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自転車車道走行の理由に歩行者保護を入れたくない理由

2014/01/17 19:20 投稿

コメント:1

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まず最初に、自転車が歩行者と事故を起こさない方が良いと、当然自分は考えています。

そして、社会が自転車と歩行者との事故を減らしたいと思う事にも賛成します。

ならば、世間のニュースに流れているまま

「自転車と歩行者の事故が増えていて減らす為に自転車は車道走行すべきだ」

という意見に乗っかる方が圧倒的に楽ですが、いくつかの理由がありそれに同意する事はできません。
しかし、これに同意できないのは言わば一般社会に対する反抗なので、歩行者を保護したい気持ちで車道を走られる自転車の方々に対して向ける意図は一切ありません。

また、一部個人の方へ向けてのメッセージ的な部分があります。
その一部分に関しては問題解決後に削除する予定です。
*1/19 12:30 完全削除


理由1

「事故増加のデータが不適切」

事故のデータは警察が公表しております。
事故とは警察が事故として取り扱った物で、年間何件かというのを数えてデータにしてくれています。
警察があまり好きでは無い自分としても、例えば2012年に自転車と歩行者との事故を警察が2625件取り扱ったという事は信用しています。
(写真資料は http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001108012 の31ページ)

図1




しかし、これは警察が取り扱っただけの数字であり、自転車と歩行者との事故は通報率が5.8%という調査があります。
http://www.mlit.go.jp/common/000164753.pdf 資料内ページ6)

この調査をある程度信用するのであれば、自転車と歩行者がぶつかる事象は、警察が事故として取り扱った件数の10倍以上になります。
仮に2012年の自転車と歩行者事故の通報率が5%だとして、2013年にその通報率が7.5%まで上がり、しかも自転車と歩行者がぶつかる事象が変わらないとすると、2013年の自転車と歩行者の事故件数は2012年比で50%アップとなってしまいます。

この通報率ですが、日本自転車普及協会の2006年の調査では5.8%となっていますが、自分が調べた範囲で、2006年以外の通報率を知る事ができませんでした。
そしてこの調査も、2000人程度の聞き取り調査なので参考程度にしかなりません。



さてここまでは序章のような物で、ここからが本編です。
自転車と歩行者との事故数は以下の図2のように増加してきました。
(警察資料より作成した物。元データの出典不明。)
図2





1998年には600件程度です。


さて、1998年に自転車と歩行者のがぶつかる事象は何件あったでしょう?
警察が事故として把握しているのが約600件ですが、

本当にそれだけしか無かったと思いますか?

もしくは、通報率が2006年の5.8%でずっと固定されていると思いますか?


自分は2000年前後の数年間で劇的に通報率が上がったと考えています。

その理由ですが、まず第一に、自転車と歩行者との事故で亡くなられる方の数は、ほぼ横ばいというか、率として比較するには不適当なくらい少なく
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001108012 の31P 2002以前の資料が見つからなかったが、1桁で推移していたと記憶)
、軽症事故ばかりが増加しているからです。

図3




(グラフ出典 http://www.itarda.or.jp/itardainfomation/info46.pdf 5ページ)


図3の重傷軽症事故のグラフを見て何かおかしいと思いませんか?


図4は全ての事故の発生件数と死者数が分かりやすかったグラフです。
2つ目には平成11年辺りにピンクの線を加えました。
(出典は恐らく警察の事故統計資料)
















図2と図3、図4を比較してご覧になって下さい。

平成11年に自転車・歩行者の軽症事故が大幅に増加しましたが、全ての交通事故も同じ時期に大幅に増加している事が判ると思います。

図4には死者数が書かれていますが、自転車と歩行者の事故と違い、数千人単位で毎年亡くなられているので、これは資料価値としてはかなり高いと思うのですが、平成元年からほぼ同じような割合で減少し続けているのが分かります。


何故全体事故の数が急に増えたのに、死者数は減り続けるのでしょうか?


何故自転車軽症事故が平成11年に急に倍増以上したのでしょうか?



自転車乗りのマナーが悪化したから?自転車通勤が増えたから?ロードバイクが増えたから?

一般に流布された説でこれが説明できるでしょうか?



自分は、携帯電話の普及率の上昇によって通報がよりし易くなったか、警察の方針転換で、軽微な事故をきちんと取り扱うようになったからだと考えています。

携帯電話普及率(http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/6350.html

こじつけになりかねませんが、自転車と歩行者の事故の増加グラフと交通事故全体のグラフ、携帯電話の普及率のグラフを見ると、かなりの相関関係があります。


勘違いして頂きたく無いのは、事故の増加の原因を携帯電話普及による軽微な物が通報されるようになったという、全く一般的でない自説をここで納得して頂く事では無く、


「自転車・歩行者事故増加のデータが不適切、特に2000年前後!」


と言う事を主張したいのです。





理由2 

「減るにしても増えるにしても、因果関係が今の段階で全く分からないから」

長々しく上記説明した状況なので、自転車と歩行者の事故を減らそうと努力しても、何をやったからどれだけ減ったか?というのが通報率が低すぎて分かりません。

同じ通報率が続いているだろうという仮定に基づいて対策するのは悪くないかもしれませんが、通報率がほんの1%変化するだけで、事故が20%も増えてしまうので、例え自転車と歩行者がぶつかる事象が減っても、通報する人が増えると事故が増えてしまい、それの対策を取ってしまう事にメリットを感じません。

もし仮に自転車と歩行者の事故の実態を知りたいのであれば、もっと強烈に通報するシステムなどが必要になるでしょう。

もしそれが実現するとしたら、年間数万件もの無傷の事故処理を警察がする事になります。

その時になれば、自転車と歩行者との事故の実態が分かるようになり、仮にですが、軽症事故1万件くらいで、重傷事故500件くらいというような実態が判るのでしょう。

しかし、それが本当に我々にとっての幸せなのでしょうか?

それを実現する為にどれだけの労力が必要なのでしょうか?


理由3

「事故の被害者数が少なすぎるから」

まず最初に、自転車にぶつかられた事で大きな怪我をされている方が少なからずいらっしゃいます。
その方々の中には、「被害者が少なすぎるから」と見てお気を悪くされる方がいらっしゃるかもしれません。
自分も自転車に乗る一人として歩行者を傷つける可能性を少しでも減らそうと努力しております。

という前提でお読み下さい。

理由1の中でいくつもの資料を出しましたが、自転車と歩行者との事故は最大でも3000件程度でしたし、亡くなられる方は2007年の8名が最大。
それを含め概ね5名程度で推移していて、急増の気配がありません。

重傷事故は実数を見ていないのですが、図3から200~400件程度と推測します。
それ以外はほとんど軽症事故です。

自転車の利便性と被害者(重傷200~400人、死者5人)の数を考え、それと自動車の利便性と被害者(重傷者4,5万人、死亡者4500人)を比較した場合、自転車が歩行者を保護すべき対策をしても、利益がとても薄いと思います。


仮に自転車に圧倒的歩行者保護対策を施し大成功しても、年間あたり事故で重傷を負う方は最大減っても数百人にしかなりませんし、亡くなられる方の数はどんなに減っても5人ですし、5人を0人にするという努力は物凄く大変で、対策費は数百兆円規模になるのではないでしょうか?

一方、自転車と車との事故で亡くなられる方はここ数年かなり減りつつありますが、それでも500人程度はいらっしゃいます。

自転車対歩行者の死者数5人を0人にするのはほぼ不可能ですが、自転車と車の事故死者数を200人減らす事は比較的容易です。

どちらも減る事は社会にとって利益でありますが、減りにくい物を減らす努力より、減りやすい物を減らす努力を優先すべきだと思います。



理由4

「自転車が車道を走る事による歩行者保護の効果が不明」

自転車が車道を走る方が歩行者保護の役に立つと自分も思っていますが、一説によると自転車と歩行者との事故の4割は歩道上との事。
(「公益財団法人交通事故総合分析センター 第15回研究発表会資料」より)

歩道上の事故が無くなるとしても減るのは全体の4割ですし、歩道のある道路の車道で自転車と歩行者とが死亡事故を起こしている例もいくつもあります。

個別の例を挙げるのは不適切ですが、車道を自転車が走るようになり、スピードアップしたとして、それによって歩行者との重大事故が増える可能性も無くは無いです。(多分無いと思いますが)

何にしても、車道を自転車が走ると明確に歩行者との事故が減るという調査はあるのでしょうか?

又、自分は自転車関係の事故報道をなるべく見るようにしているのですが、所謂歩道暴走が原因と思われる自転車と歩行者の死亡事故というのは少なく、それよりは暗かったり、見通しが悪かったりという交差点系の方が多いという印象です。

これは個別の羅列を見た個人の印象ですのでいくらでも覆りますので、是非ともこの点反論したい方は、歩道上で起きた自転車と歩行者との重大事故の事例を複数ご紹介下さい。

別に車道走行によって歩行者保護ができない、と言いたい訳では無く、それを示す資料を見た事が無いというだけで、まぁ理由4はあっても無くても良いような物です。


理由5

「それ以外のメリットが大きい」

自転車が車道走行をすると速度を上げる事ができるし、自動車との事故率が下がるとも言われています。
自動車との事故率の話を掘り下げると、同じ長さのブログ記事をもう一つ書かなくてはいけなさそうなので割愛致します。

以上、自分が自転車車道走行の理由に歩行者保護を入れたくなり理由でした。

長文、乱文にお付き合い頂きありがとうございました。



コメント

レディオ (著者)
No.1 (2014/01/17 20:32)
一部編集。仮削除しました。
20140117 20:30
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