感染者の年齢の中心は51歳で、30歳代から60歳代が77・8%を占めた。男女差はほぼなかった。
症状は、発熱(87・9%)、乾いたせき(67・7%)、倦怠感(38・1%)、たんの発生(33・4%)などだった。
潜伏期間は平均で5~6日(全体では1~14日)。
患者の80%は軽症か中等症で、肺炎のあるケースもないケースもあった。
13・8%が呼吸困難などを伴う重症で、6・1%が重篤。
9歳までの死亡者数は0。
80才以上の感染者の致死率は21.9%と非常に高く、80才以上の感染者の5人に1人が亡くなる。
新型コロナウイルスの致死率は1%と言われている(2%以上との見方もある。武漢以外での致死率は0.8%)
この数字は、1957年に大流行したアジア風邪(致死率0.6%)と1918年のスペイン風邪(同2%)の中間に位置する。
持病のない人の致死率(1・4%)に比べ、持病のある人は致死率が高かった。
病気別では、心臓病のある人(13・2%)、糖尿病(9・2%)、高血圧(8・4%)、呼吸器疾患(8・0%)、がん(7・6%)。
新型コロナウイルスに感染しても、実際の発症率は4~5%。
感染しても95~96%は5日程度で自己治癒する。
最初の検査では陰性だったのに、再検査では陽性と診断されるケースも多いことが報告されている。
検体を採取する、のどで増殖するウイルスの量が、インフルエンザと比べても桁違いに少ないことが理由。
新型コロナ感染では、咽頭部でウイルスが増殖すると肺への移動は早く、倦怠感はインフルエンザよりかなり強い。
香港大学の疫学専門家、ガブリエル・レウング医師は、医学雑誌「ランセット」(2020年1月31日付)で、「このまま感染が抑制できない場合、世界人口の60%が感染する恐れがある」と警告。
韓国、イタリア、イラン、この3ヶ国で中国以外の感染者の80%を占める。日本は世界の2.2%。
日本でも新規患者数は、2月28日の24人をピークとして、やや減っている。
検査数が3倍の5690名になっても、患者数(有症数)は16名しか増えていない。
日本のPCR検査で陽性になった感染者の増加率はほぼ一定で、おおむね1週間で2倍になっている。このうち80%が入院し、毎週10%が退院している。
6週間で26=64倍になって1万人を超え、この80%が入院して10%が退院すると、4月上旬には指定医療機関のベッドがすべて埋まる。
軽症患者が急に増えれば、現在の仕組みでは陽性がわかると入院しなければならないため、医療現場は混乱する。
発症した全患者の中で院内感染が4割を超える。
18歳以下が感染者の2%程度で子供から子供への感染はほとんどないので一斉休校は効果が薄い。
新型コロナウイルスが発生する前、武漢の人口は1419万人だった。現在は約900万人に減っている。500万人以上が封鎖前に流出している。
中国のウイルス感染のピークは1月23日から2月2日となっており、湖北省に住む5000万人を封じ込めたことで、他の都市がウイルス対策に割く時間を作り、「おそらく数十万人」の感染を予防できた。
マスク着脱の際に手で口や鼻の周辺や目を触る機会が増え、接触感染のリスクが高まると指摘する専門家もいる。
のどなどから採取した検体を検査機関に送って、ウイルスが存在するかどうか遺伝子を増幅して調べるのがPCR(核酸増幅法)。
新型コロナウイルスの治療薬はネルフィナビルが最有力。
ウイルスの立場からすれば、宿主を殺せば増殖できなくなり、存続できなくなる。
COVID-19も動物由来のウイルスであれば、今後数週間に新しい宿主に適応するにつれて、症状の重篤さが和らぎ、流行の猛威は収まっていくと考えられる。
突然変異によってウイルスの感染力が強化される傾向はない。
SARSの研究では、突然変異は実際、感染能力の縮小をもたらした。
新型コロナウイルス(COVID-19)が発生した期間は2019年9月23日から2019年12月15日の間である可能性が高い。
新型コロナウイルスは、センザンコウコロナウイルスとコウモリの持つウイルスであるRaTG13が組み合わさって誕生した可能性がある。
1918年のスペイン風邪は、感染者が死ぬか、免疫を獲得し、ウイルスがとりつく新たな宿主がほとんどいなくなった時点で終息した。
1957年のアジア風邪はワクチンが早期に開発され、抗生物質で合併症が抑えられ、一部の人たちが免疫を獲得したことがあいまってコントロールできる状態になった。
1918年のスペイン風邪では、住民の接触を制限したセントルイスは、行政が何も介入しなかったフィラデルフィアに比べて、死者を1/8以下におさえることができた。
SARSやMERSは終息までにそれぞれ8ヵ月、7ヵ月かかっている。
新型コロナウイルスは肺でも増えるし、上気道(気道の上部)、つまり喉のあたりでも増える。
上気道でウイルスが増えた場合、症状は軽いけれど、喉のあたりでウイルスがたくさんあるから、簡単に感染。
喫煙者は新型コロナウイルスの致死率が3倍という調査結果。
感染率がダイヤモンド・プリンセス号の半分の10%、致死率は10代~40代の中間値0.3%とした場合でも、満員電車1列車あたりの乗客3000人のうち、1人が死亡する計算になる。
今後考えられる3つのシナリオ
①感染が拡大し世界的なパンデミックになる
②症例の大部分が中国国内にとどまり自然に終息する
③消滅せず現在のインフルエンザのように季節的な流行を繰り返す別の疾患になる
中国で発生した患者の年齢分布
・80歳以上: 3%
・30~79歳: 87%
・20~29歳: 8%
・10~19歳: 1%
・10歳以下: 1%
日本で発生した患者の年齢分布
・80歳以上: 16人
・70~79歳: 34人
・60~69歳: 51人
・50~59歳: 44人
・40~49歳: 30人
・30~39歳: 16人
・20~29歳: 19人
・10~19歳: 2人
・10歳以下: 4人
不特定多数の集まる閉鎖空間、パチンコ・カラオケ・劇場スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テントは感染を拡大する「ハブ」になりやすい。
今シーズンのインフルエンザ感染者は675万人(死者1000人)。
新型コロナよりインフルの方が5000倍リスクが高い。
インフルエンザで亡くなる人、2016年1463人→2017年2569人→2018年3325人。ここ数年、インフルエンザで亡くなる人が増えている。
2019年も1~9月の集計で、すでに3000人超。
インフルエンザで亡くなる人は、75歳以上の死亡が84%(2809人)に上っており、そのうち85歳以上だけでも60%を超えている(2003人)。
インフルエンザでも重症化する子どもは少ない。
1957年の「アジアかぜ」によるピーク7735人から、1970年代までインフルエンザ死亡者数は、おおむね減少傾向をたどり、1980年代~90年代前半は、1000人以下の少ないレベルに止まっていた。
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