岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/06/23
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2017/05/28配信「大絶賛、映画「メッセージ」ネタバレ解説と、『HUNTERXHUNTER』天空闘技場編まで」の内容をご紹介します。
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2017/05/28の内容一覧
- 前説
- SF映画『メッセージ』ネタバレ解説
- 宇宙人の言語を解析する
- 時間理論を真正面から描いた初めての映画
- キリスト教的な予定調和の世界
- 『ガンダム』が「良いSF」である理由
- 時間の流れを1枚のタペストリーとして見る
- 映画『メッセージ』は何点?
- 『メッセージ』と過去のファーストコンタクトSF映画を比較する
- 決定論をSFに取り込んだ『タイタンの妖女』
- 一目瞭然性を備えたヘプタポッドの言語
- 時制のある言語・ない言語
- Q「メッセージで採用された車について」
- Q「ヘプタポッドの言語について」
- Q「ルイーズが最初から未来が見えた理由」
- 「HUNTER×HUNTER』解説・ククルーマウンテン編
- 『HUNTER×HUNTER』解説・天空闘技場編
- 「念」は後で思いついた説
- もう1人の主人公ヒソカ
「HUNTER×HUNTER』解説・ククルーマウンテン編
先々週は第1回として「キャラと技巧」を取り上げて、先週は単行本1巻から5巻の「ハンター試験編」を取り上げました。今日はこれから、「ククルーマウンテン編」と「天空闘技場編」を取り上げます。
(中略)
そして、44話で「天空闘技場編」にいよいよ入っていく。
「お金もないし、実力もつけなければいけない」ということで、ゴンとキルアは天空闘技場に行くことに決めるんだけど、ここで、それぞれ目的があるレオリオとクラピカが物語の舞台から退場する。
さて、バトル展開がついに始まるかと思えた天空闘技場なんだけども、実は特訓なんてするまでもなく、ゴンはキルアの家で湯呑とかを持ったされることによって訓練されてしまっていたんだ。なので、キルアはゴンに「お前、あの門通ってきたんだよな? だったら「ただ押す」だけでいいよ」って言うんだ。その通りに片手でドンってやったら、本当に勝っちゃった。「うわー!俺、いつの間にか強くなってた」ってシーンなんだけど。
これ、どっかで見たことあるよなって思ったら、いい加減にしろよ! 『ドラゴンボール』の天下一武道会そのままじゃねえか!(笑)
(中略)
次の45話は「レン」という回で、この回あたりから、いわゆる『HUNTER×HUNTER』のメインである「オーラを使った念能力」というのがじわじわと出てくるようになってくるんだ。
最初、ゴンは、もうどんな相手もポンポン倒せるんだけども。ところが、ゴンより実力が上のはずのキルアが対戦した「ズシ」っていう、すごく弱そうなくりくり坊主の子供を、どうしても倒すことができなかったんだ。
攻撃を当てることは簡単にできるんだけども、それは全部「テクニカルヒット」止まりで判定勝ちしているだけ。ゴンみたいに相手をKOさせて、ゴンに対して「俺もやれるぜ」というところをキルアは見せたいんだけども、ところがズシをどうしても倒せない。
それはなぜかっていうと、どうもそこにもう1つm何かの能力があるらしいとわかるところまでが45話。
46話は「ネン」という回。2人は快調に勝ち進んでいるんだけども、快調に勝ち進めば勝ち進むほど、余計にキルアの中では「なんでズシっていう子供をKOできなかったんだ?」という疑問が重くのしかかってくる。
ズシの師匠のウィングさんという人を紹介してもらって話を聞くと、心を燃やす「燃」というのを教えてくれる。「心の中である感情を激しく思い描いて、それを決意して、言葉に出すと、それが現実に作用する」と言われるんだ。
(中略)
さて、ここでウイングさんが説明した「燃」というのは実は嘘っぱちで、本当の「念」というのが何なのかというのが、46話の終わりくらいに出てくる。
続く47話は「見えない壁」という回で、ゴンとキルアは200階まで勝ち進んだんだよ。天空闘技場は上の階に行くにつれて戦う相手が強くなるんだけども。ところが、その200階のエレベーターを降りた瞬間に、怖くて前に進めない。無理矢理、前に進もうとしても、なんか、足が一歩も進まなくなってくる。そこには、懐かしのヒソカが座っていて、「ここから先は君たちにはまだ早い。通さないよ」というふうに言ってくれるんだよね。
いよいよここら辺で念の説明があるんだけど。ここで気になるのは「ヒソカはめちゃくちゃ親切」ってことなんだよね。「君たちにはまだ早い」って、彼らが傷つかないように忠告してくれてるわけだし、ここから先、延々と修業にも協力してくれてるから、危うく「ヒソカって良い人かも」って思っちゃいそうになるんだけども(笑)。
いよいよこの念の説明が始まった。
ところで、僕が主催しているDMMのオンラインサロンというところに「HUNTER×HUNTER部」というのがあるんだ。(※正確には「ハンター協会」)その部の部長がヤムアキというやつで……今、これを撮ってるカメラの向こう側で笑ってるんだけども。
ヤムアキ君の説では、「この念という設定を、作者である冨樫義博は連載中の土壇場で思いついた」って言ってるんだ。『HUNTER×HUNTER』の連載開始にあたって、お話の流れは考えていたんだけど、絶対に念のことを想定していない、って。
確かにそうなんだよ。1話からの流れで見たら変過ぎるんだよ。だって、キルアの家って、執事のばあちゃんに至るまで、みんな念能力が使えるんだよ。家族全員、キルア以外、ほぼ念能力使える(笑)。「なんでお前だけ使えねえんだよ!?」って変なんだ。
では、なぜ、途中からこんな要素が取り入れられたのかというと、ヤムアキ説によれば「ゴンとキルアの実力差をなくすためだ」と。ここから先のストーリーで、2人はいろんな敵と戦うんだけども。キルアはこれまで正体不明なミステリアスな存在として描かれ続けてきて、すごく強い。2人の実力差を数値化すると、「ゴン=100」に対して「キルア=1万」くらいある。これをなんとか同じくらい、どっこいどっこいにしないと、ここから先のクエストが成り立たない。
『ドラゴンボール』でも、「クリリンと悟空が修業を始める前までは、実力差がかなりありながら、それでも同じ修業を受けた結果、同じくらい強くなる」っていう表現があったじゃん? そういうものが必要だから、どこかでゴンとキルアの実力を似たようなものにしなきゃいけない。
そのためにはどうすればいいかっていうと、「念能力」という概念を入れて、2人の強さをいきなり「100万」足しちゃおう、と。これまで100と1万の差があったんだけど、そうすると「100万100:101万」の差しかなくなる。ほぼ実力が対等になる。
実際に、ここから先、グリードアイランドとかでも、2人の実力はほぼ同じになってるんだけども。この念能力という画期的なシステムを連載途中で思いついて、むりくり入れることによって、HUNTER×HUNTERは劇的に面白くなった。
なかなかね、こんなに「途中まで作者が思いついていないことが明らかにわかる設定」も、「それを思いついた作者があまりにも嬉しくて、説明しまくっている漫画」もないという。良いと思うよ。
47話では、そういう念の説明を初めてやってくれた。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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