NVS宇宙科学取材ノート

こうのとり3号機 ISS分離・再突入とi-Ball再突入撮影の挑戦

2012/09/12 21:10 投稿

コメント:1

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7月21日に、種子島宇宙センターからH-IIB3号機で打ち上げられた
宇宙ステーション補給機「こうのとり3号機(HTV3)」ですが
無事、物資補給ミッションと不要品積み込みを終えて
13日(木)の0時50分頃に、ISSのロボットアームによって離脱する予定です!

現在、離脱に向けての準備が進められており
11日22:59に、こうのとり3号機のハッチがクローズされました。
12日20:50にISSからのボルト固定が外れ、取り外し状態となりました。

こちらは12日20時前後の、こうのとり3号機の模様です。


12日20時頃のこうのとり3号機 背景に地球 (画像:NASATV)
ロボットアームで把持されています。

JAXA放送として、ニコニコ生放送の公式でも中継が行われます。
(NVSでは行いません・・・)
13日(木)00:10より



また、NASATVでも中継が行われます。
http://www.nasa.gov/multimedia/nasatv/index.html

ISSから青い地球を背景にして、徐々に離脱していく金色に輝く
こうのとり3号機をリアルタイムで視聴するチャンスです。

■そして、再突入
ISSから離脱していったのちの、こうのとり3号機は2回の
離脱マヌーバとして逆噴射を行い、南太平洋沖で再突入を行い
殆どの部分は、燃え尽きることになります。
14日の14時24分頃に突入開始予定です。

こちらもJAXA放送としてニコニコ生放送の公式で
筑波宇宙センターのHTV管制室の模様が中継されます。


NVSでは、再突入後の記者会見の模様を中継致します。
詳しいミッションの状況を知りたい場合は是非、ご試聴下さい。




■燃え尽きずに再突入を記録するミッション「i-Ball」
こうのとり3号機は、前述の通りほぼ燃え尽きてしまいますが
再突入時のデータ取得を目的とした「i-Ball」が搭載されています。

再突入観測システム「i-Ball」 (撮影:NVS)

先ほど、こうのとりは、ほぼ燃え尽きると書きましたが
耐熱性の高い部品などは、海上まで落下することになります。
こうのとりが再突入時にどのように破壊され、分解していくのかが分かれば、
海上の警戒区域を縮小することができ、突入精度の向上が見込まれます。

そのため、i-Ballには、こうのとりの船室が再突入で破壊される様子を納めるため
カメラを搭載。
船内から放り出された後の様子も撮影する予定です。

i-Ballは、こうのとりから 放り出された後は、燃え尽きずに海上までパラシュートで降下
衛星通信のイリジウムを利用して、各種データと画像を転送することになっています。

非常に挑戦的なミッションですので、どのような画像が届けられるかが楽しみです。
はやぶさの再突入映像や欧州補給機ATVの再突入映像よりも
エキサイティング画像かも知れませんよ。

i-Ballを詳しく紹介した動画はこちらになります。
【こうのとりの卵?】再突入観測システム「i-Ball」【燃えずに残る】


i-Ball分離のCGムービーが後半の納められている映像はこちらになります。
HTV管制室こうのとり3号機 把持の瞬間 i-ballは5:55から

シミュレーションの映像を観てわくわくしながら、i-Ballからのデータと画像が届くのを楽しみにまちましょう。

■参考記事
@IT MONOist
宇宙から燃えずに地球に帰ってこれるんです。そう、「i-Ball」ならね (1/3)」
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1206/22/news006.html

Airborne observation of the Hayabusa Sample Return
http://hayabusa.seti.org/

ATV初号機(ジュール・ヴェルヌ)が大気圏再突入してみた。【お疲れ様】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4821392

(NVS関東  きみ@Lica )

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コメント

userPhoto ネコビデオビジュアルソリューションズ
(著者)

こうのとり3号機離脱時、ゆっくりと離れずに速やかに離脱していきましたが、離脱時予備軌道になった理由は、現時点ではロボットアームから分離時の初速により、ISSとの衝突を回避するための安全領域を侵害する可能性があったため、オートモードにならなかったと推定しているようです。 現在、軌道はリカバーされ再突入も予定時刻通りの模様です。

No.1 141ヶ月前
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