「子供に自信をつけさせる」ために唯一つ必要なこと(その1) の続きです。
子供の本当の自信とは大人のいないところで自分自身で獲得していくものであって、そのためには大人は子供と適切な距離をとるのが必要と(その1)で考えてきました。
その時間に彼らは彼ら自身で成果をあげていきます。もし、それを、「見て、見て」と言ってきたら、その成果に大いに反応しましょう。実際にすごく面白いこともありますし、大人的にはいまいちでも、そこは大人の演技力でカバーです。ここが大人の一番のがんばりどころでしょう。ご自身のキャラによって冷静にコメントするとか、反応の仕方は様々でいいと思います。
このように、自信をつけるのは孤独なプロセスなのです。大人の目のないところで、兄弟や友達はいていいかもしれませんが、自分で挑戦し、結果を見て、自分で良い悪いを判断し、フィードバックをかけまた挑戦する、そのプロセスが自信を生み出すのです。その過程では、見守ることすら悪影響なのです。
ネットを見ていると、「子供に自信を与えるには」という表現をいくらでも見つけることができますが、「与える」という表現からすでに間違ったアプローチなのです。
「自信」が生むチャレンジ精神
つい数日前、とても嬉しいニュースがありました。今度は次男でなく長男で、5年生の目標であるクロール25mができたというのです。長男は水泳が苦手で私が促そうとしてもかえって反発するので、私からは何も言わなくなっていたし、そんな努力をしていることも知りませんでした。でも、彼はいつの間にか苦手な水泳で目標に到達していたのです。
さすがに嬉しいようでいろいろ話してくれましたが、聞いていると息継ぎなんかもがむしゃらで、もがくように泳いでいるようです。私が見てたら、「息継ぎはこんな風にすると楽にできるよ」ということ間違いないでしょう。でも、そうやって上手な泳ぎ方を練習して距離を伸ばしたのではなく、とにかく人から見たらめちゃめちゃでも、自分があれこれ体を動かしながら距離が伸びる方法を追求して行ったのでしょう。我流であれ、客観的に評価が出る取り組みで目標に届いたことは、彼にとって新たな「自信」になったようで、少し大人っぽく見えるようになりました。おめでとう。
子供は苦手なことを直すのが苦手です。
目から鱗。未来の常識「子供は苦手なことを直すのが苦手」
でも長男は最近そういう苦手なことに取り組むことが増えてきたように思います。成長したのだと思いますし、背後には彼が持っている「自信」の裏付けがあるのだと気付きました。
彼も次男の側溝穴ジャンプと同じような「自信」は持っています。私のような大人からするとまったく価値のないところで、今すぐに例を思い出せないのですが、持っています。
「自信」を持っているということは、自分なりの問題への取り組み方とか、メンタルのコントロールの仕方とか、自己フィードバックとか、自己コントロールの方法を一通り持っているということです。次男の側溝穴ジャンプは、くだらないように見えて、やはりそれを全て含んでいるのです。飛べないかもしれないという恐怖を克服しなければ、飛べません!
そして、そのことが、彼らに苦手なことに立ち向かわせるだけの勇気になるのです。自分は自分で目標を立て、適切にアプローチして達成したことから得られた自信を支えに、そのテクニックを駆使して苦手の克服に取り組むのです。
苦手なことに限りません。好きなこと、得意なことにもそのテクニックは大いに活躍することでしょう。
そして何と言っても、長男が成長したなあと思うのは、親の期待がはっきりしている分野を避けずに取り組むようになったということです。たとえば成績です。テストでいい点とるために試験勉強をしようと言えるし、するようになったのです。
昔たとえばマラソン大会でもっと上狙おうとか言うと、「めんどくさい」とか言って決してまともに取り組む態度は見せませんでした。隠れてがんばっていたかどうかはわかりませんが、親の期待に応えられない可能性を見れば、必ずそうやってはぐらかしていましした。まさに「自信がない」という表現がぴったりです。
そうではなくなったのです。もちろんいつも満足な結果が得られるわけではないのですが、そんな可能性があるとわかっていても、事前にはぐらかすことがなくなったのです。口では「めんどくさい」とは今でもいいますけど、態度はすっかり変わりました。自分に自信ができたのです。
その変化が何をきっかけに起こったのか、私にはわかりません。ここのところ急速に変化したことははっきりしていますが、何をやって自信をつけたのかはわからないのです。
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