過疎地の路線バスで、ヤマト運輸の荷物も運んで生き延びようという素晴らしい取り組みが始まるそうです。
過疎地の路線バス、ヤマト運輸と一緒に「貨客混載」で維持 岩手県で新しい取組
地方の公共交通は大きな問題ですから、こうやって抱き合わせにしてなんとか維持しようというのは、素晴らしい試みだと思います。
こういった取り組みが全国で進んでほしいと思うのですが、そう考えるといくつか気になることがでてきます。
まず今回使われるという、路線バスの改造車。後ろの部分に荷物を載せられるように改造してあるのですが、結構大掛かりな感じで、相当費用がかかっていそうです。ヤマト運輸みたいな超大手がやるなら、とりあえずこういう始め方もできますが、全国いろんなところで始めようと思ったら、マイクロバスの路線バスが、荷台を牽引みたいなコストのかからない方法で始められないものでしょうか。
なんか法律でも邪魔しているかもしれないと少し調べてみました。
さっそく「貨客混載」で検索してみたのですが、あんまり情報がありません。そもそも「貨客混載」は事実上禁止されていましたが、今年2月に行われた交通政策審議会陸上交通分科会自動車部会の中間報告で規制緩和が必要と提言されているようです。
しかし、実際の規制緩和がどのように実行されて、このヤマト運輸の取り組みが実現しているのかはよくわかりません。
それはともかく、やはり「貨客混載」は禁止されていたのですね。こういう取り組みはもっともっと早く始まれたと思います。どうすればこういう動きが加速するのでしょうか。
小さな自治体が無数に連携する仕組みがいる
とにかくこれに尽きるのではないかと思います。こういった問題のニーズのあるところはたいてい小さな自治体です。でもそんなちいさな自治体の声は国には届きにくいでしょう。したがって規制緩和には時間が掛かると思います。ですから、まずはニーズを持っているちいさな自治体たちがお互いの存在を知ることが必要です。「え、あんたんとこも? うちもや」の連鎖です。それこそ facebook のようなところでつながればいいのだと思います。そういうところがたくさんあると分かれば、たとえば国交省なども話題にしやすくなります。
そしてそのようにつながっていれば、国交省側のニーズに応えることもできます。
たとえば、この記事にも紹介されているように、
過疎地の足 貨客混載で利便性向上を
課題はある。何より安全への配慮が最優先だ。事故やトラブルへの対応も考えておく必要がある。もともと規制されているのには訳があり、規制緩和するには緩和による問題をなるべく事前に把握しておく必要があります。
貨客混載を必要とする自治体のネットワークができていれば、国交省はこの問題をこれらの自治体に検討してもらうことができます。無数に、それぞれ少しずつ違う事情を持つ自治体が自分の立場で回答すれば、かなりいろんな情報が集まるはずです。どこかの自治体が完璧な答えを用意する必要はなく、あくまで自分の立場で応えるだけでいいのです。でも、たくさんの回答を集めることで、問題の検討が効率よく進むことでしょう。
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