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自転車ヘルメットで実際どれくらい死者が減るんだろ?

2017/02/24 15:47 投稿

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結論を先に書きます。
自転車がヘルメットを着けてどれくらい死者が減るのか自分には分かりません。
多分減るのだろうと思います。というかそれを信じて着けてます。

とある記事で4分の1になると紹介されていました。
その記事で紹介されていた調査がおかしいんじゃないかな?という事を書いてみました。
ここで紹介されている事故減少数の比較はおかしいです。
ヘルメット着用死亡率も年齢が無視されているので信頼性が低いです。

という事で、お時間ある方は先をお読みください。



まずはあまり意味の無い自分の話と、記事を書こうと思った経緯。

自分が自転車に乗っていた時期は、子供の頃(小学生くらい~大学の最初の頃)と大人になってからの約10年間に分かれています。

子供の頃にどんな感じで乗っていたのかたまに思い出すと、よくぞ事故を起こさずに済んだなぁと、自らの幸運と反射神経?運動神経?、それから自分の周りを走っていた車に感謝感謝。

大人になってからは色々調べたり疑ったりするのが癖になっていたし、車を運転するようになって交通ルールと事故の悲惨さを考えていたので、自転車に乗る時にもそれなりに調べてからにしていました。

最初数ヶ月はヘルメットに抵抗があったのでしていませんでしたが、長距離移動では着けるようになり、その後は近距離でも着けるようになりました。

着けようと思ったキッカケは「自転車死亡事故、損傷主部位の7割は頭部だ」というような説を見たからで、これで死ぬ確率が相当減っただろうと思いました。

恥ずかしながら自転車に乗っていて車との事故が1回、(立ちコケ以外で)単独で転んだのが2回ありまして、単独の2回とも頭部を打ちヘルメットが壊れてしまいました。

ひょっとしてヘルメットしていなかったら、その2度で死んでいたかもしれないので、ヘルメットを着けていて良かったような気もしますし、一度転んで壊れる物ってどーなんだろうともちょっと思ったり思わなかったり。

今後、もっと派手に頭をぶつける事故をやるかもしれないですし、今やヘルメットに全く抵抗も無く、というか、ヘルメット無しには不安で自転車に乗るのが怖くなってしまっているので誰が何と言おうと着け続けます。

という自分の話はさて置き、世間一般に最近広まりつつある「ヘルメット安全神話」について考えて見たいと思います。

前々から「ヘルメット安全神話」については疑問がありまして、今回ツイッターのTLで見かけた「死亡リスクが4分の1に!事故から身を守る自転車ヘルメット&ギア5選」という記事(http://dime.jp/genre/350009/)を読み、その中で紹介されているヘルメットに関する分析レポート(https://www.itarda.or.jp/itardainfomation/info97.pdf)を読んで、都合良くデータを取捨選択したり、死者と死傷者を都合よく使い分けて印象操作をしているなぁと。

という事で、それらを指摘していきたいと思います。





という事でやっと本編。

まずは自転車事故の負傷者についての突っ込みです。

2ページ目の2に

「2 他の事故と比べて自転車乗用中の死傷者は減っていない」
と書かれてあり、その最後には
「自転車乗用中の死者数や負傷者数は他の交通手段に比べて減り幅が小さい

と目立つように書かれていました。

完全な嘘を書いている訳ではありませんが、このグラフを見て、この見出しや結論を書く事に疑問を抱きます。




まず死者数ですが、四輪車が(10年間で)半減以下という減少が突出していて、それ以外は似たり寄ったり。歩行者・自転車・二輪が大体4割減と見るのが妥当ではないでしょうか。
(細かいですが、一応自転車よりも歩行者の死者数の方が減少幅が小さいです)

10年間で4割も死者数が減るというのはとてつもない減少ですけど、見出しや結論を見て、死亡事故が激減している状況を勘違いされる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

続いて負傷者についてです。

こちらは確かに平成13年と23年の数を比べると自転車の負傷者の減少幅が一番小さいです。
ですが、これよく見てみると自転車だけ何故か16年まで増えていて、その後減っているのですよね。

これ、仮に平成16年スタートで23年まで比べたら自転車の減り幅の方が他の物よりも大きくなります。

この調査が24年に作られたので、この当時に「減り幅が小さい」と書くのは1000歩譲ればまぁ仕方無いとは思いますけど、今は平成29年。
去年出た事故分析を見ても、別段自転車の死傷者数の増減がそれ程減ってないと気になる事は無く、というか、単独死亡事故増えすぎだろ!って事以外は順調に減ってるなぁくらいしか思えませんでした。(単独死亡事故の記事はいくつか書いているので興味あったら読んで見て下さい)

こんなデータは平成24年にしか出せない物なのだろうと思いますし、その時に自転車の減り幅が一番小さいとしても、他と比べたって大差無いです。

この程度を特筆すべきでもないし、物凄く都合良く、というか特定の意思というか、物凄く悪く言えば悪意を持ってデータを見ない限りは「他の事故と比べて自転車乗用中の死傷者は減っていない」
とは書けないと思います。
なので、こんなデータを使って平成29年に自転車の死亡リスク云々の記事を書くのはどうなのでしょうか。

余談ですが、このグラフを見てまず思うのは、全体的に(特に四輪は)死亡者数が激減しているのに、負傷者数はそれ程減っていないなぁという事で、緊急医療や四輪の中の安全性がとても上がった事なはずで、自転車云々と思う時点でどうなのかなぁと。

自転車の負傷者数だって減っています。(減り方に不満があってもいいですけど)
これは他の何かと比べる事でもありません。
比べたとしても、それ程差はありません。
条件を変えれば自転車の減り方は他よりも大きいです。





続いてヘルメットの効果のデータについてです。

5ページ目の6のデータでは、頭部損傷した事故での死亡率を、ヘルメット非着用と、着用、着用していたけど離脱してしまった物とを比べています。

これが、某記事に書かれていた死亡リスク4分の1の根拠なのでしょうね。

これも先ほどまでとはいかなくても、同じくらい結果ありきで都合よく書かれているように感じました。


非着用の死者数が5年間で2181人です。(頭部損傷の事故だけを抜き出した数)
一方で死傷者数が94922人で、その割合が2.30%となっています。

どっからどこまでを頭部損傷にしたのかよくわかりませんが、10万人くらいの事故に対して2000人くらいの死者数なら、まぁそんな感じなのかなぁと思いますが、次の着用→離脱は1000人の死傷者に対して22人の死者で、その割合を2.05%、そしてヘルメット着用は死傷者4700人に対して22人で0.57%としています。

コレ、比べるにしては数が違いすぎる(特に着用→離脱)のと、とてつもなく重要な事を完全にスルーしています。

自転車事故の死者数は圧倒的に高齢者が多いです。
ですが、軽症を多く含む事故総数で言えば子供がとてつもなく多いです。

なので、死亡率を出す時には年齢を考慮しないと駄目です。

ヘルメット着用率が全年齢等しいなら良いのですが、果たしてそうでしょうか?

死傷者の数で比べるとヘルメット着用と非着用の割合は5:95になっています。
比べた5年間は恐らく平成23年までの5年間なのでしょう。

仮にヘルメット着用率がこの事故率のまま5%だとして、高齢者が5%もヘルメット着用していたでしょうか?
最近では小さな子供がヘルメットをよくしていますが、10年前とか5年前はそれ程でもありませんでした。
なので当然ながら、着用率を5%まで上げているのは、通学でヘルメット着用が義務化された中高生の影響です。

全体の着用率はどうでもいいですね、ヘルメット着用者に年齢の偏りが大きくあるので、ヘルメット非着用の死傷者数10万人・死者数2000人の年齢と、着用の死傷者数4700人・死者数27人のそれぞれの年齢構成が書かれていないと不適切です。

同じ事故に遭っても、高齢者だと重症化したり亡くなったりしても、若者だと何事も無くピンピンしてる場合が結構ありますからね。

一応、着用→離脱有りがあるので、そこら辺考慮されてるように思えなくもないですけど、上記した通り数が少なすぎるし、分類の定義がよくわからないんですよね。

心優しく、信じたい人にとってはひょっとしたら十分かもしれないですけど、年齢の偏りが大きくあるのにそれを無視してる時点で駄目ですよね。


それに続いて「7中学生・高校生はヘルメットが必需品です!」では、先ほど死亡率で比較したにも関わらず、死者数とは全く別の死傷者しか載せていません。
死傷者数の殆どは軽症で、特に若いと死亡率はとても低いです。
こちらでは年齢で分けているのに、先ほどの死亡率では無視しているという所に悪質性を感じました。(今回記事を書いたのもそのせいかも)

6と7を組み合わせて何かの勘違いを誘発しているのでしょうかね。




という事で、結論は最初に書いた通りです。

特に事故数比較を見ると、自転車を危険だと思わせるために調査を斜め読みをした物が氾濫している事が再認識できました。


最後に

ヘルメット常用者として安全度がどの程度上がっているのか正しく知りたいです。

ヘルメットを着けるとどの程度安全になるかは、ヘルメット着用義務の通学中の中高生と、そうではない中高生の事故数と死亡率を比べるのが比較的簡単だし、良いのじゃないのかなぁと、なんとなく思います。

それで比べたとしたら、何となくの予想だと、高くても数十%から2倍くらいな差な気がします。(それだけあれば十分かなぁと)


着用→離脱も4倍弱だから、4倍の可能性はまぁ無いとは言えないですけど、そもそも年齢無視して死亡リスク比較なんて駄目ですよね。


ヘルメットに関しては別に着けるだけですし、着けた事でより危険になる事は有り得ないと思われるので、多少変な調査でも許されるのかもしれませんけど、効果がどちらか分からない時にも変な情報が横行する事があります。

正しい情報だけでもヘルメット普及効果は問題無く出せるはずだと思うので、より良い情報を使うようになって欲しい物です。


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