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孤独、焦燥、不安が加速する金曜日。週末ダラダラしたいなら絶対観てはいけない映画

2016/01/22 23:00 投稿

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金曜の夜とくに予定もないし、週末も予定なし。ひとりで家に帰っても「おかえり」「今週もお疲れ」と迎えてくれる人はいない。

いつもは平気だけれど、金曜日だけはどうしようもなく孤独を感じるし、自分だけが取り残されているような不安に陥り、このままじゃダメなのではと焦燥感が助長されます。アラサーのひとりの金曜の夜には、恐ろしい魔物が潜んでいるんです。

そんなひとりぼっちの金曜の夜、絶対観てはいけない映画があります。それを観るだけで、余計心にヒリヒリとした感情が沁み込みエグられた気分になってしまうんです...。

私、映画ソムリエの東紗友美が、そんな金曜の夜に絶対に観てはいけない映画を紹介します。――絶対、観てはいけませんよ。

ダラダラ過ごす週末を後悔させられる映画

週末ソファーでおせんべいを食べながら映画を観る、それは私にとって1週間の疲れを癒すための贅沢な時間。しかしこの世には、ダラダラと過ごしたことを後悔せずにはいられない映画があるんです。その作品とは、エバーラスティング 時をさまようタック

DVD「エバーラスティング 時をさまようタック」(1,429円/税抜)(C)2016Disney

「エバーラスティング 時をさまようタック」の原作は、30年以上愛され続けているナタリー・バビットの児童文学です。この原作をディズニーが映画化しました。日々の疲れを癒し、小学生のころに読んだ魔法の物語を思い出させてくれる、大人のための寓話です。惜しくも、日本では劇場未公開だったのですが、これは知る人ぞ知る名作と言われています。

絵本の世界をそのまま表現している映像美

主人公はアレクシス・ブレデル演じる、資産家の一人娘ウィニー。厳しい両親のもとで育てられ、日々の生活に鬱屈していたところ、迷い込んだ森の中でタック一家と出会います。

タック一家は、実は100年以上生き続けている不老不死の家族だったのです。ウィニーは、人目を忍んでタック一家のところに遊びに行きます。そして、大地や木々の鼓動を感じながらのびのびと暮らすタック一家に、ウィニーは魅了されていきます。

この森や湖の広がる大自然が美しすぎるのがこの映画の魅力のひとつ! 自然のなかでウィニーがヴィクトリア風の白いドレスをひるがえすたびに、ついつい見入ってしまいます。

そして、ウィニーはタック一家のジェシーという少年と恋に落ちるんです。ひと夏の恋は、乙女エキス満載。美男美女のふたりがまぶしすぎて、絵本からそのまま出てきと思わずにはいられません。

とくに、ウィニー役のアレクシス・ブレデルは、宮古島の透き通った海のような、もしくはバスクリンのブルーのような大きな青い瞳がとっても印象的。じつは、映画「シンシティ」に出演した際、世界観を保つために白黒映画を想定していた監督が、彼女の瞳をみてカラーで表現することを決めたほどなんです。

とにかく深い、永遠の命VS限りある命を生きること

物語の後半、ウィニーは大好きなタック一家と永遠の命を生きるか、大好きな彼のもとを離れてこれまでの退屈な人生に戻るか決断が迫られます。どこが児童文学なの!?と思わされるほど、やり直せない毎日をどう生きるか考えさせられます

私は、劇中に登場する「無意味な生」という言葉に、ダラダラ煎餅を食べて観ていたので思わずヒヤッとさせられました。モチベーションアップ系の映画ではないのですが、人生に対してやる気を起こさせる演出、ストーリー作りが巧妙なんです。

ダラダラとした週末を送ろうとしている金曜に観たら、危険! また、ダラダラと過ごした週末の終わりにみたら、後悔しか残りません。逆に、何かはじめたい、活動的に過ごしたいときにはあえて観るというのもアリ。

繰り返せない人生を生きることのありがたみを感じることで、美しく生を重ねていきたいと前向きな気持ちにもさせてくれるはずです。

top image via shutterstock



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