今回、受賞作となった映画『レヴェナント:蘇えりし者』と一緒に、東京にやってきました。この映画のプロモーションのために、6か月を要したそう。そして、最後の場所がここ東京。
公開記者会見では、アカデミー賞のこと、映画のこと、ディカプリオ自身がいま考えていることなど、多くの話題があがりました。
GLITTY グリッティさん(@glitty_jp)が投稿した動画 - 2016 3月 23 1:45午前 PDT
オスカー像は自宅のリヴィングに
まず話題にあがったのは、アカデミー賞のこと。
オスカー像を手にした率直な感想と受賞の要因はどう思う?
「名誉ある賞をいただくことができ、本当にうれしい。自分にとってはやはり特別な賞です。どうして今回受賞できたのかを自分で分析することはとても難しいことだね。なによりこの映画に関わったスタッフがいたからこそ、だと思っている。特にアレハンドロ監督は理解しがたいほどすごい人。そして、この作品は映画史に残る作品になったのだとも思っています」
ちなみに、ディカプリオのオスカー像は、自宅のリビングに置いてあり、たくさんの友だちが「オスカー像見せて!」と遊びに来ているのだそう。
さらに、アカデミー賞を受賞したことで人生は変わった? と聞くと、
「つい数週間前のことだから、まだ何が変わったのか、そしてこれからどう変わるのかもわからない。でも、自分は何も変わらないことを望んでいる気がする。そして、これまでもこれからも、賞をいただくために演ずるのではなく、自分の夢や理想を追求していくために演じる、ということは変わらないと思う」
と話してくれました。
マイナス20℃の極寒! とにかく過酷な撮影が続いた
自分の夢に対する真摯な態度は、アカデミー賞を穫ろうとそうでなかろうと、何ら変わらない様子。そして、話を聞いていて感じたのは、ディカプリオが本当に映画が好きでたまらない、ということ。
4月22日(金)に公開になる『レヴェナント:蘇えりし者』は、観ている方の胸を圧迫してくるような苦しい映画。
舞台は、1823年のアメリカ西部。未開の地をハンターたちが進んでいくところから物語は始まります。ディカプリオ演じるのは、ハンターの一員で仲間の裏切りで最愛の息子の命を奪われた男、ヒュー・グラス。激しい怒りを力に変え、奇跡的に死の淵から蘇っていく様を、これでもかというくらいリアルに描いています。復讐の執念のみを武器に、300キロに及ぶ容赦ないサヴァイヴァルの旅は、過酷でしかありません。
マイナス20℃でのロケや自然光で撮るために1日1時間半しかできない撮影、スタントほぼなしの体当たりでの演技など、ストーリー同様の厳しい環境だっと言います。
休養宣言をしていたにも関わらず、ディカプリオが出演を決めたのは、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督と組めるから、が最大の決め手だと話してくれました。
「本を読んだときに、これは特別な映画になる、と感じました。撮影に入る前は、何か月も話し合いや準備をしていたので、演じること自体は大変ではなかった。でも、過酷だったのは、寒さ。マイナス20℃の極寒では、本当にサヴァイヴァルをしていたよ。でもそのなかで、人間と自然がどう向き合うべきかの意識を強くもつべきだって強く感じた。でも、二度と同じような映画は撮れないと思う。それくらい過酷だったし、今回の芸術的な作品は同じものは二度とできないはず。そういう作品に参加することができて、とても誇りに思っています」
とにかく「寒さが厳しかった」と何度も話していたのが印象的。さらに、話はディカプリオ自身が強く感心を抱いている環境問題の話に。
「この作品を通して、この地球でどうサヴァイヴァルしていくのか、さらに考えるようになった。撮影中に雪がなくなってしまって、アルゼンチンの南端まで移動してロケを続けたんだ。つまり、こう話しているいまも気候変動は起こっているということ。そして実は、この映画の撮影の合間に、ドキュメンタリー映画を撮っていたんだ。中国やインドネシア、南極をまわって。この映画でも、自然のなかでどうサヴァイヴァルしていくのかを描いているけど、それは、いまこの時代にも共通すること。この地球で、人間という種がどう生き延びるのか、人間が自然をあやつった結果、起きてしまった害とか。もう、国や宗教を超えて問題意識をもつときにきていると思う」
と話してくれました。
自身が撮ったドキュメンタリーは、アメリカ大統領選挙の前に公開予定とのこと。そして、これからのリーダーに必要なのは、科学を公正に理解している人が必要とも話していました。
ジェットコースターの絶頂がずっと続くように感じる『レヴェナント:蘇えりし者』は、レオナルド・ディカプリオの瀕死目前の熱演と自然の偉大さ、美しさをめいっぱい感じられる作品。
観終わったあとに、ディカプリオの発言を読み返すと、より染み入るはず。1か月後の4月22日(金)公開です。
4月22日(金)TOHO シネマズ 日劇他 全国ロードショー
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文/グリッティ編集部
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