『NEWSを疑え!』第349号(2014年11月17日特別号)
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【価格】1,000円/月(購読料のうち半分は、研究所の活動に対する維持会費とお考えいただき、ご理解をいただければ幸いに存じます。)
【発行日】2014/11/17
【発行周期】毎週月曜日、木曜日
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【今回の目次】
◎テクノ・アイ(Techno Eye)
・世界最大の太陽熱発電所がピンチ
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎編集後記
・自衛隊音楽隊の知られざる任務(小川和久)
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◎テクノ・アイ(Techno Eye)
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・世界最大の太陽熱発電所がピンチ
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
米国南西部に建設された世界最大の太陽熱発電所が、発電量の不足によって大赤字となり、出資したグーグルなどの企業は、米エネルギー省に借りた建設費を返済するため、巨額の補助金を米政府に申請する結果に陥った。米議会共和党はもともと、再生可能エネルギーへの公共投資に消極的で、出資企業の損失を米政府が補填することには強硬な反対が予想され、争点化することは避けられそうにない。
イヴァンパー太陽熱発電所は、ラスベガスの64キロ南西、カリフォルニア州のモハベ砂漠で2010年10月に着工され、14年2月に開業した。タワー式太陽熱発電所という方式で、太陽を追尾する平面鏡17万3500枚が3基のタワー上の集熱器に太陽光を集中し、そこで加熱した水をタワーの下で蒸発させて蒸気タービンを回す。
ピーク時の発電能力でみると、イヴァンパー(392メガワット)は世界最大の太陽熱発電所である。イヴァンパーを除いて、世界の100メガワット以上の太陽熱発電所16カ所はどれも、細長い曲面鏡の焦点に設置されたパイプに太陽光を集中し、パイプ内を流れる液体を加熱し、その熱で蒸気タービンを回す、トラフ式太陽熱発電所である。
米エネルギー省がイヴァンパー発電所の建設費の借入を保証したことは、大規模なタワー式太陽熱発電所の可能性を検証するという政策上の目的があったのは間違いない。
イヴァンパー発電所の建設費22億ドル(2000億円)のうち、エネルギー省は16億ドルの借入を保証し、再生可能エネルギー大手のNRGエナジーは3億ドル、グーグルは1.68億ドルを出資した。この投資は、毎年10.8億キロワット時のエネルギーを25年間得ることで回収する計画だった。
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