野尻抱介(尻P)のブロマガ

2014年度シーズン後半の猟果

2015/03/26 20:42 投稿

コメント:75

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2014年度シーズン前半の猟果 の続き。

 2015年になって最初の猟果はオナガガモ♀。広い川の中程にいて、射程は40mほどあったが、いちかばちか、スリングショットで撃ってみたら命中した。硬い音がして漂流しはじめ、対岸に着いたところを回収した。

 ダッチオーブンでローストしたが、外側をキツネ色にしたいので燻煙してみることにした。スモークウッドを置いてみたら酸欠で火が消えてしまうので、ヤマザクラの枝を電動カンナで削ってチップにして、鍋底に敷いてみた。しかし思ったほど煙が出なかった。
 ローストそのものはうまくいったので、おいしくいただいた。


 1月16日、用水路にいたヒドリガモ♀をスリングショットで仕留めた。折りたたみ三つ叉フックで回収した。

 胸肉はソテーして「大鯨さんのチキンチャップ」ソースをかけておいしくいただいた。


 漁港で昼寝していたカルガモをスリングショットで仕留めた。一発では死なず、泳いで漁船の向こう側に隠れた。対岸にまわって、船に当てないよう慎重に狙って止め撃ちした。

 カルガモはまたダッチオーブンでロースト。焼き色はぱっとしないが、とてもおいしい。鴨の食べ方はこれがベストかもしれない。


 捕獲時の写真が撮れてないが、河川敷で仕留めたヒヨドリを串焼きでいただいた(写真左端)。ヒヨドリだけでは足りないのでスーパーで買った鶏肉で補った。


 わな猟はずっと続けていたのだが、なかなか猟果が出なかった。センサーカメラには3~4日に一度、ニホンジカ、イノシシ、タヌキなどが写る。しかしわなを踏んでくれない。以前コメントでいただいたアドバイスに従い、沢の水をかけて臭いを消し、米ぬかを置いて誘引しているのだが。
 2月15日で一般の猟期は終わったが、農業被害が深刻なニホンジカとイノシシに限り、もう1か月猟期がある。
 あきらめ半分でわなの見回りを続けていたところ――2月22日、私を待っていた者がいた。






 ニホンジカ♂、角の分岐数からすると2~3歳だろうか。ひとつ前のセンサーカメラに写っている個体(1月14日午前5時撮影)と同じかもしれない。
 ここから先は射殺・解体シーンの写真を載せるので、苦手な人は撤退されたい。

 生きた状態の獲物を殺す作業を止め刺し(とめさし or とどめさし)という。猟銃を使うことが多いが、棍棒で殴って気絶させ、ナイフで急所を刺したり、電撃で殺す方法もある。
 この鹿はおとなしく、わなは前肢にかかっているので、暴れてワイヤーロープをぶっちぎることはなさそうだ。しかし獣が断末魔の力を発揮すると何が起きるかわからないので、猟銃を使うことにした。
 家に猟銃を取りに行く間、Twitterで応援を呼びかけた。ニコニコ技術部のnikuさんが来てくれることになった。1705、山の麓でnikuさんと合流し、私の軽バンで林道を上がった。猟銃は日の出~日没の間しか使えない。この日の日没は1740で、あまり時間がなかった。
 現場は林道から10分ほどの尾根上にある。到着してすぐに射殺した。獣に猟銃を使うのは初めてなので、動画撮影した。

 

 使用した弾はOOOBk(トリプルオー・バック)で、直径9mmの鉛散弾が6個入っている。頸の中心を狙って撃ったところ、一発で即死した。
 後肢にザイルをかけ、木に逆さ吊りにして、マキリ包丁で頸動脈を切った。血がたらたら流れてきたが、コップ1~2杯というところだろう。十分な血抜きができたようには見えなかった。
 それから腹を割き、内臓を取り出して、近くに埋設処分した。
 この頃には真っ暗になっていた。ヘッドランプをつけ、鹿をシートで包み、二人でずるずる引きずりながら尾根を下った。よく知った場所だが、夜になると位置がわかりにくく、少しルートを外れてしまった。
 大汗をかいて車に鹿を積み込み、自宅に運んだ。90cm×180cmの合板をテラスに置き、シートを敷いた上に鹿を横たえ、nikuさんと二人で解体にとりかかった。


 前肢を持っているのはnikuさん。彼もこうした作業は初めてだったが、7~8割の作業をやってくれた。皮をひっぱってテンションをかけ、肉と皮の境目をナイフでなでるようにすると、割合簡単に剥がれる。すぐにコツをのみこんだnikuさんは、さすがのプロ整備士にしてニコニコ技術部員であった。しかし図体が大きいので、2時間ぐらいかかってしまった。


 解体作業しながら「ここ食えるかな?」「ここは食っていいのか?」「うまく血抜きできてなさそうから臭いかも?」という疑問が湧いてきた。そこで七輪を持ってきて炭火をおこし、切り取った肉をおそるおそる味見してみると…
 うめえ!と思わず声をあげてしまった。nikuさんもうめえ!と言った。
 臭みはまったくなく、柔らかく、強くはないが旨味もある。
 この巨大な肉塊が、ぜんぶうまいのか? 片っ端から焼いて、醤油ダレや塩コショウで食べてみた。だいたいうまい。わなのかかっていた右前肢はあちこち鬱血しており、ここだけは少し臭みがあったが、他はOKだった。鹿肉がこんなに癖のない味だとは思わなかった。
 23時頃までかかって解体と試食を終え、nikuさんと肉を山分けして、ひとまず終了とした。

 左は鹿をかけたくくりわなのシリンダー部分。塩ビ管が噛み砕かれていた。直径4mmのワイヤーロープも一部ささくれているので、使い捨てたほうがよさそうだ。
 右は止め撃ちに使った弾の使用前・使用後。使用後の散弾は鹿の頸部からでてきたもの。至近距離で着弾したせいか、二粒が融合している。動画でわかるとおり、頸を貫通した粒もあるが、これは回収していない。毛皮の弾痕は入射側が4~5個、出射側が2個あった。

 翌日、ペール缶を買ってきて頭骨と脚を煮込みにかかった。火を切ったりつけたりしながら10時間ほど煮ただろうか。
 その後、骨以外の組織を除けるだけ除いて、パイプクリーナー溶液に漬けた。パイプクリーナーは水酸化ナトリウムを含んでいるので、骨のまわりの組織を溶かす働きがある。
 足首部分は早めに引き上げ、軟骨を残したまま乾燥させている。
 背骨は大きすぎるので、庭に埋めておいた。


 一週間ほど漬け込んでから、残った軟組織を取り除くと、ハンサムな頭骨標本ができた。いずれ下顎骨と合わせて組み立てたい。

 続いて肉の調理である。

 後肢の腿肉を一部切り取り、塩胡椒をすりこんでダッチオーブンでローストしてみた。ちょっと焼きすぎたがおいしくいただけた。癖はないが、赤身だけなのでやや単調な味ではある。ソースに一工夫すればよさそうだ。

 背ロースは普通にソテーしておいしくいただけた。
 鹿肉をレストラン向けに出荷するときは、背ロースだけ切り取って、あとは廃棄することもあるというが…


 私はそんなもったいないことはしない。雑多な部位の肉を鍋で煮込んで「響カレー」にした。これは大変よく鹿肉にマッチした。



 これは圧力鍋で煮込んだ鹿肉の大和煮。缶詰にして軍隊でもよく使われる、便利なおかずだ。
 味付けが濃いので、どんな肉でもそれなりに食べられてしまう。鹿肉にはもったいない使い方だが、作ってみると、脂身がないせいか冷めても食感・食味がほとんど変わらず、弁当のおかずにもってこいだとわかった。

 鹿肉は網焼きでもいける。醤油だれもいいが、味噌だれに漬け込んでおくと日持ちもよく、とてもおいしかった。



 大きな腿肉がなかなか消費できないので、生ハムに加工した。塩胡椒をまぶしローリエとともに三日ほど漬け込む。これを3時間ほど真水で塩抜きしてから水気を拭き取り、燻製にする。写真中央の状態で下にスモークウッドを置き、段ボールをかぶせて3時間ほど燻煙した。
 ちょっと塩辛いが、いい香りの生ハムができた。狩猟肉は原則生食しないことにしているが、少し試食してみたところでは生がいちばん美味で、腹をこわすこともなかった。

 毛皮はなめすことにした。まず高圧洗浄機で内側に残った肉などをそぎ落とす。軽く乾かし、塩とミョウバンをまぜた粉を擦り込んだ。
 これを新聞紙ごと丸めて10日ほど放置した。


 10日後、丸めた毛皮をほどくと、塩・ミョウバンはしっとり湿ったペースト状になっていた。これをこすり落とし、内側全面にサラダ油をぬり、丸太の上で叩いたり伸ばしたり揉んだりしてなめした。
 少しごわごわしているが、柔軟性のある毛皮ができた。黒いたてがみが勇ましい感じだ。
 現在はなめし作業を兼ねて椅子に敷いている。奪った命がもたらしてくれる、柔らかなぬくもりを楽しんでいるところだ。

コメント

慎吾
No.76 (2015/03/30 00:48)
キツネさえ無事なら何でも良いキツネ倒したなら発狂してイエローストーンかシベリアトラップを噴火させてやる
それはそうとひぐちカッター
akakiTysqe
No.77 (2015/03/31 03:47)
>>4
先日鱸を頂き腸は捨てましたが肝臓は綺麗に外して酒蒸しにしました。濃厚な味でした。
シオン
No.78 (2015/04/05 23:55)
天然の毛皮か。ノミとかわきそうだな。 しっかし、うらやましいw
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