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神の暗号 神秘のパズルカービィボウル 第2回 解けないはずのパズル

2017/02/12 10:26 投稿

コメント:12

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前回は、駆け足でカービィボウルミステリーの1つの問題を解いた。
しかしながら、前回の内容は、本来であれば4~5回目くらいの内容で、本当はその前にいくつか解決しておかなければならない問題が存在する。では、なぜ最初にそこからはじめたかと言うと、カービィボウルというゲームが、いかに特殊なゲームであるかを実感してもらうためである。

さて何回か言っているが、私はカービィボウルはミステリーだと考えている。これがどういうことか説明しよう。

ミステリーの基本は、犯人が何らかのトリックを行い、探偵(読者)がそれを推理するという構図にある。そして、この構図をより細かく見るなら、探偵(読者)は証拠という観測可能なものから、トリックという観測できないものを推理している。

では、下記の場合はミステリーだろうか?
1.探偵(読者)が最初からトリックを知っている場合
2.探偵(読者)が原理的にトリックを推理不可能な場合
結論から言えば、私は、両方ともミステリーではないと考えている。なぜなら、ミステリーの構図を満たすためには、探偵(読者)がトリックを推理する過程が必要であり、最初からトリックにたどり着いている場合や、最後までトリックにたどり着けない場合は、この要素を満たすことが出来ないからである。

そう考えると、カービィボウルというゲームの特殊性が見えてくる。

まず、多くのゲームでは、画面の解像度の関係で、ゲーム内で使われている座標や速度を正確に観測することは難しい。

たとえば、カービィボウルの場合も、画面上はチェック柄の1マスが縦16ドット×横32ドットのひし形として描写されているが、内部の値としては、チェック柄の1マスは32768×32768の大きさをしている。つまり、描写上はまったく同じ位置にいるように見えても、内部の座標としては別である可能性もあるのだ。

そして、座標が正確でなければ、もちろん速度も正確には測れない。そして、その他の観測できる情報から、ゲーム内部で使われている座標や速度を正確に知ることは、普通は不可能である。だから、ほとんどのゲームは、2.の「探偵(読者)が原理的にトリックを推理不可能な場合」に相当し、ミステリーとはならない。

逆に、RPGや将棋やオセロなど、座標系が大雑把なゲームの中には、画面の表示が異なれば座標も異なり、座標が完全に特定できるものもあるだろう。こうしたゲームの場合は、1.の「探偵(読者)が最初からトリックを知っている場合」に相当し、やはりミステリーとはならない。

以上の様に、ほとんどのゲームにおいては、内部の座標系や速度というのは、最初から明確であったり、特定が不可能であったりして、ミステリーとはならないのである。

ところが、カービィボウルの場合、対称性の破れという現象により、本来推理不可能なはずの座標や速度を正確に特定することが出来る

ポイントは、スーパーファミコンの時間軸方向の演算処理は、1フレーム単位で画面に反映されるという部分にある。つまり、画面を録画し、それをコマ送り再生する等の方法により、外部から時間軸方向の動きだけは正確に把握できるのである。

これを踏まえて、前回の内容を振り返る。前回の内容は、カービィが動いているフレーム数という時間軸方向の情報から、1フレームあたりの減速量という座標や速度に関連する情報を導いた。これは、カービィが動いているフレーム数という観測可能なものから、1フレームあたりの減速量という観測できないものを推理していることに相当する。これは、まさしくミステリーの構図である。

では、なぜこんなことが出来るかといえば、対称性の破れという仕様が実装されているからである。下記のように、対称性の破れによって、V0やrを特定できる可能性が生まれてくる。
A.対称性の破れがない場合
・各パワーにおいて、速度V0と1フレームあたりの減速量rは未知数
・各パワーにおいて、正方向と負方向で静止するまでのフレーム数は同じで、独立した式は1つしか出来ない
・各パワーにおいて、速度V0は異なっているため、V0もrも特定は難しい

B.対称性の破れがある場合
・各パワーにおいて、速度V0と1フレームあたりの減速量rは未知数
・各パワーにおいて、正方向と負方向で静止するまでのフレーム数は異なり、独立した式は2つできる
・2つの未知数に対して独立した式が2つあるため、連立方程式を解いて、それらの値が特定できる可能性がある。
カービィボウルの座標系や速度というのは、本来であれば解けないはずのパズルである。しかし、そこに対称性の破れという仕様が加わることで、これらの値の特定が可能になり、カービィボウルはミステリーに変化しているのである。

ここで、通常のプレイでは対称性の破れという現象に気がつけないので、ミステリーとしては破綻していると思う人もいるかもしれない。

しかし、多くの人はカービィボウルをプレイする過程で、6-1でラインがずれが発生するという現象には遭遇したはずである。そして、この原因を突き詰めていけば、斜め方向の動きに着目し、対称性の破れという現象を”推理"することは、決して不可能ではないはずだ。(さらに言えば、バーニングの持ち越しが可能で、スタート地点から斜め方向の動きを観測できる、EX2-3という検証にぴったりなステージまで用意されている。)

以上のように、カービィボウルは、本来特定不可能なものが、推理によって特定できる珍しいゲームである。そして、ミステリーとしてのカービィボウルは、おそらく誰にも解かれることもなく、20年以上も眠っていた。
今、カービィボウルに対する理解は深まり、このミステリーに挑戦できるだけの材料はすでに揃っている。だからこそ、この難攻不落のミステリーに、挑戦を始めるときなのである。(次回に続く)

コメント

ゲスト
No.14 (2017/03/12 20:36)
対称性の破れについて、物理の知識がないので自分なりに理解しようとした結果、カービィボウルの世界では一定方向に一定速度で風が吹いていると考えたのですが、この理解で問題ないでしょうか?減速量という言葉は加速度とは異なるものなのでしょうか?
なるしす (著者)
No.15 (2017/03/12 21:16)
>>14
「カービィボウルの世界では一定方向に一定速度で風が吹いている」というイメージが理解しやすければ、それで考えてみるのも良いと思います。私は、減速量が異なるという事実だけを抽象的に見ていて、具体的な現象を考えているわけではないので、その考え方で矛盾が出ないかはちょっと分かりません。減速量は、正負が逆転した加速度と考えてもらって良いです。
ruina
No.16 (2017/03/16 07:23)
最初はただのネタ動画ぐらいの気持ちで見ていただけだったはずなのに、いつの間にか夢中になって、こんなに成長していて…凄いですね。
最終話を待ち続けた時間も、今や良き思い出。
話や理論が難しくて完全に理解は出来ず、議論にも参加は出来ないだろうけれど、このシリーズを愛し忘れることは無いでしょうね。
楽しい時間と大きな感動をありがとうございました。
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