岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/03/03

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2017/01/29配信「早い者勝ち!SFマンガはこれを読め」の内容をご紹介します。
岡田斗司夫アーカイブチャンネルの会員は、限定放送を含むニコ生ゼミの動画およびテキスト、Webコラムやインタビュー記事、過去のイベント動画などのコンテンツをアーカイブサイトで自由にご覧いただけます。
サイトにアクセスするためのパスワードは、メール末尾に記載しています。

(※ご注意:アーカイブサイトにアクセスするためには、この「メルマガ専用 岡田斗司夫アーカイブ」、「岡田斗司夫 独演・講義チャンネル」、DMMオンラインサロン「岡田斗司夫ゼミ室」のいずれかの会員である必要があります。チャンネルに入会せずに過去のメルマガを単品購入されてもアーカイブサイトはご利用いただけませんのでご注意ください)

2017/01/29の内容一覧

ヒーローロボットに魔法を組み込んだ『混沌世界ボルドー』

 さっきの表放送は、このままYouTubeにアップされるから 「昔、YouTubeで公開したものを、もう一回YouTubeで上げる」という不思議なことをすることになるよね(笑)。
 じゃあ、後半、行きましょうか。
 あのね、『混沌世界ボルドー』っていうマンガがあります。市川裕文君という人が描いた作品で。

 これ、実は表紙が復刊ドットコムのやつなんですね。幸いにして、昔バンダイから出た本なんだけども、復刊ドットコムが復刊してくれたので。まあ、高いんですけども、今でも読めるようになりました。
 市川博文君は『トランスフォーマー』のデザイナーとしても知られている人なんだけども。
 彼が描いた『混沌世界ボルドー』っていうのは、月の裏側にある剣と魔法の世界っていうのを描いているんだけども。それがなんでSFなのかっていうと、そこでは“魔法とロボットを融合してる”んだよね。
 これがページのひとつなんだけども、魔法を全く理解しない地球人側と、魔法が使える民族とのロボット戦闘が描いてある。
 この四角の枠に入っているのが、地球人側のコンピューターの声なんだ。地球人側のロボットに搭載されているコンピューターは 「なぜ敵のロボットが強いのかっていうと、魔法力が使えるからだ」と言ってる。
 でも、地球人のこのパイロットは信じていないんだ。「魔法なんていうものはイカサマであって、あれはいくつかの“分化した科学”に過ぎない。分化した科学のことをあいつらはよくわかっていないから魔法とよんでいるだけだ。そんなイカサマにのるもんか」と言って、戦うんだけども。
 でも、コンピューターはそうじゃないと言う。「いいえ閣下、重力制御は特殊な技術を必要としません。この腕のなかに仕組まれている小型のモーターをご覧ください」と言う。
 パイロットが「この腕のモーターというのは、そのために作っているのか?」と聞くと、「いいえ、違います。腕のモーターは単なるブースターにすぎません。ラマ教のマニとよく似ています」ということで。
 ラマ教のマニって知ってるかな? よくネパールとか行ったら、クルクル回す呪文が書いた筒みたいなのがあるよね。旅人とかが、歩きながら手で触ったりして、クルクル回してるんだけども。「あれを回すと、1回お経を読むのと同じご利益がある」というふうに言われてるんだ。
 そのマニ筒がロボットの腕のなかに仕組まれていて 「これが高速回転することによって、呪文詠唱効果と同じ効力を発揮する」という、なんかね、科学とテクノロジーと魔法とを上手く組み合わせるやつなんだよね。
 これがやっぱり、トランスフォーマー的なロボット世界にすごく合ってるんだよ。
 「じゃあ、このモーターで動くマニ筒が増幅装置だとしたら、魔力そのものっていうのは、なんなのか?」ってパイロットが聞くと、「魔法っていうのは意志の力である」とコンピューターは言うんだよね。
 「意志の力であり、魔法というのを信じ切れるかどうかです。故に、自立意志を持ったコンピューターこそがもっとも優れた魔力装置なのです」ということで。この搭載コンピューターが「我々にも魔法が使えるんですよ」って、パイロットを説得してるシーンとかがあるんだけどさ。
 なんかね、こういうセリフのやりとりがまず面白い。あとは、この完全なヒーローロボットものの外見というのが、いわゆる“タカラトミー系列”って言うのかな? いわゆる勇者ロボットシリーズと、見た目はすごく同じなんだけども、描いてる中身がすごく違う。ここらへんもSFマンガの面白いところだよね。
 全2巻しかないんだけども、お話も「地球人側も魔法は信じないんだけども、キリスト教を信じていて、キリスト教を信じているからこそ、12使徒砲が使える」とか、後のエヴァのほうに用語とかがいっぱい盗られるような世界を創っていて、めちゃくちゃ面白いよ。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

アーカイブサイトへのアクセス方法

限定放送を含むニコ生ゼミの動画およびテキスト、Webコラムやインタビュー記事、過去のイベント動画など、岡田斗司夫のコンテンツを下記のアーカイブサイトからご覧いただけます。