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ねここねこね

食欲の秋

2013/09/26 21:17 投稿

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「ねーねー、ゆかりちゃん。焼き芋しよう。」
「え?いきなりどうしたんですか。確かにもうそんな季節にもなりましたが。」
「そこに焼き芋があるからさ。」
「いや、焼き芋どころか芋もありませんが。」
「じょ、冗談だって。だからそんな顔で見ないで…。」
私は別に怖い顔なんてしていませんよ。まったくマキさんったら。
「落ち葉を見てたらふと思ったんだ。この落ち葉ってこの後どうなるんだろうって。そしたらマキさん閃いたの。そうだ、焼き芋をしよう、と。」
もしかして今キリッっていいました?
「はぁ…。」
またいつものマキさん思いつきですね。行動的で私なら疲れそうです。それに確かに落ち葉は沢山ありますが、これは先日の台風で落ちたせいであって、枯葉ではないですよね。まだ緑色ですし。
「焼き芋やるとしてどこでやるつもりですか?」
「うーん公園?落ち葉たくさんあるよね。」
「そんなことやったら通報されちゃいますよ。」
「え、そうなの。それじゃあうちの庭でやる?落ち葉集めないといけないね。」
「そもそも最近は勝手に焚き火とかしてはいけないんですよ。」
「え、そうなの?でも庭でバーベキューやってる人とかいない?」
「確かにそうですね。なんにせよ落ち葉での焚き木は危険ですし、バーベキュー用のコンロと炭で焼きましょう。」
「石焼きならぬ炭焼きだねゆかりちゃん!」
「はいはい、そうですね。道具は持ってるんですか?」
「 毎年夏はやってるからね。問題ないよ。」
「それなら後は主役のサツマイモですね。どうしましょうか。」
「ゆかりちゃんに任せた。」
「はいはい、そうなると思ってましたよ。適当に用意しておきます。」
まったく、マキさんはいつも肝心なところが私任せなんですから。これでは将来が心配です。
さて、サツマイモですか、小学校のころ生活の授業か何かで育てましたね。その時は校庭で落ち葉で焚き火をして焼き芋をしたんでしたっけ。近くで育てている人なんて知りませんし、スーパーで買ってきましょう。
「楽しみだねゆかりちゃん。」
「はいはい、私も楽しみですよマキさん。」
美味しいサツマイモの見分け方ってどうなんでしょうね。あとで調べておきましょう。

〜後日〜

そろそろマキさん家に行きましょうか。道具はマキさんが準備してくれますから、私はサツマイモを持って行きましょう。そういえばサツマイモを買う時、近くに栗や銀杏なんかもおいてあり、どれも美味しそうでした。栗なんてサツマイモと一緒に焼き栗にできそうです。まぁ、囲炉裏から栗が跳びだしてきても困りますしね。私は猿ではなくウサギですが。背後に燃えるものを持っている時は気をつけてくださいね。
さて、マキさんの方の準備どうでしょう。あぁ、庭で何かしていますね。
「マキさん、こんにちは。何か手伝うことはありませんか?」
「おーゆかりちゃん、いらっしゃい!道具出してるからさ、ゆかりちゃんはお芋の準備してて。」
はい、わかりました。と言ったものの、さてどうしましょうか。準備と言っても新聞紙とアルミホイルくらいですしね。そうだ、アルミホイルだけで包むものと、濡れた新聞紙で包んでからアルミホイルで包んだものを用意して食べ比べでもしてみましょう。
「マキさん、こちらはもう準備できていますよ。」
「こっちも出来たよ。あとは火をつけてそれを中に入れて待つだけだね。楽しみだなー。そういえば、お芋ってどれくらいで焼けるの?」
「そうですね、この大きさですと、30分くらいでしょうか。」
「そっかー焼きあがるまで暇だね。何か一緒に焼いちゃおっか。マシュマロなんてどう?」
「あまり食べ過ぎて焼き芋が食べられないなんて言わないでくださいよ?」
「大丈夫だって。それじゃあ火を付けたら取ってくるね。」
木炭を組み、着火剤をかけてライターで火をつけながらマキさんが言いました。
「ゆかりちゃんは火を見ててね。」
そういうとマキさんは家の中に入っていってしまいました。
マキさんは本当に食べるのが好きで、美味しそうに食べるんですよね。ついそれが可愛くって食べさせちゃうんです。あんなに食べるのに体型が変わらないのはなんでなんしょう。
「ゆかりちゃん、持ってきたよー。はい、マシュマロと串ね。刺して炙ろう。」
マキさんはさっそく炭でマシュマロを炙りだしました。私もそれに習い、マシュマロを炭に近づけましょう。
「すぐ焼けるから気をつけてね。焦げちゃうとおいしくないよ。」
んー、おいしいね、ゆかりちゃん。速い、すでにマキさんは口に入れていました。さて私も頂きましょう。
うん、おいしい。実はマシュマロ自体はそんなにあの食感があまり好きじゃないんですけど、焼くとトロッとクリームみたいで美味しいんですよね。何かビスケットかなにかにもよく合ういそうです。
「マキさんはマシュマロ好きなんですか?」
「うん、好きだよ。焼いても焼かなくても好き。でも秋はやっぱり秋のものがいいよね。サツマイモとか栗とか。ゆかりちゃんは秋の味覚っていったら何が出てくる?。」
「そうですね、さっきマキさんが言った以外ですと、やはりサンマや柿でしょう。梨もいいですよね。秋月なんてまさに秋っていう感じの品種もありますし。」
「梨か―、私は夏のイメージかな。スイカと梨どっちがいいって聞かれている気がするよ。」
「もちろん梨は夏の時期に旬になる品種もあります。幸水とかが有名ですね。」
「そうなんだ、ゆかりちゃんよく知ってるね。」
そんなことを話しているとそろそろいい時間になってきた。
「ゆかりちゃん、そろそろいいんじゃないかな?」
「そうですね、竹串を刺してみてスッと刺されば食べられますよ。」
よし、いいでしょう。
「出来てるみたいですよ。熱いので気をつけて取って食べましょう。」
気をつけながらアルミホイルに包まれたサツマイモを取り、アルミホイルを剥きました。
「あれ、これ新聞紙巻いてないよ?」
私の方のサツマイモは新聞紙が巻いてある方でしたが、どうやらマキさんの方は巻いていない方だったようです。
「それはですね、濡れた新聞紙を巻いたものと巻かないもので味がどう変わるか食べ比べしようと思いまして。」
「そうだったんだ。はい、じゃあゆかりちゃんこっちの食べてみて?」
マキさんの食べかけのサツマイモ・・。こ、この展開は予測していませんでした。断るのも悪いですし、別に友達同士なら普通ですよね。
「ありがとうございますマキさん。」
「じゃあゆかりちゃんのもちょうだい。」
あぁ、やっぱり。そうなりますよね。意識してしまうからいけないのです。自然にいきましょう。
「はい、マキさん。」
あーん。ってなにしてるんですかマキさん。
「食べさせてくれないのー?」
そんな目で見ないで下さい。普通フツウ、女の子どうしならフツウデス。
「あ、あーん・・。」
「ありがとーうん、おいしーね。」
マキさんの笑顔が眩しいです・・。
「で、どっちが美味しかった?」
あぁ、そうでした。元々は食べ比べをするのが目的でした。
「どちらも美味しいですね。強いて言えば普段は蒸し芋なので、濡れた新聞紙の方が馴染みはありますね。アルミホイルだけの方が焼き芋って感じは出ていると思います。なのであとは好みの問題ですね。」
「そっかー私はゆかりちゃんに食べさせて貰ったほうがおいしかったかな。」
あぁマキさん、なんでそんなに笑顔で言うんですか。顔が熱くてたまりません。マキさんに気付かれなければいいんですが。こうなったら、おかえしです。
「実を言うと私もマキさんに食べさせてもらったほうが美味しかったです。」
うぇぁ?!みたいなよくわからない声をあげてマキさんも顔が赤くなっています。私だけ照れさせようたってそうはいきません。あぁ、私の方も更に熱くなってきたようです。もう、せっかくの焼き芋も味がわからなくなってしまいました。

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