2018年のニコプロ、1発目の放送が元日1月1日の20時から東京女子プロレスの中継に決定した。
東京女子プロレスは“イッテンヨン”(2018年1月4日)に後楽園ホールでビッグマッチを控えているため、12月23日の新木場大会はその前までに放送したいということもあったが、大会中継をする度に必ず「初見です」「はじめて見ます」というコメントが必ず見られる東京女子は、ニコプロで放送している団体の中でも、やや異質な存在だ。
なにせ東京女子プロレスの大会は、すべてDDTの動画配信サービス『DDT UNIVERSE』で視聴することが出来る。だから東京女子のファンはUNIVERSEに入会するのが一番だろう。
確かにニコプロにはたくさんのプロレスファンが会員として存在する。だが、東京女子プロレスは基本的には鎖国体制で、他団体との絡みがほとんどない。だから他団体のファンからしたら「あの選手が参戦するなら見てみよう」と思うようなことがあまりない。
しかし何がキッカケになるかは分からない。1・4後楽園大会はAbemaTVで生中継されるようだが、「タダで見られるなら」という理由で見る人もいるだろう。アップアップガールズのファンだからという理由で見る人もいるだろう。
だから「○○○って団体のファンだからニコプロの会員なんだけど、ニコプロで中継されるなら試しに東京女子を見てみよう」そう思う人だっているはずだ。ニコプロ会員で正月は家にいるからとか、1月1日だからこの日会員になれば得だなってことで、この日の放送をたまたま見てくれる人だっているかもしれない。
ちょっとでも興味を持ってもらうために、イッテンヨンに才木玲佳が保持しているTOKYOプリンセスオブプリンセス王座への挑戦が決まっている山下実優、そして東京女子にレギュラー参戦している瑞希&我闘雲舞の絶対エース里歩の挑戦を受けるTOKYOプリンセスタッグ王者の坂崎ユカが、“元日から生出演”する。
ニコプロはプロレス動画サービスのいわばポータルサイトだ。今後、自社で動画配信サービスをはじめる団体が増える可能性もあるが、東京女子のようにニコプロでも大会を中継し、選手自らコメンタリーをすることで、「試しに見てみる」キッカケになる可能性だってあると思う。
元日の東京女子プロレス12・23新木場大会中継をご覧いただく際、ひとつ注目していただきたいのが所属ではない選手だ。現シングル王者の才木のパワー、王者らしい強さはもちろんのこと、以前は違う団体にいた瑞希とまなせゆうなは東京女子のリングがフィットしたようで、実にイキイキ試合をしている。元々持っていた魅力がここに来て爆発してると言ってもいいだろう。
さらにLinQというアイドルグループにいた伊藤麻希は、柔道技を使う前シングル王者の優宇に対して「アイドルなのに顔がデカイ」と言われたその顔(というか頭)で一本足頭突きを叩き込み、歯を食いしばって食らい付いていく。
メディア露出が増えて注目度が増すほど、中途半端なことをしていたらこのご時世すぐに飽きられてしまう。以前他団体にいた選手も、アイドルという違うジャンルで活躍していた伊藤でさえも、東京女子プロレスで生き残っていくためには持っている魅力を爆発させて、必死に食らい付いていくしかないのだ。
一方、2013年のプレイベントから東京女子をここまで大きくしてきたのが、山下をはじめとする所属選手たちだ。AbemaTVでの中継もはじまり、東京女子がもうひとつ上のステージを目指す2018年……大一番直前の山下と坂崎が、元日のニコニコプロレスチャンネルというリングで、東京女子プロレスをどうアピールするか注目したい。
文●佐瀬順一
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