岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/06/30
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2017/06/04配信「niconicoの未来を本気で予測! ゲスト:ニコ生の黒幕(?)S田氏」の内容をご紹介します。
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2017/06/04の内容一覧
- ニコ生7周年特典について
- 映画『ローガン』は、アメコミスーパーヒーローものにとっての『まどマギ』
- 『HUNTER×HUNTER』ヨークシン編
- 全力で戦ったら死ぬ法則
- S田さんと語るニコ生の未来
- ニコ生の優れているところ
- ひろゆきのニコニコ批判
- ニコニコ漫画でしか見られないのにものすごい盛り上がりの『とっても優しいあまえちゃん!』
- ニコ生主の持つ構造的な欠陥
- ニコニコの最大の敵はYouTubeではなくAmazon
- ニコニコを救うのはユーザーコメント?
- ドワンゴはだいたいいつも5年早い
- 失敗した海外展開
- ニュースに対してのコメントをウリにするNewsPicks
- 『あまえちゃん』や『エロマンガ先生』、『けものフレンズ』はオタクにとっての合法ドラック
ニコニコを救うのはユーザーコメント?
岡田:で、ここから先の話なんだけど。
「コメント機能の分類」って考えられないのかな?
助田:分類? ほう。
岡田:というのも、例えば「ゲーム実況」って、大本にゲームというコンテンツがあって、そこに、ゲームを語るのがうまい人とか、楽しい人とか、顔が良い人とかが実況を重ねることで成立するわけじゃん。
つまり、元々存在するコンテンツになにかをプラスする形で出来てるわけじゃん。「ニュースキュレーションサイト」とかと同じような構造になっているんだけども。ニコ生で流れるコメントっていうのも、これと同じなんじゃないかな?
なんかさ、こういう放送に対してコメントを書き込んでくれてる人達を、ラジオ番組の「はがき職人」と同じように、「コメント職人」とか、「コメント芸人」、「コメントアイドル」、「コメント文化人」みたいに扱って、そういう人だけのコメントが載っているような放送っていうのは、成立しないの?
助田:なるほど。今まで、コメントは、どちらかっていうと平等に扱ってきました。そこにヒエラルキーをあえて作らなかったんですが―――。
岡田:そう。そのヒエラルキー作らないことが、実は良かったんだけども。ここにあえてヒエラルキーを作ってみるっていうのはどう?
この放送にも、今コメントを書き込んでくれる人がいるんじゃん。この人達の中から、面白い人たちっていうのをピックアップして、ポイントを上げていく。つまり、コメントをつける人を評価するんだよ。
これまでのコメントには「お前のコメントは表示されないようにする」というネガティブな評価方法しかなかったんだけども、これからはポジティブな評価も計測していく。
コメントつけてる人同士で、ガーッと点数をつけて行って、「5点満点中、平均コメント得点が4.0以上の人だけが、ひろゆきの番組にコメントできます」とか。もしくは「コメントで流れる文字が金色になります」とか(笑)。
助田:いや、それはすごく重要ですね。
岡田:「アンチの排除が始まってる」ってコメントが今あったけど、そうじゃないんだよ。
コメントの採点は、同じように放送を見ている人が付けるから、アンチとかに関わらず、みんなが同意しているコメントに高い点が付く。アンチであっても、言い方がうまいヤツっていうのが上に上がっていく仕組みなんだ。
これね、ニコニコっぽいと思うよ、発想として。
助田:昔、コメントを評価する「ニコる」っていうサービスがあったんですよね。
いや、そうなんです。そうですよ。僕らドワンゴの人間には「消費者側のコミュニティーリーダーを特別扱いしない」っていう空気があるんですよ。……もちろん、これも個人的な意見なんですけど。
コンテンツを提供している側に関しては、ヒエラルキーがあったりとか、優遇したりするんですけども。だけど、基本的に、「ニコニコ大百科」でもそうですし、ニコニコニュースのコメント欄でもそうですし、こういうニコニコ生放送のコメントでもそうなんですけど、ヒエラルキーを作ることで、あまりいいことが起こってないんですね。その経験値からあんまりやってないんですよ。
ニコ動でも、「ニコる」というシステムを実装してたことがあったんですけど、結局、あんまり大声では言えないんですけど、想定していた良さっていうのがなかったわけですよ。だから辞めたっていうのがあるんです。
例えばですけど、岡田斗司夫ゼミの視聴者さんの中で、「○年間、有料会員を続けている人は優遇します」とか、「こんなことをしてくれたから、この人は優遇します」とやった途端に、コミュニティーって少し歪むんですよ。
もちろん、「歪んだ結果、良い形に変わる」って可能性もあるわけですけど。でも、悪くなるパターンもあって、これを大きなプラットフォームの世界でやっていくと、それを整理しきれないんですね。だから、基本的にはやってないんです。
ただ、そういったところっていうのも、世界的なコミュニティマネージメントにとっての一つの課題なので、やらないといけないなとは思うし、僕は岡田さんの言うことを是非やってみたいなという気持ちはあるんですけども。
(中略)
岡田:そう、それはわかる。ニコニコってね、コメントのレベルが高いよ。
俺、そういう良いコメント付ける人のことを「コメント職人」って呼んでるんだけども。……悪い言い方をする時は「前列ヤンキー」という言い方をするんだけども(笑)。
コメント職人って、みんな職人レベルなんだよ。
助田:なぜかうちのプラットフォームにだけ、想像以上に素晴らしいコメント職人さんが、いっぱいいらっしゃってるんですよ。
岡田:この「どこらへんがレベルが高いのか?」について、見てる人に簡単に説明できるよ。
今ね、ザーってコメントが流れてるじゃん。それ見てて、同じようなコメントってほとんどないだろ? ところが、これがAbemaとかだったら、コメントが流れるは流れるんだけど、「そうそう」とか「俺もそう思ってた」とか、同じようなコメントが流れてるだけなんだよ。
助田:「同調コメント」というやつですね。
岡田:そうそう。
でも、ニコニコってそうじゃなくて、一斉に色んな種類のコメントが流れる。
このレベルの高さって、俺、財産だと思うんだよ。
助田:そう、財産!
岡田:だから、みんなニコニコを語る時に、生主とかユーザーっていうのが財産で、ついつい課金システムとか、コメント機能の方にばかり目がいっちゃうんだけど、このコメント職人を活かさないのがもったいなくてしょうがない。
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