回も話した通り、宮崎産は、この『ルパン三世 カリオストロの城』に、峰不二子と石川五ェ門は出したくなかったんですよ。なぜかというと、峰不二子という「あり得たかも知れないクラリスの将来の姿」というのを見せたくなかったからなんですね。

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