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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「絵描きはなぜ裸の少女を描いたか?」

2018/02/20 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/02/20

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2015/10/11の内容一覧

「裸の絵を描く理由」を論理的に語る絵描き

 理想の人体を描きたいと。
 CG児童ポルノ裁判の被告人が語った「少女を描くわけ」っていうニュースがあって、僕、今日Facebookでシェアしたんですけど。
 まあ、裁判があったわけですよね。
 少女の裸体をテーマにした『聖少女伝説』『聖少女伝説2』というCG画像集2冊を販売した50代の男性デザイナーが、児童ポルノ法違反の罪で問われている裁判の審議が続いている。
 10月7日、8日に東京地裁で開かれた公判では、弁護人による被告人代表への質問。
 つまり自分が何を思ったのかという主張があったのですね。
 この裁判では、画像は実在児童の写真をトレースなどして作ったもので、児童ポルノに当たるという検察側。
 検察側は、これポルノだと。
 何でかっていうと、本当にいる女の子の写真をトレースしてやったんだから、そんなの絵だからと逃げるのは許さん、児童ポルノだって言ったわけですね。
 ところが、弁護人が実在しない人物を描いたイラストだから、児童ポルノではないというふうに対立してるわけです。
 被告人質問では、男性の経歴が具体的に、画家の父を持ち、物心がつく前から絵筆を握っていた、中学時代は写真撮影。
 じつはこの人は写真と絵画の違いがわかってると。
 問題とされた画像について男性は、コンピューターを使って描いた人物画だと主張した。
 ということで、絵画と写真を両方学んだ専門家として、絵画と写真は全く別のものと主張した。
 写真の場合、被写体と全く違ったものが撮れるはずはない。
 一方で、絵画はモデルがいたとしても自由に発想し、自分の描きたいものが表現出来ますというふうに、写真だけやってる人にとってはいろいろ異論があるかもわかんないんですけど。

 彼の主張の根幹はここなんです。
 私が取り組んでるのは人体です。
 ヌードを描きます。
 何故男性が参考としてる写真には未成熟、つまり未成年の女の子が映っていることが多いのかに関して。
 大人の肉体はバランスが美しく、魅力もあります。
 しかしプロの写真家がプロのモデルを撮ったヌードはプロ同士が作成するため、慣れて技巧もこらされており、予定調和になりやすい。
 これ、面白いですね。
 僕はこういうふうに、何故自分は裸の絵を描くのかっていうのをここまで論理的に説明したものってあんまり見たことないんです。
 そこに私が新たに想像を挟み込む余地がありません。一方で、私が参考にした写真はどれも不完全で、私が想像を挟み込む余地がありました。
 日本では80年代に少女ヌードのブームがあり、写真集が一般的にも流通していた。
 そこには予定調和と異なる自然さを感じた。
 篠山紀信が宮沢りえ──これも14歳か15歳でした──のヌードを撮った写真集『Santa Fe』を絵にしようとは思わないのか。
 思いません。
 『Santa Fe』はテーマがしっかりと設定され、構成され、完成した世界が既にある。
 そこに私が想像を挟む余地はありません。
 というんですね。
 これも面白い。
 空想の写真撮影会を頭の中で繰り広げて描いた。
 というんですね。
 なんか僕はこの主張には、もちろん異論もあるでしょうし、所詮はエロ目的だとか、もしくは買ってる人、見てる人はこんな立派なことではなくて、エロ目的じゃないかっていうんですけど。
 この人が言っている、想像の中で理想の裸体を作り上げるということは、じつは芸術家であれば、誰しもが追求している。
 本当に大昔から追求していることで、じゃあミケランジェロがやっていることと、この人がやっていることにはどんな差があるのかというと、僕は本質的な差はないと思うんですね。

 理想の1枚が思い浮かぶまで、時には数百回も空想上の写真撮影会を続ける。そして空想上の理想のイメージを絵として具現化する。具体化する。
 ただし、イメージが思い浮かんだからといって、それを絵として完全に再現出来きるわけではなく、絵にする際はどっかで妥協することになるという。
 それはあたかも、鮮明な夢が目覚めたとたん霧散してしまうような状態に近いと男性は説明した。
 50以上のレイヤーを重ねて1枚の絵を作るということで。
 この男性が、いろんな、確かに女の子の半裸、ヌード、水着写真とかを参考にしながら、自分自身で理想の不完全な、女体、ヌードっていうのを描くのに、どんなに苦しんでるのかっていうのが。
 絵描きの人がこういうことを論理的に説明するのすっごい難しいと思うんですけど、説明してるので、ちょっと僕は彼を応援してみたいなと。
 まあ自分の出来る範囲でこういうところで喋ったり、これありじゃないの、カッコイイじゃんということで、応援していきたいなと思いました。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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