岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/04/04
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2016/11/06配信「肩をすくめる巨大国家アメリカ・大統領選挙という祭りに興じる資本主義国家の限界と、『聲の形』VS『君の名は。』は懐かしのあの闘い」の内容をご紹介します。
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2016/11/06の内容一覧
- オープニング、ThinkGeekと版権について
- 都市部はヒラリー、田舎はトランプ
- 「ウォルマートの奴隷制度」が作り上げたトランプ支持層
- アイン・ランドの「資本主義は道徳的に正しい」という思想とアメリカ
- ヒラリー・クリントンの、いけ好かない自伝絵本
- 「Mrスポック」レナード・ニモイの空っぽな自伝絵本
- 閑散とした映画『トランプランド』と「対立構造で煽る」トランプ
- 勝っても大ダメージのヒラリー、負けても勝つトランプ
- 『きみの名は。』にドラマで勝り、スケールで負けた『聲の形』
- マンガ評『マンガ家総進撃』『空母いぶき』『中間管理職トネガワ』『トモちゃんはすごいブス』『激マン!マジンガーZ編』
- SMAP香取引退の構図と「中流マンション」の没落
- 日本アニメの音響監督はレベルが低い
- 大阪万博と縮小する世界に向けた万博のテーマ、そしてベルギーツァー
- 「子供も老人も働く社会」と実験国家アメリカの変化
- アメリカのガンダム『スタートレック』に見る群像劇の難しさ
- 映画のなかの「演技」と「映画の面白さ」
- 質疑応答と次回告知
映画のなかの「演技」と「映画の面白さ」
「邦画が嫌いな人はよく日本の役者の演技の下手さを口にしますが、日本人は本当に演技力が乏しいんでしょうか。そもそも演技力ってなんなんですか」
前ね、『シン・ゴジラ』のところで話をしたんだけども、役者が演技力が低いということはないんだ、同じ役者が舞台に出ればうまいから、ただ単に、まず、うまい演技を求められていないっていうのが多いんだよね。
つまり、テレビのドラマなんかで演技とかしてるヒマないからね、僕が一番最近見たいい顔っていうのは何日か前に『アメトーク』で放映したナダルのスペシャルというのがあったんですよね。コロコロチキチキペッパーズのナダルってやつがどんなにひどい奴かというので、周りに悪口を言われるたびにナダルが反論したりして、反論自分ができたという時にはすげえドヤ顔するし、なにかを言われた時にものすごい相手をにらむって、あれがめちゃくちゃ面白い、だからもしあれが演技とするならば、演技じゃなくて素なんだけども、ものすごい面白いものをみてるんだけども、日本のテレビドラマって基本的にあれなんだよ、つまり、怒った時にどんなに面白い顔で目が剥けるかとか、ドヤ顔というのはどんなに口をとがらせてドヤ顔をできるのかっていう、表情の作り方になってるから、そんなに演技力って求められてないんだよね。
今『デスノート』の新作とかやってるじゃん、評判よくないんだよ。評判よくないけど、どう思いますかっていうのが、確か質問でもきてたと思うんだけど、どのみち僕は見ないと思うんだよ。
というのは、『デスノート』という映画が頭からお尻まで、一番最初のやつから今に至るまで、一回も面白いと思ったことがないんだよね。マンガのほうが面白いに決まってるじゃん。『デスノート』の映画版、ああなんか人間の役者さんがやってる、頑張ってるなーと思いながらも、マンガに比べればべつに面白くねーよな。演技力がすごいと言われても、そこそこうまい人がやってるから、まあ念のため、僕、舞台で、ミュージカルで『デスノート』やったんだよ、ミュージカルの『デスノート』観に行ったら、まあお話としては破たんしてるんだけども、そっちのほうがちゃんと見れるんだよね。
だから演技の問題じゃないんだよ。もちろん映画の『デスノート』に出てる人のほうが、演技がうまいんだよ。いい役者さんなんだよ。藤原竜也が出てる舞台を観に行ったら、そっちのほうが明らかに演技としては上なんだよね。だから、映画で演技を語るというのがそもそも無理があるんじゃないかと思っていたところに『シン・ゴジラ』が出てきたので、僕のなかで確信に変わった。
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