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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「日本の初代大統領は初音ミクでいい」

2017/10/27 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/10/27

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2017/10/01配信「いせスマ、ヤマカン、けもフレ、ガンダム、総選挙……「今」を肴に大雑談祭!」の内容をご紹介します。
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2017/10/01の内容一覧

日本の初代大統領は初音ミクでいい

 さて、じゃあ、最後の話をしようか。日本の初代大統領の話。

 これ、何かというと、選挙の話から始まるんだけども。
 選挙戦が始まったよね。武蔵野市でも市長選が始まって、昨日も吉祥寺の駅前で、初の女性市長候補っていう人が来てて、支持者もいっぱい集まって、演説をやってたんだけども。そこら中に「初の女性市長候補!」とか「初の女性市長誕生!」とか書いてあるんだよ。もう、意味がわからなくて。
 「意味わからない」というか、「どう考えればいいのかな?」と思ったんだよね。

 なんかね、「初の女性市長だから何なの?」とか、「女性市長のウリは何なの?」っていうふうに思っちゃうわけだよ。
 そこから、「そもそも、いい市長って何だろう?」っていうふうに考え始めたんだけど、考えてみたらわかんないんだよね。
 例えば、どんなに優秀な野球選手だろうと、球団の経営は任せないじゃん? 工場にハンダ付けの天才がいたとしても、そのハンダ付けの天才に家電メーカーの経営を任せたりはしないよね。要するに「適材適所」という考え方で、僕らの社会というのは出来ていると思うんだけども。
 それで考えると、経営者に向いてる人とか、アイドルに向いている人というのは、まだ考えようがあるんだけどさ。政治家ってさ、どういう人が本来向いているのかって、わかる? ……わからないでしょ? 解答がないんだよ。
 政治家に本来向いてる資格、性格、資質っていうのは、実は、ないんだよね。「ない」っていうのはどういうことかというと、そんなこと、誰にもわからないから。誰もわかんないからこそ「女性初の市長!」とか、「安倍を許すな!」とか、あと「今、混迷の時代に頼れるこの人!」とか、変なキャッチフレーズでみんな勝負するしかない。つまり、僕らは、向いているのか向いていないのかわからないものを選ぶっていう、かなり無茶な事をしてるんだよ。

(中略)

 なんでそんなものが政治家に必要なのかって思うんだよね。

 まあちょっと話が横にズレて、ここから僕らの業界の話しになってくるんだけども。
 今年になってから、NHKスペシャルで、2つ、AI(人工知能)の特集があったんだ。1つ目が『天使か悪魔か~羽生善治人工知能を語る』っていう番組。もう1つが『AIに聞いてみた』っていう、もう大炎上が起こった番組なんだけど。

 『天使か悪魔か~羽生善治人工知能を語る~』の方は、羽生名人が電王戦を振り返って、人工知能に勝てなくなっている時代というのを語るというものなんだけど。なんかね、すごいトリッキーな番組だったんだけど。
 去年、29歳で羽生名人を破った若き天才棋士の佐藤さんというのがいたんだけど、その彼を人工知能「ポナンザ」(PONANZA)が負かしちゃったと。

(中略)

 ポナンザの将棋の打ち方というのは、開発者自体にも理解できない。もちろん羽生さんにもわからない。当代きっての将棋の名人も、ポナンザを開発したプログラマーも、既にAIがなぜそんな打ち方をするのか、まったく理解できなくなっている。「結果」しかないんだ。
 さっきも言った羽生さんを破った佐藤さんは、これについて、「ポナンザは、「人間」よりも、かなり将棋の神様に近い側にいる。本当にすごい存在と一瞬すれ違ったような電王戦だった」というふうに言ってるんだよね。
 もう、「自分よりも」と言うんじゃなくて、「人間よりも」はるかに将棋の神様に近いところにいるって語っているんだ。
 それが、今の人工知能なんだ。

 その番組の後半では、カリフォルニア州のソノマ郡という、ちょっと田舎の地方の話になって。
 実は、カリフォルニア州ソノマ郡では、もう何年も前から、裁判を行う時に、裁判官が見るデータベースに人工知能が導入されている。有罪か無罪かを決めるのは陪審員なんだけども、量刑という「懲役は何年がふさわしいか?」ということを、これまで裁判官が決めていたところから、今、ソノマ郡では人工知能が決めてるんだって。
 まあ、「決めてる」っていうか、「人工知能が答えを出して、それを裁判官が言い渡す」という形にしてるんだよね。

(中略)

 じゃあ、2つ目は何かというと、『AIに聞いてみた』という、あの炎上した番組だよね。『40代1人暮らしが日本を滅ぼす』という特集で炎上したんだけども。

 その番組の中でやってたのが、「いろんな数値のデータをAIに読み込ませる」ということなんだ。「どの数値か増えた時に、何が減って、何が上がるのか?」という「関連性」だけを、徹底的に追いかけた。
 最近、ものすごくいろんなデータが集まるから、それをどんどん入れてみたら、例えば、「バナナがいっぱい売れている町では、人々の健康率が高い」みたいな、ちょっと聞いただけでは「風が吹いたら桶屋が儲かる」みたいな、どういう因果関係があるのかわからない結果もけっこう出てきたと。

(中略)

 ちょっとね、極端かもわからないけど、僕ね、「政治はAIに任せてしまって構わない」って思ってるんだよ。さっきのソノマ郡の裁判官の話に繋がるんだけど。
 政治をAIに任せるとどんなことが起きるのかというと、おそらく被害も出るでしょう。だけど、現行の「選挙で人を選んで、そいつに政治家をさせる」っていうシステムによって生まれる被害と、そんなに劇的な差があるとは思えないんだよね(笑)。
 なんか、こういうシステムっていうのを提案すると、「それは完全ではない!」って反論する人がいるんだけども。今の「ある人間を選んで、その人間に政治をやらせる」というシステムのデタラメさと比べたら、AIの方がまだマシなんじゃないかな、と。

 特に、選挙にかかるコストは劇的に改善されるだろうし。あとは、有能な人材が政治に消費されることも防げる。
 みんな、とりあえず有能な人材を政治家にしちゃおうとするじゃん? どこが有能なのか、その有能さがなんで政治に必要なのか、わからないままに。「有能」で、「正義感が強く」て、「面倒見がよく」て、「人気がある」というヤツを、この社会で最も生産性のない政治の世界とか行政の世界に突っ込んでどうするんだって。
 「政治家とか官僚を、その国の下から3分の1くらいで、なんとか成立させられる」っていうところが、民主国家というシステムの優れた部分なはずなのに。なんで、最優秀なヤツらを突っ込まなきゃいけないんだ!? って思うんだけども。
 あとは、政治みたいなものを人間に任せることによって、見える化の反対の「見えない化」が進んでしまう。この見えない化の被害総額の方が、AI政治によって生じる被害額よりも多いと思うんだ。
 だから、早いところ「政治家AI」を作って欲しいんだよね。

 でも、政治家AIを作っても、たぶんね、みんなはそいつに投票しないし、占拠のシステム上、出馬することもできない。人間というのは、人間を選んで政治家にするという生き物だから。法律の問題もあるし、みんなの心理的なものもあるだろうから、できない。
 「なのでAIの言う通りに行動して、議会投票をする!」と公約する議員が必要なんだよ。

 これってね、「政治家AI」と、「ただ単に神輿のお飾り担当の議員」という2つで1セットなんだ。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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